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PLAY119 鬼姫、絶望②

 ハンナの言葉が放たれる少し……、いいやそれよりももっと前。


 ハンナは気付かなかった。すでにその時からいなかったことを。


 起きたシェーラが気付かなかったのも無理はない。彼女が起きた時からすでに桜姫はいなかった。


 断言しよう。



 桜姫は騒ぎが起きている時から連れ去られていた。





 ◆     ◆



 この時ハンナは突然現れた存在クサビに捕まってしまい、更には『六芒星』の乱入により混乱の思考に侵されていた。


 シェーラと桜姫を気絶させ、戦力にもならない彼女をどうしようとしていたのか。


 一人の部下がぼそりとハンナを連れ去ろうとしていた言動があったが、それを聞いたクサビの怒りを買い言い放った部下は焼失してしまった。雷属性のスキルによって。


 そのスキルの所為で何人かの『六芒星』が死亡してしまった。大きな戦力を失ってしまったといっても過言ではない状況だが、それでも彼等はやるべきことがあった。


 大事な同胞、大事な仲間の死を乗り越えなければいけないほど、重大で重要な任務を課せられていた彼等はその任務を優先するしかなかった。


 屍を乗り越えて。


 そんな言葉があるが、仲間の屍を乗り越えないといけないくらいの任務とはいったい何なのか。


 それは簡単な事で、()()()()()()()()()()


 そう――


 あの場所に『六芒星』が現れた理由――それは桜姫を誘拐することだったのだ。


 当初はシェーラと桜姫を気絶させた後で、戦力外となっているハンナも気絶させた後で桜姫を連れ去り、シェーラとハンナの息の根を止めることがあの時現れた『六芒星』の目的だった。


 あの時部下が言った言葉は思い付きのようなもので、実際の所『六芒星』にとってハンナは厄介な存在そのもの。その存在を自分達の根城に連れて行くなどできない。


 どころかそんなことをしてしまえばザッドの怒りに触れるか幹部の側近の手によって葬られることになってしまう。


 そのくらいハンナの存在は厄介なことこの上ない。いいや彼女という存在は敵にとって早急に対処しなければいけない存在なのだ。


 少し脱線してしまった。


 本題に戻るとしよう。


『フェーリディアン』に現れた『六芒星』達は桜姫を連れ去るために現れ、その任務を遂行するために彼等は連れ去ろうとしていた。


 この時現れたラランフィーナも桜姫のことを連れ去るために周りにいる目撃者もとい邪魔者を排除するために現れたのだが、彼女はその任務を無視して仲間諸共亡き者にしてしまうという暴徒を犯してしまった。


 本来であればその目的のために動くべきだったのだが、彼女の思考優先事項はラージェンラただ一人。


 彼女の役に立つことしか考えていないので当初の目的など忘れてしまっていた。


 だから彼女は部下を殺し、アキ達と相対した。


 結果は虎次郎の一閃によって負けてしまったが、結果として時間を稼ぐことができた。当初の目的でもある桜姫を連れ去る――『鬼の姫の誘拐』を達成することができたのだ。


 それを確認したからこそあの時フルフィドが現れ、ラランフィーナを連れていなくなったのだ。


 目的を達成したのであればこの場所に長いする理由などない。


 故にフルフィドはラランフィーナを抱えてアキ達の元を去った。


 とある衝撃的な言葉を残して――


 覚えているだろうか? あの時、フルフィドがアキ達に向けて放ったあの言葉を。


 アキ達にとって最悪で衝撃の言葉を。


 

「――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()





 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()






 今にして思うと、この言葉はまさに今の状況を伝えているかのような言葉だ。


 その言葉を予測してアキ達が周りをよく気にしていれば、もっと早く気付けたかもしれない。クサビと言う存在がいなければもしかしたら未来は変わっていたかもしれない。


 変わっていたかもしれない。


 だがそれは可能性の一つで、変わらない可能性もあるかもしれないが、この場合――こうなることは……。


 必然だったのだ。


 そう。必然。


 ハンナ達がもし『フェーリディアン』とは違う南西の方角に位置し、『鬼族の郷』からすると少し遠いギルドを中心とした街『クルティクス』にいたとしても、この運命が変わることはない。


