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PLAY128 真実と本音の手紙④

「シル、フィード……ッ!?」


 ドラグーン王の日誌を見ていたエドは驚きのあまりに声を零してしまった。


 驚愕、恐怖。色んな負の感情を揃えたかのような蒼白の張差を見せながら言うと、それを聞いていた京平達も驚き、今まで事情も知らなかったショーマ達も驚きながらエドのことを見て、王のことを見ていた。


 王は王で、ベッドの上で正座をした状態でエド達のことを見ている。


 反応を待っている。


 そんな真っ直ぐな目でエド達のことを見ているが、そんな視線を見てエドは驚きの顔のまま王のことを見て……、一言。


「王様……、まさか」


 王の名を呼び、そしてまさかという王道の台詞を吐いた後、エドは言葉を詰まらせてしまう。


 次の言葉を出せばいい。


 ただ言葉を発せばいいのに、それができないのだ。


 喉に何かが詰まっているような感覚なのだが、何も詰まっていない。


 矛盾にも感じるかもしれないが、実際言葉を発することができないのだ。喉の奥の筋肉が、声を発する筋肉が、喉笛がおかしくなってしまったのかと言わんばかりの感覚に、エドは呼吸すら忘れそうになった。


 なにせ衝撃の内容を目にし、その内容が本当――真実であるのだから無理もないかもしれない。


 否――かもではなく、無理もないのだ。


 何せ今まで日記の内容を見て、そして今見た内容を見た瞬間、すべてが繋がったからだ。


 王の日誌に書かれていた()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言う内容と、その前に書かれていた空白の日誌の内容。


 今まさに問題となっている――ディドルイレス大臣が反旗を翻し、何かをしようとしていることも。


 全部が全部……、まだ憶測にすぎないが、それでもおおよその憶測ができてしまう。


 難しい計算があっという間に簡単になってしまうほどのネタバレを、ここで投下してきたのだ。


 そう――国を滅ぼすことができる唯一の手段。


 それこそが……。


「そうだ」


 王は言う。


 冷たく、驚くほど冷静な音色で告げられた肯定の言葉。


 それを聞いたエドと京平は言葉を失い、どうしてそれを隠していたのか。どうしてそのことをもっと早く言わなかったのか。


 先走る感情と言葉が追い付かない感覚。


 光と音の差がある様に、まず先に出た感情の次に出て来るであろう声が出ない状況の中、二人は何も言えない中言葉を詰まらせてしまう。


 絶句のまま固まっている。


 まさにこれが正しい言葉。


 そんな二人のことを見て戸惑いを隠せないショーマ、ツグミ、むぃにコウガ。


 デュランだけは日誌の内容を見て頭を抱えるように溜息を吐きながら頭を垂らしている。


 頭はないが、動作が垂らしているのでそうしているのだろう。


 垂らしながらデュランはショーマ達……、厳密にはコウガのことを目がない視線で一瞥し、コウガの名前を読んだ後デュランは言った。


 覚悟を決めろ。


 声色で察してしまいそうな面持ちと雰囲気でデュランは小さな声で言う。


「聞いてしまったからには、逃げるという選択肢はないぞ?」


 言葉を発した内容は、十中八九逃げられないことを示す警告。


 この先を聞いてしまえば後戻りできないことを示す言葉は、何度も聞いたことがあるかもしれない。


 ゲーム上でも後戻りできないシーンがあるとこのような言葉をかけて心の準備をさせるかセーブを済ませる準備を与えて来る。


 今回の言葉はまさにそれで、今ここで聞かないふりをすれば何とかなるというデュランなりの気遣いを表しており、それを聞いたコウガは一度は驚き目を見開く。


「あ? あ、おい」


 一体何を言っているんだという顔をしてデュランのことを見ていたが、デュランはその反応を見ずにむぃ達の方に視線を向けようとしている (頭がどうなっているのかはわからないが、動作がそうなっているのでその行動をしているとコウガは思っている)。


 向けようとしているデュランのことを見て、コウガは呆れるような溜息と共に小さな声で――


「……あんなことを聞いた後で『一抜け』なんてできねーだろうが」


 と言い、デュランの行動を言葉で止める。


 勿論デュランはコウガにこのことを伝えた後でむぃ達にも伝えようと行動を静かに起こそうとした。起こそうとしたのだが、それを止めるようにコウガが小さな声で言ったことで、デュランは一瞬驚きの面持ちを顔のないそれで表し、時が止まったかのように固まったが、それもすぐになくなる。


