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第19話 レベル2

本日1話目の投稿です。

 蟻や蝶など、地道に新しい仲間が増えて数日。

 その新メンバーのお陰で、ついに図鑑登録数が100種類を超えた。


「ナビ子ナビ子!! 図鑑が100種類超えたぞ! どうやったらレベル2になれるんだ?」


 俺は図鑑を広げてナビ子に見せる。

 モンスター図鑑11種。

 魔法図鑑6種。

 アイテム図鑑90種。

 うん、間違いなく100種を超えている。


「あのねぇ。そんなに見せつけなくても、アタイはいつもシュートの側にいるんだから分かってるって」


「じゃあ早くどうやったらレベル2になるか教えてくれよ」


「どうやったらって……もうレベル2になってるわよ」


「えっ!?」


 もうレベル2?

 だって……何も変化なかったぞ?

 こういう新たな能力に目覚めるのって、それらしい反応があるんじゃないの?


「……何も感じなかったんだが?」


「そりゃあスキルのレベルが上がったところで、何か変化があるわけないじゃない」


 マジか……じゃあ本当にナビ子がいなかったらレベルが上がったかどうかわからないじゃないか。

 こうなってくると……早く鑑定のスキルが欲しいな。


「レベル2になってるなら……じゃあ早速合成の使い方を教えてくれよ」


「今日は随分と食い気味にくるじゃない」


「そりゃあずっと待ちわびていたからな」


 合成があればやれることが大幅に広がる。


「じゃあまずは合成の基本からね」


 ・合成は2枚のカードが必要。

 ・もし1枚しか使いたくない場合は合成カードを利用する。

 ・合成に使用したカードは成功、失敗に関わらず消滅する。


「ここまでは既に知ってる情報だよね?」


「ああ……以前教えてもらったから……だけど失敗ってなんだ? それは聞いてないと思うぞ」


 というか失敗することがあるのか?


「あっ失敗のこと言ってなかったっけ?」


 俺は頷く。


「じゃあ説明するけど、失敗することもあるんだ。といっても、成功率が……とかじゃなく、あり得ない合成をしたら……の話なんだよ」


「つまり……2枚で合成先がない場合が失敗になると?」


「そういうこと。これはスキルに多いんだけど、真逆のスキルを合成させても意味がない……というか矛盾するスキル同士だと失敗しちゃうの」


「矛盾したスキル……例えば?」


「そうだねぇ……加速と鈍亀とか。自己治癒と自傷とかかな」


 加速……足が早くなる。

 鈍亀……足が遅くなるが丈夫になる。


 自己治癒……怪我の自然回復が早くなる。

 自傷……一時的に能力が上がるが、行動する度に怪我を負う。


 ……なるほど、確かに矛盾だな。


「まぁもしマイナス効果を打ち消したければ、合成で別のスキルにするんじゃなくて、両方覚えろって話だよ」


 確かに……両方のスキルを覚えて、発動させればいいだけだ。

 別に合成する必要はない。


「スキル同士以外にも失敗することはあるけど、内容は殆どおんなじ。要は矛盾しない合成をしてねってこと」


 他って……例えば毒キノコと毒消し草とかかな?

 まぁ変な合成さえしなけりゃ問題ないんだろ?


「これからはまだ説明してない話になるよ」


 ・レベル2では『合成』と『セット』の2種類が使える。

 ・どちらも2枚重ねて唱えればよい。

 ・合成先が複数ある合成に関しては結果はランダムになる。

 ・成功するとレシピカードも貰える。

 ・レベル2の合成ではレア度が星3までしか合成できない。


「説明は以上かな」


「待て待て待て」


 以上って……ツッコミどころが満載なんだが?

 どこから聞けばいいのか……とりあえず絶対に聞かなくちゃいけないことは……


「セットって何だ?」


 そんな言葉、今まで聞いたことがない。


「セットは合成なんだけどちょっと違くて……ベースカードに合成カードを混ぜるの」


 ベースカード。

 また知らない単語だ。


「分かりやすく剣で説明するね。鉄の剣とファイアの魔法を合成するとするね。そうすると、鉄の剣じゃなくて、火属性の別の剣になるの。例えばバーニングソードみたいな。ここまではいい?」