 こうなることが位置づけられたかのように、桜姫は狙われ、連れ去られる。


 必然と云う言葉にすると残酷に聞こえてしまうが、その言葉こそがふさわしいものなのだ。


『六芒星』はどんな状況であろうとも必ず連行しなければいけなかった。それはとある人物の命令であり、それを遂行し、達成しなければ自分達の命も危うくなってしまう。


 最悪死屍累々になってしまうこともある。


 そうならないために、己の命のためにも任務を遂行し、桜姫を誘拐した。


 鬼族の姫であり、稀に見ない()()()()()()()()――神の領域を侵すであろう『蘇生』の力を持っている桜姫を誘拐して……。



 ◆     ◆



「う………んん」


(ん? あれ? 私、いつの間にか寝ていた?)


 と、ようやく桜姫は意識を取り戻し、唸り声を上げながら起き上がろうとした。


 起き上がろうとしたと思った理由に関しては、彼女の背中には柔らかい感触があったこと。そして後頭部と踵、太腿とふくらはぎの後ろの部分に感じる柔らかさで自分は横になっていることを感じたからである。

 

 要はベッドに横になっているかのような感覚である。


(ん? なんか、明るい気がする。薄暗いけど……)


 閉ざされた視界で僅かな光を感る桜姫。日の光ほどの明るさではない。真っ暗な視界の中にぽぅっと赤黒く光る弱々しい光。


 瞼越しから覗く光は瞼の肉を通してのそれであるが故赤く見えてしまうのは仕方がない。しかしその明るさが一体何なのか、そしてなぜ自分は寝ていたのかは分からない。


 ゆえに桜姫は行動に移した。わからないを消すために、理解するためにそっと目を開ける行動を。


「うー……いてて」


(なんだろう……。頭が痛い……、ずきずきしている。どうして……? うーいたい……)


 何故なのかわからないが後頭部が陣割と痛い感覚に困惑しながらも、桜姫は目を開け、視界と言う名の情報を得ようと試みる。


 視界に何かが入ればきっと何かが分かるはず。


 そう希望を抱きながら彼女は目を開け、痛みに耐えながら目を動かし、辺りを見るために首を動かした後――桜姫の希望は一瞬薄れてしまった。


「…………………………え? なに、ここ……」


 桜姫が目を開け、視界という情報を得るために辺りを見渡した。今いる自分の場所が一体どんな場所なのかを知るためになのだが、それをした結果余計にわからないという事態に陥り、桜姫は延々と辺りを見渡し、何度も何度も「どこなの?」という言葉を零すしかできなくなっていた。


 彼女の視界に入ったその部屋は――なんとも殺風景であり、違和感しかないような空間だった。


 壁や床は木造建築で作られた壁と床だが、古くなく、どころか真新しく現代で言うところのニスが塗られている部屋であり、出入り口は黒い木材を加工して作ったドアしかなかった。


 その部屋に置かれている家具は桜姫が寝ていたであろうツインベッド。そして近くに無造作に置かれている袋に、天井に取り付けられてぶら下がっている古い明りだけ。


(あれって……、明かりかな? あれが明るかったんだ……)


 明かりは瘴輝石を使った明かりではなく、油を使った火の明かりというこの世界ではあまり見ない仕様の明かりであり、桜姫の瞼越しから見えていた光はこの光だったのだと心の中で納得した桜姫。


(でも……)


 しかし、納得したからと言ってこの部屋が安全であるという確証がなければどんどん湧き出て来る疑問という名の不安が押し寄せて来るのも事実で、桜姫は自分が寝ていたであろうそのベッドに座り込みながら再度辺りを見渡し、この部屋の状況を整理することにする。


 一通り見た光景に加えた情報を。


「あれ?」


 桜姫は自分から見て右側を見て疑問の声を零した。


 右側の視界に入った光景――それは窓なのだが、その窓には何も映っていない。外の世界を映しだすものがない。板によって打ち付けられた光景しかなかった。


 そう――日が入らないように、逃げ出さないかのようにいくつもの釘を打ち付けて。


 その光景を見てしまった桜姫はまたまた辺りを見渡し、目が覚めたことで頭の中が活動的になり、より多くの情報を入手できる状態になったことで桜姫は辺りを見渡して三度目の正直となる自分が置かれている状況を記憶に刻む。