 なくなると同時にコウガを見て、デュランの視線に気付いたコウガは肩を竦めながら呆れるように鼻で溜息を吐く。


 無音の中で会話しているかのような光景にも見えるが、肩を竦めているコウガのことを見たデュランは内心、こうなることを予測していた。


 だから呆れたかのように溜息を吐いた。


 デュランの本音と違い、また予想外のことを言ったから溜息を吐いただけで、正直聞かないでいた方がいいと思っていたからだ。


 ……本当の本当の本音で言うと、ショーマの悪運云々考えたら聞かない方がいい選択かもしれないと思ったのもある。


 だがコウガもコウガで、それを聞いて『はいそうですか』とこのままどこかへ行ってしまっては示しどころか大人として恥になってしまう。


 双方の考えが食い違っているような言葉のキャッチボール。


 そもそも理解して話すからこそのキャッチボールであり、これはこれで会話となっている。


 それ理解したうえで、デュランはコウガに向けて一幕呼吸を置くように間を置いた後……、再度小さな溜息を吐いて――


「……好きにしろ。後悔しても知らんからな」


 と言って、その後の言葉を紡がないままデュランは前を向いて王の言葉に耳を傾ける。


 コウガ以外の子供達は王の言葉を待つ姿勢になっているが、コウガだけは内心こんなことを思い、甲の言葉に対して心して聞く体制になる。


 ――まさかの事態か。


 ――そんなの、ここに閉じ込められてから覚悟はしている。


 ――モルモットになるか、この世界に閉じこもって現実と言う世界から理想に引き籠るか。


 ――そんな面倒くせぇ選択なんてねぇだ。


 ――ただ一択、戦う事しかねぇ俺たちにとって、これは避けられねぇことなんだからな。


 そうコウガは思い、これも運命。これもイベントの流れであれば仕方がないと思いながら耳を傾ける。


 長く感じていた一幕だったが、実際は立ったの数秒しか経っていない。


 経っていないからこそ王は驚いているエド達に向けて、肯定の続きとなる言葉を放ったのだ。


 二度目となる衝撃のその言葉を。


「ディドルイレスが反旗を翻し、この国を乗っ取ろうとしている。そしてそれを全うするために祈願を成就するために、奴は求めていたんだ。()()()()()()()()()()()()()――風の神シルフィードを」


 断言。


 まさにその言葉が最も適している言葉で、王は言ったのだ。


 反旗を行おうとしているディドルイレスが探している存在が何なのかを。


 王の日誌に書かれていた内容を紐づける核心を――


『八神』の名を聞いた瞬間――冒険者の誰もが言葉を失って絶句……否、コウガだけはなんとなく察していたのか、デュランの言葉を聞いて理解していたのかあまり驚く素振りはなかった。


 そして……。


 ショーマは、この時だけはなぜか全く驚く素振りをしなかった。


 いつもの大袈裟ともいえる様なそれがなく、まるで別人のように黙って耳を傾けているショーマのことを見て、ツグミは首を傾げることしかできなかった。


 いつもの彼ではないそれを横目で見つめて……。


 だが王の言葉は終わらない。


 ショーマ達の変化を見ずに王は続きの言葉を言う。


 この国を守るはずの存在――『八神』シルフィードのことについて……。


「貴殿たち知っているだろう? このアズールには八つの神がいることを。その八つの神はそれぞれの大地を守り、八つの神がこの地全体を守っていることを」

「それは……えっと」

「知っているべ。鼓膜に穴が開くほど聞いたべマジでうん」

「そ、そうか……。ならば話が早いな」


 王の質問に対してエドは正直に言おうとしていた。


 そう、言いかけた。


 王が言った言葉に対して『知っている』と聞かれた瞬間、エドと京平の頭の中に浮かんだのは『初日』の言葉。

 

 そう――ゲーム上の設定を聞いていた二人はそれを真っ先に思い出し、そのことを言わないように何とか誤魔化そうと薄を並べようとしていたエド。


 だがそれもきっとぼろが出ると察した京平はすかさず『聞いた』と言う即答の返答をした。


 真顔で、少しだけ張り上げる声を出しながらこれ以上質問されないように圧を掛けて……。


 京平の圧が効いたのか、ドラグーン王は一瞬驚きの顔をして言うと、それ以上二人に質問することはなく、続きを言おうと座っていた体制を少しだけ崩して語り出す。


 正座から胡坐にして話を進めようとしているその体制に、二人は内心安堵の息を吐きながら聞く体制に入って王に向き合おう。


 正直、なぜ神様を封じ込めるのかと言う疑問もあり、そもそも神の浄化はハンナとヘルナイトの仕事――役目なのだ。


 その役目をさせないようなことを、なぜ王がしたのか。


 その疑問を踏まえて聞いて、質問しようと思っていた矢先――ドラグーン王は続きと言わんばかりにエド達と視線を合わせて告げた。


 背筋を伸ばし、胸を張りながら……。


 王としての威厳を保ったままの状態で、王は言った。


「そう。そこに書かれている通り――ボロボを守るはずのシルフィードが暴走し、拙僧はそれを止めるためにその間行動してきた。完全に止めることはできずとも、時間稼ぎだけはできる。その時間稼ぎの経緯がここに書かれている」

