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カード化スキルで図鑑コンプリートの旅  作者: あすか
第4章 片翼のドラゴン
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第149話 樹海探索

 樹海に入る準備として、必要な仲間を召喚する。


 今回召喚するのはインセクトクイーンとラビットA、それからティータだ。


「クイーンは昆虫系モンスターを。ティータは植物系モンスターが出てきたら相手をしてくれ」


「お任せください」


 インセクトクイーンは話せないが、表情を見ればやる気に満ち溢れているのが分かる。


「きゅっ! きゅきゅ!」


 一人名前を呼ばれなかったラビットAが自己主張する。


「お前は俺の護衛だ」

「きゅい!」


 俺の言葉にラビットAがビシッと敬礼する。


「他の子は出さないの?」


「他は状況次第かな」


 この辺りは冒険者も来るらしいから、先日の山のように放し飼いはできない。

 特にゴブリン達を出したら、冒険者に狩られる……いや、返り討ちにするだろうけど、少なくても樹海では出せない。


「クイーンにティータにラビットA……ハーレムパーティーね」


「ハーレムってんなら、ラビットAの代わりにアラクネやミストを出すよ」

「きゅむ~」


 ラビットAが唸るが、残念ながら俺に幼女趣味はない。

 まぁかわいいのは否定しないけどね。

 ハーレムと言われれば、違うと言わざるを得ない。


「やっぱりミストやアラクネをそんな目で見てたんだ。シュートさいてー」


 ったく。お前が言い出したんだろうが。

 でも……樹海の中だから、アラクネは後で召喚するかもしれないな。


「さてと。護衛はこれでいいとして、次は調査用のモンスターだな」


 一応依頼の調査も進めないと。

 俺はデザートトードとブラッドワーム、ハードワームを召還する。


 この3匹の仕事は地中の探索だ。

 もしかしたら、本当にグランドワームのような大型のモンスターがいるかもしれない。

 地中移動のスキルを持っている3匹に、気配察知のスキルを覚えさせ、地中にモンスターがいないか探らせる。


「グラちゃんも召喚すればいいのに」


「それだと地響きの判断が出来なくなるだろ」


 グランドワームを召喚したら、地響きが今回の原因か、俺のグランドワームのせいか分からなくなる。

 なので、可哀想だが今回はお留守番だ。


「何か見つけたら、報告を頼む。何も見つからなくても、一旦3日後には帰ってくるように」


 樹海とブルーム山の地中を3匹で調べるのだから、途方もなく大変だろう。

 毎日報告に帰っていたら、時間がいくらあっても足りないだろうから、ひとまず3日で区切ることにした。


「あと、もし倒せそうなモンスターがいたら、倒しても構わんが、魔石だけは回収するように」


 モンスターといえどもワームとカエル。

 素材の持ち帰りは至難の技だろうが、魔石だけはなんとしても手に入れたい。

 まぁコイツらにとっても探索メンバーが増えるのだから、気合いで持ち帰ってもらいたい。


 3匹は早速地中へと潜る。

 これでひとまず地中の調査は問題ない。

 次は地上の調査だな。


 俺はシャドービーとワイルドホークを全員召喚する。


「シャドービーはこの樹海を自由に調査してくれ。ワイルドホーク達は一足先に、上空からブルーム山の調査を頼む。何か怪しいものを見つけたら報告すること。活躍したら、優先的に進化や古参……でもないから、幹部でいいや。幹部に取り立てるからそのつもりで」


 うん。いつまでも古参や新参じゃあわけ分からなくなるもんな。

 これからは古参じゃなくて幹部って呼ぶことにしよう、


 俺の言葉にワイルドホーク達が一斉に飛び立つ。

 幹部になりたいのかどうかは分からないが、少なくともワイルドホークの中での序列がかかっているから、全員やる気のようだ。


「なんでワイルドホークだけなの? ワイルドイーグルやワイルドファルコンは?」


「全種族いっぺんに出したら大騒ぎになるだろ。だから種族別に順番に召喚しようと思うんだ」


 ワイルドホークが帰ってきたら、次はワイルドファルコン、そしてその後にワイルドイーグルってな順番だ。

 ロック鳥やナイトホークは既に星2なので、別の役割を用意する予定だ。


「さて、俺達は樹海のモンスター狩りだ」

「きゅきゅ!」


 もちろん目標は樹海のモンスターを全種族制覇。

 デザートトード達の帰還までに終わるかなぁ?



 ****


「ふふっ。ふははっ。ふはははは!」


 なんだこれ。笑いが止まらない。


「あ~あ。シュートが壊れちゃった」

「きゅぅぅ。きゅート、へん!」

「マスター……お気を確かに」


 3人が失礼なことを言っている気がするが、今の俺は気分が凄くいいからな。

 全く気にしない。


 俺の目の前には色んな種類の魔石カードがある。

 樹海に入ってから、俺達に襲いかかってきたモンスターの魔石だ。


 見たことのない昆虫型モンスターや動物型モンスター、植物型モンスターが襲いかかってきたが、インセクトクイーンとティータ、それからラビットAの敵ではなかった。


 俺は3人が倒していくモンスターの死体をカードにして分解していくだけ。

 図鑑に新規のカードが増えていくのが楽しくて仕方がなかった。


 襲撃が一段落したから休憩することにしたんだが……図鑑を眺め始めたら止まらなくなった。

 もう他のことなんかどうでもいい。

 今はコレクションの整理をしなくては。


「こうなったシュートは、周りが見えてないからね。もうどうにもならないよ。仕方がないから、これからはアタイが指揮するよ。いいよねっ! シュート!」


「ああ、任せる」


 俺はナビ子の方を見ずに答える。

 ナビ子がなんか言ってたから任せると言ったけど……何だったんだろ?

 まぁ後回しでいいか。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公のコレクトにかける情熱がネットの中にあるやばい人(褒めてる)って感じがしてすごく好きです! [気になる点] 単純に主人公はもっと怒ってもいいかなぁとまあここから先はまだ見ていないので…
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