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カード化スキルで図鑑コンプリートの旅  作者: あすか
第4章 片翼のドラゴン
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第171話 ダンジョン入口

 ヘルハウンドと戦った後も、色々なモンスターとも遭遇した。


 ヘルハウンドと同じく犬系モンスターのブラックドッグ。

 すでに持っていたファイアリザードやポイズンリザードなどトカゲ系モンスター。

 ビックバイパーやパイロスネイクなどの蛇系モンスター。

 グランスコーピオンというサソリ型のモンスターや、変わり種で地面を泳いでいるサンドシャークなどもいた。

 サメ映画で見るような、背ビレが地面を動いているのは正直ビックリした。


「……お主は戦わんのじゃな」


 これまで遭遇したモンスターは全てラビットAとドラゴニュートが倒した。


「俺だって少しは戦えるさ……多分」


 ガロンのツッコミに俺は自信なさげに答える。

 一応俺もいつでも戦えるようにベレッタは準備しているんだが……2人が強すぎるんだよ。


「まっ、自慢じゃないが俺のレベルの殆どはラビットA達の功績だ」


 俺が倒したモンスターなんて、両手の指で数えられる程度でしかない。


「本当に自慢ではないな」


 ほっとけ。


「それにしても嬢ちゃんの魔法はスゴいのぉ。この山で一番危険なグランスコーピオンを一撃とは……」


 なるほど。

 グランスコーピオンがこの山のボスか。

 ラビットAとか丸飲み出来そうなくらい、デカいサソリだったもんなぁ。

 表面も硬そうで、俺のベレッタなら軽く弾かれてしまいそうだった。

 まぁラビットAのアイスジャベリンで一突きだったけど。


 にしても、確かに樹海と比べると、この山のモンスターの数は多いって気がしない。


「……平地に出現するモンスターってどれなんだろ?」


 考えたら、平地に現れるモンスターの種類を聞いていない。

 普通に考えたらヘルハウンドやブラックドッグなどかな。

 トカゲや蛇もいるかも知れない。

 まぁ流石にグランスコーピオンはいないだろう。


「この山にはまだ出会ってないモンスターもおるでの。それかもしれんぞ」


 まだ遭遇してないモンスターか。

 そのモンスターの魔石も手に入れてコンプしたいところだけど……。


「ここがそのダンジョンの入口か」


 遭遇する前にダンジョンの入口までたどり着いてしまった。

 岩陰になっているので、空からは確認できなかっただろう。

 ……かなり深そうなダンジョンだ。


「このダンジョンにドラゴンがいるのか?」


「恐らくとしか言えんがの。炎竜石や素材はこのダンジョンの奥で見つけた」


 ガロンの話によれば、炎竜石や素材を見つけたのは偶然だったらしい。


「儂は普段は別のダンジョンで採掘しとったんじゃが、そのダンジョンで足を滑らしての。ダンジョンの奥へと入ってしまったんじゃ」


「……よく無事だったな」


 というか、普通に考えてひとりでダンジョン探索は危険すぎる。

 本当、10年も無事なのが奇跡に近いだろ。


「儂もあの時は死んだかと思った。じゃが運良くモンスターを回避できての。たどり着いたのがこの入口だったのじゃ」


 俺は昨日の酒盛り時にガロンに触れ、スキルを確認していた。

 それによると、ガロンは採掘、鍛冶、幸運、気配察知のスキルを持っていた。

 気配察知のスキルを持っているのは、俺達が小屋の中にいたのを察知していたから何となく気づいていたけど、本当、鍛冶師って感じのスキル構成だ。


 足を滑らせたのに無事だったのも、そこで炎竜石や素材を見つけたのも幸運のスキルのお陰かな。


「それ以来、奥には絶対に入らんようにしておる」


 ガロンの目的は武器に必要な鉱石の採掘だから、奥までの探索は必要ないらしい。

 炎竜石は手に入らないけど、命に代えるものじゃないからな。


「ちなみに、このダンジョンにはどんなモンスターがいるんだ?」


「気をつけるべきはイグニスファタスじゃろうな」


 ……聞いたことないモンスターだな。

 俺のゲーム知識にも引っかからない。


「ウィルオーウィスプの進化個体ですね」


 ティータが補足してくれる。

 なるほど。ってことは実体のない鬼火みたいなモンスターなのかな。


「あのモンスターには物理攻撃が効かんから、魔武器で倒すしかないんじゃ」


 確かに魔法が使えないガロンには厳しいモンスターなのかもしれない。

 そう考えたらさっきのグランスコーピオンも硬いから強敵って言ってたのかもな。


「他に気をつけるべきモンスターはコボルトかの」


 コボルトは知っている。

 犬の顔をしたゴブリンみたいなモンスターだ。


「コボルトって弱いイメージがあるんだけど?」


 強敵ってイメージはしないな。


「確かに一体一体はそうでもないが、集団で行動するからの。油断できんのじゃ。それにハイコボルトやコボルトメイジなどがは油断ができん」


 ……まんまゴブリンみたいな感じだな。

 ひとりのガロンでは厳しいかもしれないが、大量のゴブリンと戦った経験があるから、そこまで問題ではないだろう。


「何より厄介なのが、奴らは鉱物を変質させるスキルを持っておる」


「鉱物を変質?」


「うむ。鉄や銀、炎魔石などをコバルトに変質させるのじゃ。ほんに厄介なモンスターじゃて」


 コバルト? 知らないな。


「コバルトは武器づくりには不向きだからの。コボルトがおらんところでしか、採掘ができん。奴らのせいで奥に入ることになったのじゃ」


 そして足を滑らせて奥に入ってしまったと。

 コバルトはコボルトがいるところでしか手に入りそうにないし、人型のモンスターは貴重だから……現れてくれないかな?

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