「ああ」


 バーニングソードってのが実際にあるか知らないが、理屈は分かった。


「セットは鉄の剣にファイアの魔法を付与させるの。結果は……能力は全て鉄の剣のままで、単純にファイアの魔法が使えるようになるの」


「……それはバーニングソードと違うのか?」


「違うわよ。バーニングソードは斬ったときに燃える……とか、物理攻撃が火属性になって、物理無効の敵にも火属性ダメージを与えたりできるの。でも鉄の剣の方はただの剣。斬っても普通だし、物理攻撃無効の敵を斬ってもダメージは与えられない。ただファイアの魔法が使えるだけなの。モンスターカードでも説明したでしょ。スキルが違っても図鑑登録は同じモンスターだって」


 はーん、つまり『鉄の剣【スキル:ファイア】』ってことか。

 ならバーニングソードの方が図鑑登録もできるしいいことずくめじゃないか。


「これの正しい使い方は……片付けだよ」


「片付け?」


「うん! 例えば合成でポーションを作るとするじゃない。その時出来上がったポーションは、カードになってるけど、解放(リリース)しちゃうと、どうなると思う?」


「どうなるって……ポーションが出てくるんじゃないのか?」


「どうやって?」


「どうやってって……え?」


 ナビ子が何を言いたいのか分からない。


「もぅ本当にシュートは鈍いよね」


 ……ほっとけ。


「いい? 例えばシュートが街でポーションを買おうとしたらどんな形のを想像する?」


「どんなって……ガラスの瓶に入った……」


「じゃあヒール草と水で合成したポーションのどこに瓶があるの?」


「……どこにもないな」


「でしょ? だからシュートが合成したポーションを解放(リリース)したらポーションはそのままバッシャーンだよ」


 バッシャーンて。

 しかし……そっか。


「そこでセットが役に立つの。ポーションをベースに瓶と合わせると、瓶の中に入ったポーションになるの。ただし、中身は変わらないから、図鑑登録もないけどね」


 要するに剥き出しだろうが、瓶に入ってようが、ポーションはポーションってことか。


「ポーションをそのままぶっかけたりするのなら、そのままでもいいけど、飲んだり売却する場合は瓶に容れた方がいいかもね」


「うん、よく分かった」


「他にも役に立つ方法は色々とあるから、それは自分で試してみてね」


「じゃあ次だ。……結果がランダムになるってのはどういうことだ?」


 合成先が複数ってのもよく分からない。


「え~っとね……そうだ! シュートは毛糸の帽子って何で出来ているか知ってる?」


「毛糸だろ?」


「他には?」


 毛糸の帽子とか作ったことないから、詳しくは分からないが……


「……毛糸を編んで作るから、毛糸しかないんじゃない?」


「うん、じゃあ毛糸のパンツは?」


「……同じじゃね?」


 編み方が違うだけで根本的には一緒の気がする。


「そうだよね。じゃあ毛糸と合成のカードを使って合成したら、何ができると思う?」


「……もしかして、そのどっちかが出来るってことか?」


「どっちかじゃないよ。セーターかもしれないし、手袋かもしれない。ねっ、合成先が一杯あるでしょ」


「なるほど……毛糸を使った何かがランダムで出来上がるってことか」


 狙って合成できないのは少し面倒だな。

 欲しいと思ったものが、一向に手に入らない可能性がある。

 そう考えると、まるでガチャと一緒だな。

 ……本気でコンプを考えると素材がいくつあっても足らない気がする。


「まぁ難しく考えなくても、やっていけば自然と分かるよ」


 ……そうだな、考えるよりやってみた方が早いな。


「あと最後に……レシピカードとは?」


「その名の通りだよ。何と何で合成したら何ができたかって記録されるの」


「それだけじゃないんだろ?」


「おっ分かってるねぇ……と言っても、この間レベル5まで紹介したから普通分かるよね」


 先日教えてもらった時にレベル3でレシピ合成ってのがあった。

 間違いなく関係するに違いない。


「レシピカードはレベル3以上にならないと使えないんだけど……合成結果がランダムじゃなくて、レシピの結果になるの」


 うん、予想通りだな。


「ってことは、何か量産したいときは、レシピから合成すればランダムにならなくて済むってことだな」


「そゆこと~。ちなみに料理や鍛冶なんかは、紙にレシピを書いてカード化すれば、レシピカードの代わりにすることも出来るからね」


 ってことは、料理人にレシピを書いてもらってそれをカード化すれば、その料理が作れるようになるのか。


「ちなみにレシピ合成は合成のカード枚数に制限がないから2枚以上いけるよ」


「なっ!?」


 それなら料理関係はかなり凝った料理が作れるようになる。

 よし、料理関係はレベル3までは……いや、街に行くまでは放置だな。

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