 木造造りの部屋。ベッドと何かが入っている袋。薄暗い明りに板で打ち付けられた窓。


 そして……。


 一人部屋にしては広すぎる一室に、桜姫は困惑した。


 たった一つの家具――ベッドを中央に置いただけの部屋なのだが、その部屋の面積が異常に広い。広く感じるのではなく、広いのだ。


 大体十五畳の広さ。


 一人専用の部屋であれば異常と云っても過言ではない広さであり、あまりにも異質な空気を漂わせていた。


(なんだろうこの部屋……)


 異常に見えてしまう部屋の状況を見ていた桜姫はようやくなのだろうか、意識がはっきりしてきたところを見計らってベッドから降りる。降りて辺りの壁に触れ、窓出会ったのであろう無造作に板が打ち付けられている壁に手を添えながら彼女は思う。


 ざり……と、木材特有のざらつきを体験し、周りの部屋の風景を一瞥しながら彼女は思った。


(すごく暗いし、なんか……、なんて言えばいいのかな……。窮屈というか、暗いせいなのか怖く感じてしまう……)


(今まで夜に目が覚めたことは何回かあるけど、こう意図的に暗くすると暗闇が恐ろしいと感じてしまう……)


(薄暗いのも相まってだし、それに……なんでこんなに広い部屋なの?)


(もっと狭くてもいいんじゃないの? 私の部屋より二回り広い気がする……)


(広いせいでなんか落ち着かない。暗いのもそうだけどなんでこの部屋は変なところばかりなんだろう……)


 悶々と思考を巡らせながら桜姫は部屋の周りをくまなく (自分なりに)調べていく。よくある探索系のゲームの様に周りを調べながら――


 探索系のゲーム、脱術系のゲームであれば何かしら部屋から脱出するための道具が置かれているであろう。


 それは物語を進めるにあたっての操作のチュートリアルであり脱出するためには必要不可欠なものなのだが、残念ながらこの部屋に脱出できるものなど置かれていなかった。


 部屋の隅に置かれていた袋の中身も見たが、何も入っていないという結果に終わった。


「うーん………部屋には大きな寝るものと袋だけ。後はこの扉……」


 と言いながら桜姫は扉を見て、その扉が開くかどうか試そうと歩みを進めてそっと手を伸ばす。


 右手を伸ばし。木製のドアの取っ手に向けて伸ばしていくが、なぜなのか、桜姫の指先がほんのわずかだが震えている。


 不思議と動機も激しくなり、ドアの取っ手――ドアノブに近付くにつれて桜姫の心臓の音も五月蠅くなっていく。


 緊張しているのではない。


 かといって恐怖を抱いているわけではない。


 桜姫本人も理解できないが、なぜか彼女はドアノブに近付くにつれて、緊張の鼓動が急かしなく動いているのだ。


 まるでドアノブに触れると何かが起きるような……、否、そのドアの向こうにある何かに怯えているような、そんな勘。


 女の勘と言ってもいいのかもしれないが、この場合は本能が囁いているのだ。


 ドアの向こうに言ってはいけない。ドアの向こうには何かがいる。


 それを知らせているのだろうが、その知らせを知らせとして、警告として受け入れていない桜姫はそのまま手を伸ばして触れようとする。


 桜姫の手がドアノブに触れるまで、あと数ミリ。


 あと数ミリとなると触れるのにも時間の問題だろう。


 触れてしまえば一体どうなってしまうのだろう。


 そんな不安もあるが、それは後に考えればいい。


 今はここがどこなのかを確認しなければいけない。しなければいけないのだから今はやることを優先するべきだ。


 そう思った桜姫は勇気を振り絞り、行動という名の選択を選んでドアノブに手を伸ばす。


(動かないでそのままいても何もならないし、それに早くハンナ達の所に向かわないと……)


(場所わからないけど)


 ドアノブに手を伸ばし、外に出てハンナ達と合流しようと考える桜姫。


 その心に秘めているものは安堵が欲しいというものではない。恐怖から解放されたいという気持ちもあるが、それよりも大きい感情があり彼女は動いている。出ようとしていた。


 簡単な事だ。


 桜姫はこの部屋から出て、はぐれてしまったハンナとシェーラと一緒にまた買い物をしようと思った。それだけのために彼女は出ようとする。


 この買い物を経験し、経験を糧にして――自分の夢を追うために。



 ◆     ◆



 この時、()()()()()()()()()()()()()()()


