表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

第1話 「振り返ると異世界人」

 

殭屍キョンシー……


 もともと中国において人が死んで埋葬する前に

室内に安置しておくと夜になって突然動きだし

人を驚かすことがあると昔から言われていた。


 ミイラのように乾燥した遺体は中国でも出土され

これは「乾屍コンシー」と呼ぶ。

妖怪としては下位分類あるいは別種として

区別されていたが殭屍キョンシーはその上位!


 殭屍キョンシーは一切腐敗せずに生前同様に

ふっくらとしていて、髪の毛も長く生えている。


 性格は凶暴で血に飢えた人食い妖怪であり

さらに長い年月がたつと神通力を備え

空を飛ぶ能力なども持つとされる————。





 俺はそんなキョンシーを子供ガキの頃から

こよなく愛する〝キョンヲタ〟である。


 子供ガキの頃の夢は〝道士どうし〟になる事!

キョンシーを従え 悪徳道士と法術ほうじゅつ

飛んだり跳ねたりしながら闘う事が夢だった。



 そしてこれが今の俺の現実…

冴えない外見に冴えない仕事…

生まれてこの方彼女無しの童貞ッ…

仙道鏡太郎せんどうきょうたろう24歳ッ!



 学生時代に好きな子も居たが恋愛よりも

キョンシー映画に夢中だった……何してんだ俺…

何の為に生まれてきたんだろう…

なんて考える日々を過ごしながらポテチの袋を破り

擦り切れる程観たDVDを再生…

幾度と無く観たキョンシー映画を今日もまた観ている。


「あぁ…こんなカッコイイお爺ちゃん道士になりてぇなぁ」


 とポテチをくわえながらつぶやくと

テレビが突然発光し出し部屋中を包み込んだ。


余りにも眩しくて俺は手で目を覆いうつむく…


「なんだなんだ再生し過ぎて壊れたのか!?」


 うつむいたまま俺は後ろを向き、光りを背にし

少しずつ目を開ける…とそこは俺が居た部屋じゃなく

見たことも無い鮮緑に輝く草原が広がっていた。


「えっ!?」


理解出来ない 理解出来ない 理解出来ない…


「ここドコォォォォッ!!!」


パニックになった俺は叫ぶしかなかった……


 ハッ!と我に返り着ていた服を彼方此方あちこちまさぐ

所持品を確認…あったのは携帯スマホと煙草

百円ライターと全財産の入った財布だった。


我に返ったとはいえ…やっぱり状況が何ひとつ

整理出来ずにいると背後から声を掛けられた。


「おい! 其処そこの怪しい奴 此方こちらを向け」


 ビクッとなる俺はおそるおそる振り返ると

そこには小汚い格好の村人らしき白髪のオジサンが

ボロボロなくわを片手に構えていた。


「何何何ッ!!!」


 と驚きながらも俺は両手を上に挙げ

小汚いオジサンに敵意のない事を示した。


オジサンはくわを俺に向け、話しかけてきた


「変わった格好をしおって…異国の者か?」


「えっ?…異国ですか?」


 異国ゥゥ!? おいおい異国って…部屋に居たのに…

それに俺言葉分かるし 通じてるし……異国ゥゥ!?


 まったく訳が分からないまま、とりあえず俺は

オジサンに話を合わせる事にした———。


 オジサンの話によると最近この辺には野党や

妖怪変幻ようかいへんげに魔物なんかも出没するらしく…


「よよよっ妖怪ぃぃ!!?」


「何じゃビックリした!! いきなり大声出すな!」


 驚かせて申し訳なかったがオジサンは俺の反応を見て

何も知らない異国人という事で納得したらしく

俺に構えていたくわを下げてくれた。



「あのぉ〜ここは一体どこのどの辺りなんですか?」



とオジサンに問うと、まず名を名乗れと叱られた。



「はい俺は仙道鏡太郎せんどうきょうたろうです」


「何ッ!? 仙道せんどう!!!」



 えっ? 何? 名前言っただけでそんなに驚く?

ってか驚いてないで早くそっちも名乗れよ……。


 なんて思っていると俺の名前を聞いたオジサンが

突然持っていたくわを投げ平伏へいふくし出した。


「えっ? ちょっ… オジサン?」



 頭を下げて土下座状態の小汚いオジサンが俺に…

「まさか仙人様…道士様だとは……」

「つゆ知らず御無礼を働き申し訳ありません!!」

と謝罪を述べてきたが…まったく意味が分からん!


まさか苗字を役職か称号かと勘違いしてるのか?


「かっ、顔上げて下さい オジサン…」


「どうか呪わないで下さい道士様ぁぁぁ」


 まったく顔を上げないオジサンに困った俺だったが

道士どうし〟様と言う言葉が引っかかる。


 えっ?俺…道士様に間違われてるの?

道士ってあの道士? 霊幻的なあの道士???

っと年甲斐も無く少し嬉しい気持ちになってしまった。



その後なんとか頭を上げてもらい話を聞く事に成功…


 オジサンに色々と質問した結果どうやらここは

日本ではないらしく…地球ですらないみたいだ。

俺はやはりラノベ的異世界転移をいつの間にか

してしまったのだろうと結論付けた———。


 オジサンの名前はシュナマというらしく俺の事を

道士様やら仙人様と呼ぶのでキョウと呼ばせた。


 話を戻すがここは日本ではない…俺の居るここは

ソファライト帝国という国の辺境の地テブル地方の

小さな村近くの草原だという。



 とりあえず俺はシュナマさんの勧めもあり

シュナマさんが住む村で厄介になる事にしたーー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