「経緯って、そんなことしなくても、現在『浄化』できるハンナちゃんがいる。ヘルナイトだって……、『12鬼士』だって奮闘していたはず。第一『八神』の暴走はどの場所でも起きていたんだ。エストゥガの異常活火山にアムスノーム周辺の雷の事故。気象の変化。リヴァイアサンの暴走の傷跡でもある海の変化に海産物の腐敗。ガーディアンの所為で砂の大地の領土拡大のせいで海域現象もあるし、他の場所でも弊害が起きている。『八神』の暴走の所為で色んな被害が出ているけど、封じ込めるということはしなかった」

「ああ、そうだ」

「ならシルフィードだって封印せずとも、『浄化』できる存在を待てばいいのに、どうして……っ!?」


 エドの言葉はまさに真っ当だ。


 至極普通の考えと意見だ。


 そうデュランは思い、コウガ自身も思っていた。


 普通事情を知らない人物であれば、それを聞いた時点で返答するのは当たり前で、まさにドラグーン王がしていることは変だと認識してしまうもの。


 今まで出会った (ハンナ達視点で)王たちも何もしていなかった。


 いいや例外がいた。アムスノーム国王だけはいろいろとしていたが、それを除外にすると何もしていない王が多かった。


 勿論この先出会うであろう王たちも何もしていないということはないかもしれない。何かをしている可能性もあるかもしれないが、ここまで執拗に何かをしようとしているドラグーン王に、エドは疑問しかなかったのだ。


 なぜそこまでする必要があるのか?


 なぜそこまでしてシルフィードを止めようとしたのか。


 どうしてなのか?


 純粋な疑問と衝撃による困惑の所為で理解が追い付いていないエド。


 そんなエドのことを見て心の中で同意しながらどうなっているんだと困惑する京平。


 双方の疑問は単純に同じ物であり、それを見ていた王も心中で思っていた。


 無理もない。それが普通だと。


 ()()()()()()()()()()()()()()


 それだけの違いだった。


 と――


 ドラグーン王はエドの言葉に対して頭を振るうと、神妙な面持ちと音色で返答した。


 それではだめだった。


 それを細かく説明するように――


「そうだ。『浄化』の力を持つ者が現れればいい。そう思う者も多いが、この国では()()()()()()()()()()のだ。それでは遅い。行ってしまった瞬間すべての国が滅んでしまうと危惧した結果が――日誌に書かれている内容だ」

「だから……、飛躍し過ぎだべ? ほっといただけで全人類(ぜんじんる)……っ、あ、いやこの場合は全種族か? それともアズール全土か? それでも飛躍し過ぎだべ」

「だが事実起きているだろう?」

「あ、あー……だな」


 王の言葉に対して京平は物申すようにエドの隣に立って異議を唱えた。


 やんわりと唱えるように肩を竦め、そこまで考えなくてもよかったのではないかと言おうとしたが、すぐにドラグーン王に否定する。


 日誌に書かれている内容はその人の本心であり、嘘など書かれていない事を告げると、それを聞いた京平は頭をかきながら先ほどの質問を撤回した。


 日誌は嘘など書かない。


 日誌は本心の塊。


 偏見かもしれないが、今のソーシャルネットワークのように嘘が混じっているものではない。


 ゆえに日誌に書かれている内容を指摘されたことで京平は納得するほか選択肢がなかった。


 選択肢がなかった。だがそれでも思ってしまう。


「でも、やっぱどうしてそうなっているんだ? その時のシルフィードはどうだったんだべ?」


 京平は言う。


 なぜそうなってしまったのか。


 そもそもの、根本的に説明不足であることを含めて京平は質問する。


 どうしてなのか。そのことに関して王に聞こうとして――


 京平の言葉を聞いた王は一瞬黙ってしまったかのように言葉を切るが、その沈黙もすぐに破れ、王は思い出すかのように目を閉じて説明を始める。


 今でも思い出す。そして思い出したくない。


 それを目を閉じた状態でも表に出して……。


「……まず初めに、シルフィードは他の『八神』と比べると、子供のようなところがある。否――むしろ小さな、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「子供……、と言うことは、他の『八神』が大人だとして、それと比べると断然子供ってことですか?」

「そうだ」


 王の言葉を聞いたプレイヤー達は一瞬目を点にして言葉を詰まらせてしまうが、それを聞いて理解したのか、エドはなんとなくと言う名の解釈を言葉にしてドラグーン王に言う。


 他の『八神』が大人ならば、と言う認識は本当にあっているのか。そもそも他の『八神』の人格が人としての人格を持っているのかも疑問だが、それでもそう例える他何も思い浮かばなかった。


