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第21話 魔力

 ポーションで合成を確かめた後、俺は現時点で調達可能な物を中心に合成をし続けた。


 ――――

 下級解毒ポーション【薬品】レア度:☆


 体内の有害な成分を取り除く。

 星2以上の毒は取り除けない。

 ――――

 ――――

 中級解毒ポーション【薬品】レア度:☆☆


 体内の有害な成分を取り除く。

 星3以上の毒は取り除けない。

 ――――

 ――――

 上級解毒ポーション【薬品】レア度:☆☆☆


 体内のあらゆる毒を取り除く。

 星4以上の毒や呪いは取り除けない。

 ――――


 ヨモギ同士を組み合わせて作った毒消し草。

 その毒消し草を合成して作った解毒ポーションだ。

 そして毒消し草同士を組み合わせることで、上毒消し草、特上毒消し草が完成。

 それを水と合成することで、中級、上級も作ることが出来た。


 また、下級解毒ポーション同士を合成して中級、中級同士で上級と同じものでも品質の高い解毒ポーションが完成した。


 しかし……毒のレア度が分からないと、どれを利用していいか分からんな。

 そもそも毒にレア度があること自体初めて知ったし。

 食中毒で星1、青酸カリで星2とか影響度で変わるのかな?


 一応ナビ子に聞いてみたが……ナビ子が言うには鑑定のスキルで毒のレア度も分かるらしい。

 やはり早いとこ鑑定のスキルを手に入れないといけないな。


 ――――

 ミドルポーション【薬品】レア度:☆☆


 中級ポーション。

 下級ポーションよりも効き目が良い。

 ――――


 こちらもローポーション同士で完成した。

 それから上ヒール草と水でも同様の結果だった。

 ハイポーションも似たような感じでできるだろう。

 ……それ以上は怖くてできないな。


 ――――

 魔力増幅薬【薬品】レア度:☆☆☆


 一定時間、魔力が1.5倍になる。

 ――――


 ――――

 筋力増幅薬【薬品】レア度:☆☆☆


 一定時間、筋力が1.5倍になる。

 ――――


 ――――

 体力増幅薬【薬品】レア度:☆☆☆


 一定時間、持久力が1.5倍になる。

 ――――


 3リスの実シリーズと水を組み合わせた結果だ。

 一時的とはいえ、戦闘前に飲めば大いに活躍するだろう。

 今度のゴブリン戦に使うかもしれない。


 そして実シリーズはそれだけではなかった。


 ――――

 魔力の霊薬【薬品】レア度:☆☆☆


 魔力を1%底上げする。

 ――――


 ――――

 力の霊薬【薬品】レア度:☆☆☆


 筋力を1%底上げする。

 ――――


 ――――

 体力の霊薬【薬品】レア度:☆☆☆


 持久力を1%底上げする。

 ――――


 どうやら実と水の合成先が2種類あったらしい。

 とはいっても霊薬の方が出現率が悪い……増幅薬5個に対して、霊薬は1個ずつしか手に入らなかった。

 ナビ子はランダムと言っていたが……とてもじゃないけど確率に差がある。

 もしかしたら鉄の例のように、素材の質が関係あるのかもしれない。

 これが魔力の水だったら霊薬の方が出やすいとか?


 とりあえず今の俺には霊薬の方が欲しいので、実の合成はレシピ合成までとっておく。

 レシピ合成なら100%成功するはずだからな。


「ねぇねぇシュートぉ。薬ばっかじゃなくて、武器作ろうよ~」


「嫌だよ! これ以上鉄は使いたくない」


 消耗品ばかり作っている俺にナビ子が文句を言う。

 確かに似たようなのばかり出来上がるのは見ていて面白くないだろう。


 だが……鉄はランダム要素がキツイ。

 実際さっき1枚だけ鉄と合成カードで試してみた。


 ――――

 鉄パイプ【武器】レア度:☆☆


 チンピラ度が上がる武器。

 当たり所がよければゴブリン程度なら倒せるかもしれない。

 ――――


 結果、貴重な鉄がこんなものに……

 だから俺は鉄を調達する目処がつくか、料理と同じように武器のレシピが手に入るまで、鉄の利用はやめることにした。


「もう……その鉄は初心者ボーナスなのになぁ」


 ナビ子の言う通り、運営側からしたら、レベル2になった時点でこの鉄を使い切ってもらいたかったんだろう。

 しかし……仮にもう一度やって鉄パイプが被ろうものなら目も当てられない。

 というか最初の合成が鉄パイプて……そこはかとなく運営の悪ふざけを感じるのだが?

 せめて最低限合成ガチャで何が出るかが分かれば、まだ試す気にもなるんだが。


「まぁレベル3に到達できなそうなら考えるよ」


 すでに薬品系だけで合成10種類は超えている。

 まだまだ試してない素材はいくらでもある。

 それに、まだモンスター合成も控えている。

 この調子ならすぐに100種類は超えるだろう。


「さて次は……」

「あっ、今日はそろそろやめた方が良いよ!」


 次の合成に取り掛かろうとすると、ナビ子に止められる。


「何でだ?」


「そろそろシュートが限界に近いからさ」


「限界に? ……別に疲れてないけど?」


「いやいや、今はまだ大丈夫かもしれないけど、そろそろシュートの魔力が切れちゃうの。ゼロになったら動けなくなっちゃうよ」


「魔力……魔力!?」


「そう魔力。この合成のスキルは魔力を消費するの」


「……聞いてないぞ」


「言うの忘れちゃってた」


 てへっナビ子が誤魔化す。

 いやいやいや、それ忘れちゃいけないことだよね!?


 確かナビ子はレベル1の段階では気にしなくていいって言ってた。

 けど、レベル2になったから必要ってことなのか。


「ってか、俺って魔力があるの?」


 そのことに驚くのだが……


「あるよ。魔力は誰でも持ってるの。もちろん魔力量は個人個人で違うし、魔力があっても、魔の素養系のスキルがないと、魔法自体は使えないけどね」


 なるほど。

 魔力自体は全員が持っているけど、使えるかどうかは個人次第ってことか。


「シュートはまだ魔力は低いから、あんまり合成は使えないんだ」


 確か30回は合成したけど……その辺りが境界線なのかな?


「自分で魔力量とか分からないのか?」


「今日は初めての合成で気づかなかったと思うけど、そのうち体感で分かると思うよ。体力と似たようなものだね」


 どうやら具体的な数値みたいなのは分からないようだ。

 そういえばMPの概念はないって言ってたな。

 実際に経験しながら感じていくしかないってことか。


「今は低いけど、シュートの魔力はちゃんとアタイが鍛えてあげるから、安心してね」


「……頼りにしてるよ」


 一瞬昨日の筋トレが思い浮かんだが、魔力の上げ方なんか分からないからナビ子に頼るしかない。


 結局今日はこれ以上の合成は終了。

 いつもより軽めな筋トレと銃の訓練だけして休むことにした。

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