第4話 「振り返ると道士」
村に戻る事にした俺とソフィは村人達に絶叫される…
興奮するシュナマさん達にはとりあえずソフィは俺が
使役したキョンシーだから安心して下さいと宥めたが
いくら使役しているとは言え、不吉だからと言われ
俺達は村外れの使われていない小屋を借りる事にした。
「さぁこれでひとまず邪魔は入らないはずだ!」
とりあえず俺は今何が出来るのか聞きたかったので
早速脳内で〝ファン〟に語りかける———。
ファンよ…今の俺は何が出来るのかな?
〝ハイッ!現在マスターが取得しているのは…
異世界法術という【法術】スキルです〟
オォ…凄いッ! 俺って法術使えちゃうの?!
〝ハイッ! 現在マスターのレベルで使用可能な法術は……二つです〟
二つかぁ…意外と少ないなぁ……ん?レベルって何?
〝ハイッ!レベルとは…経験値や成長過程で取得した事により
上がる個体の現在値の事です〟
RPGみたいだな…どうやってレベルを上げるの?
〝ハイッ!マスター自身かもしくは使役した者が
人や妖怪または魔物等と戦闘し得る事が可能です〟
使役した者って事は自分で倒さなくてもいいのか…
〝ハイッ!マスターが倒せば全経験値を取得出来ます……
但し使役した者が倒した場合その経験値は折半されます〟
成る程……じゃあそのレベルを俺自身が目で
確認したりは出来ないのかな?
〝ハイッ!出来ますが今のマスターでは出来ません
目で確認する為にはその為のスキルが必要となります〟
またスキルかぁ〜…まぁできる事は分かったし
俺が使える二つの法術について教えてくれないか?
〝ハイッ!ひとつは【呪符力】と言ってお札等に呪文を書き込める力です、もうひとつは【解毒術】と言って体内に入り込んだ毒を解く術です〟
スッゲェ!お札ってあの道士がよく黄色の紙に
鶏の血で文字を書くやつだよなぁ!!
〝ハイッ!しかしマスターなら別にお札や血が無くとも呪符する事は可能です〟
いいのいいのッ!こういうのは雰囲気が大切だから♪
早速俺は呪符力を試そうと紙と墨汁と鶏の血を
用意する為村へ走った———。
「紙なんてこの村には無いよ、もちろん墨汁もね」
ガーンッ!!…と俺の心の鐘は鳴り響く……
鶏も卵を産む大事な食糧源だから
滅多に殺したりはしないそうだ。
そりゃそうだよな…この村貧乏村だし…ハァ……
「紙なら都に行けばあるんじゃないかい?」
「何ッ!! 都に行けばいいのか!!!」
村人の一人がそう言ってきたので俺は道士のお札を
手に入れる為に早急に都に行く事を決意する。
そして俺は振り返りその場を立ち去る…
その時の決意した俺の顔はまさに輝き勇んでいたと
村人は言う…まさに〝道士〟様だったとッ!!!
「ソフィィィッ!都に行くゾォォォォッ!!」
俺の知る道士とは…体術と法術を修め
キョンシーに関係する仕事に従事する。
義荘に住んでキョンシーの供養を行い
時には風水や占術の相談も受け付ける一方で
体術や法術を用いて人に害を及ぼす
キョンシー退治を専門とする者の事を指すーー