 思い浮かばなかったからこそ聞くと、王は頷きながら続けてこう言う。


「言葉にするとそうとしか言えない。言えないのだが、それでもシルフィードは子供のように無邪気に笑い、気まぐれに風を与えてくれる。風を与えることは良い事もあれば悪い事もある。怒りの風はまさに天災、災害になってしまうほどの力。加減など一か百と言う調整しかできない。本当に子供のような人格を持っている神だ」

「まさに餓鬼だな」

「相手は神だ。そんなことを言っていると、後々痛い目を見るぞ?」

「今は侵されて自我もあるかどうかわかんねーだろうが」


 王の話を聞いてコウガは肩を竦めながら呆れたように吐き捨てると、それを聞いていたデュランは忠告をするように静かにコウガに言った。


 まさに神の侮辱は祟りを生むと言わんばかりの言葉だが、それを聞いてもなおコウガは呆れたように溜息交じりに言う。


 その話を聞いていたツグミは安堵の息を吐きながらショーマの口を塞いでいたことは、ツグミとむぃしか知らない。


 単純に、ショーマこそ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だからと言う予防の行動をしていただけなのだが……。


 その予防をしつつツグミ達は話に耳を傾けていると、王はコウガの言葉を聞いて頷きながら「そうだな」と言い、座り方を少し変えて話を続ける。


 胡坐の状態から少しだけ崩した正座の体制になり――ドラグーン王は言う。


 シルフィードと言う『八神』について……。


「確かに、今のシルフィードは『終焉の瘴気』の瘴気に侵されて自我はないかもしれない」

「ほらな?」

「だが、その自我がない状態こそが危険だった」

「? 危険……?」

「そうだ。シルフィードは子供のような人格をしていると言ったが、その子供の人格の所為なのか、シルフィードは()()したのだ。アズール全域に台風と言う名の風を起こし、ボロボはおろか、王都にも危害を加えた。暴れる子供のように喚き、風を発し、ありとあらゆるものを吹き飛ばし、災害と言う名の自然の攻撃を繰り返した。その被害は甚大。日誌にも書かれているが、その暴走が止まることは無く、拙僧や他の者達も頭を抱え、ここまで来るのに、いろいろと難航してしまった」

「………………………っ」


 王の言う言葉。そして日誌に書かれている内容を思い出していたエドは、ようやく繋がったことを認識し、日誌に書かれていた逐一の行動の真相に気付いてしまった。


 そう――王は止めようとしていたのだ。


 風と言う名の簡単に人を屠ることができる力を持っているシルフィードを止めるために、『浄化』の力を持っている者が現れるまでの間――王はずっと暴走しているシルフィードを止めようと奮起していたのだ。


 その経緯となる内容こそがこの日記の内容。


 シルフィードのことを踏まえて再度読み返し、思い出していくと……、ぴったりはまるどころか、当時の状況の惨状がおどろおどろしくなっていく。


 淀む気持ちも然りだが、この状況の中奮起していた王自身も精神的に参っていただろう。


 それを不屈の心で押し殺し、国のために戦ったと考えると……、苦しい。


 相当苦労して、相当な努力がなければここまでの平和など作れなかっただろう。


 弱音一つ吐かないようにしてきた屈強の気持ちは凄い。


 そう感じてしまう。


 感情移入ではなく、純粋に聞いて思った。


 メンタルやいろんな面において、この人は凄いと――そうエドは思ったのだ。


 自分は到底できないことだ。


 そう思いながら……。


 沈み、少しだけ重く感じる空気を感じた王は、話を聞いて口を閉ざしているエド達に――厳密にはエドに向けて言った。


 堂々とし、はっきりとした言葉で彼は告げた。


「まだ続きが残っている。読んでくれ」

「! で」


 王は言った。日誌の続きを読んでほしい。


 それを聞いたエドは一瞬驚きの顔をしてこれ以上は読まなくてもいいのではと言おうとした。


 コウガ達も同じ意見で、エドと同じように驚いた顔をしていたがドラグーン王はそんな彼等に向けて、真っ直ぐな視線と共に告げる。


 はっきりと――真っ直ぐ。


「読んでくれ」


 それで終わりではない――()()()()()()()()()()()()()()、読んでほしいのだ。


 知ってほしい事。


 それを聞き、真っ直ぐで、否定でさえも崩しにかかりそうな眼を見たエドは、一時は読むことを拒もうと行動しようとした。


 したが……、それもすぐにできない状況に追い込まれて行き、エドは小さく鼻で息を吐き、溜息と共にそれを吐きだすと、再度日誌を開き――続きとなるその内容を目を通していく。


 エドに続き、京平やコウガ達もその日誌に目を通して、王が書き記した一年の残りを読み辿る。


 ()()()()()()()()()()()()()()


 その言葉を頭の片隅に入れながら……。

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