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第9話 「ソフィの過去と夢写術」

 

 義荘へと戻った俺はラウ道士の顔色が良くないのに気付き身体を調べると、どうやらキョンシーから受けた蹴りで肋骨を骨折しているようだった。



「ラウ道士…暫く安静にしていて下さい」


「すまないキョウ道士…すまないついでに頼みがあるのだが」


「頼み? 何ですか?」


「私が回復するまで義荘を手伝って頂けないだろうか?」


「えぇ 急ぐ旅でもありませんので安心して下さい」


「ありがとう… キョウ道士」



 俺は二つ返事で了承…実はコレ俺的には有り難い話であった、こんな近くで義荘業務を体験出来る機会は他に無かったからだ。ソフィの生前の謎なども気にはなる所だが今は経験を積む事を優先しよう。



 俺はソフィとホイポイに暫く義荘ここに滞在する事になると告げ、ラウ道士の孫娘ティンシェンにいつも行っている義荘業務を習う事にした。


 ティンシェンが教えてくれたのはこうだ…義荘の清掃、食事の用意、術の修行、夜はキョンシー達へお線香をおそなえ、そしてまた術の修行や宗本等を読み勉強。


「成る程…宗本とは神仙教の本か?是非読んでみたい」


「これだよ キョウ先生」


「ありがとう ティンシェン」


「ティンシェン掃除して来るねぇ」


「それならホイポイも一緒に手伝いなさい」


「はい キョウ師匠 行こうかティンシェン」




 俺は義荘の清掃に向かう二人を見届け宗本をペラペラと

捲っているとピョンピョン跳ねてくるソフィに気づく…


「どうしたソフィ?」


「私の殺された原因…突き止めて欲しい……」


「初めてだな お願いなんて」


「私何故…誰に殺されたのか知りたい」



 俺が思うにソフィは、現在の皇妃様かその周囲の者に暗殺されたに違いない…だが証拠も既に無いだろうし、今更過去を覗いたり出来ないだろうしなぁ。と考えているとそんなソフィの願いが俺に通じたのか、俺の頭の中でピコンッ…と音がした。


 〝レベルが一定に達した為、スキルを習得致しました〟


頭の中でファンが俺に通達して来た———。



 ファンよ何のスキルを覚えたんだ?


 〝ハイッ! 【夢写術むしゃのじゅつ】を習得しました〟


 むしゃのじゅつ? ファンどんな効果があるんだ?


 〝ハイッ 夢写術むしゃのじゅつは夢で対象者の過去や現在または未来を夢で観る事が出来るようになる術です〟


 成る程…その夢写術むしゃのじゅつでソフィの過去を観る事は可能か?


 〝ハイッ! ソフィはマスターが使役しているので可能です〟


 俺いつソフィを使役した!?ってまぁいいやそのスキル

 今夜使ってくれ ファン!


 〝夢写術むしゃのじゅつ 予約受付ました〟




そして俺はその夜眠りにつくと…本当に夢を見た……。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー



「ぎゃあぁぁぁッ!!!」

「うわぁぁぁぁッ!!!」

「ソフィ様お逃げ下さいッ!!」



 何だ何だッ!!! いきなり惨劇映像からスタートかよ

 アレがソフィか!生前も美しい奴だなオイ…

 ん?アイツが刺客か…黒装束に身を包んで

 顔も頭巾で隠していて誰だか分からないなぁ。


「きゃッ!」


 うわぁ お約束的な感じでソフィちゃんコケちゃいました!

 何やってんだよソフィ……うわ 追い詰められたし…


 グサッ… 刺されちゃったし……


 しかしソフィを刺したあの剣…立派な剣だな……

 やはり王族関係者—————か?


 クッソォ…話しかけれたらなぁ……


 タッタッタッタッ…… あぁぁ…行っちゃった……





————————…パチリと俺が目覚めると側には

ソフィが立って待っていた。


「ソフィ…わかったのはお前がお約束を守る奴だって事と装飾のされた金色の龍の柄が彫られたつるぎで斬殺されたって事ぐらいだったよ」


「金色の龍の柄……」


「ッ!! 何か思い出したのか? ソフィ」


「……ダメ …思い出せない」


「ダメか… 仕方ないよ お前死んでるし」


「………」


「そんな哀しい顔するなって! ちゃんと都に着いたら龍の柄の事とか調べてやるから」


「うん キョウありがとう」


「ッ! …ふっ、不意に可愛い顔するなッ!!」




 という訳で当面の俺の目的がとりあえず確定された。

しかしこのまま犯人を探し出して真実を暴いた所で

今更ソフィは生き返らない…だけど

せめて成仏させて生まれ変わらせてあげたいなぁ。




ーーーーソファライト帝国 〜 帝都城ていとじょう



 コンコンッ…


「誰じゃ?」


「皇妃様…大堕落だいだら道士に御座います」


「入りなさい」


 ガチャッ……


「夜分遅くに失礼致します ソラン皇妃様」


「久しいのぉ 大堕落だいだらよ」


「はい…アレから三年ぶりで御座います」


「…そうか で? 何用じゃ?」


「はい…実は儂の魔術〝結界棺柩けっかいかんかん〟が破られ…ソフィ様のご遺体が消えました」


「な————ッ!!! なんじゃとッ!!!」



大堕落の発言に皇妃ソランは激しく動揺を隠せないでいた。


「ソォォォォ…フィィィィ……は…死んでも尚…私の邪魔を…………くぅぅ」







何故ソフィに結界を掛けていたのか…

魔術〝結界棺柩けっかいかんかん〟が誰に破られたのか…

そして皇妃ソランと大堕落道士の関係とはッ!?ーー

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