 彼女に行動力と言う物がなければ最悪の事態にもなってい方かもしれない。その最悪を超えることにもなっていたかもしれない。


 この行動をしたことで、桜姫は一つの危機を回避することができた。


 一つの危機――それは。








 ()()








 そう。彼女は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 桜姫の運命が明るくなったわけではない。まだ暗いままで、()()()()()()()()()()()()()()()という言葉は脱出できたという行動力ではなく、最悪の事態の一つから逃れることができたという――小さな小さな運命の破壊というだけ。


 大きな破壊は出来ていない。


 それすなわち――桜姫は運命の中に囚われている状態なのだ。


 何の運命なのか?


 それは――


 嫌でもすぐにわかることになる。


 あの時、イェーガー王子が言っていたことがまさに現実と化してしまう出来事を垣間見るのだから……。



 ◆     ◆



 ――ぎぃ。


「!」


 と、ドアが開く音が桜姫の鼓膜を揺らし、その音を聞いた彼女は驚きの眼でドアノブがある舌に視線を映した。


 映して、そして確認する。


 自分は触れていない。どころか触れる直前でドアがひとりでに部屋側――つまりは()()()()()()()()()()()()


 ぎ、ぎ、ぎ、ぎ、ぎぃ………。


 木材の古さを強調するかのように、木製のドアから大きく、古ぼけている音が放たれる。


 奏でられるその音はまさに時代を思わせるような音で、何十年もの間開閉の音を奏でていたといっても過言ではない音。


 その音がひとりでに、しかも桜姫が添えていない状態で内側に向かって開いたのだ。


 現実世界でよくある一人で開くドアではない。自動ドアでもない。


 この世界のドアは全部が手動。


 つまり――彼女が触れようとしたこのドアを開けた人物がいて、その人物はこの部屋に入ろうとしている。


 桜姫が現在いるこの部屋に――


「――っ!? あ、わ」


 突然動いたドアから即座に離れようと後ずさる桜姫。


 ざざっ! ざっ。と床を足で擦るように素早く動くも、慣れていない行動の所為か彼女は履いていた草履が脱げ、桜姫はそのまま尻餅をついてしまう結果に。


 ずてんっと言う音と共に桜姫は尻餅の所をさすりながら「いたた……」と痛みの訴えを小さく零し、すぐに立ち上がろうとした桜姫だったが、その前にドアの向こうからぬっと手が伸びてきた。


 人の手――と言いたいところだが、その手は人の手ではないが人の手に近いような形の手だった。


 人と同じ五本の指がある手なのだが、その手の甲には濃い緑色の鱗がついていたのだ。


 手の甲や腕中に生えているかのように、そして指の先から伸びている爪も微かに青みを帯びて尖っている。


 明らかに人の手ではないそれが伸び、その手がドアの壁に添えられる。


『ひたり』と触れた瞬間、ドアの向こうの人物は声を零した。


「ほほぉ……、これはこれは、なんと立派な角だ。これはいい具合に育っている」

「! ………?」


 聞こえた声に耳を傾けた桜姫は驚くと同時に顔を上げて声の主を見上げる。


 見上げて――薄暗い世界の中で見えたその人物のことを見て彼女は首を傾げてしまった。


 なにせ……、彼女の視界に映ったその存在は彼女は見慣れている存在と似ている存在であったからだ。


 いいや、厳密には種族が似ているというだけで、体格やいろんなところを見れば似ていないところが多すぎる。多すぎるが、それでも桜姫にとってすれば味方という位置にいる種族の存在に、見たことがない存在に彼女は首を傾げてしまった。


 彼女の目に前にいる人物は言う。ずんっと鱗がついた爬虫類の足を前に出して――


「こんなにも鮮やかな桃色の角は初めてだ……。長い間生きて、色んな色を見てきたがこんなにも美しい桃色の角は生まれて初めてだ。記憶にもない。どころか視界に映った瞬間夢かと思ってしまうほどの美しさだ。八大魔祖の色とは違う異質で美しい色……。花を思わせるような色だ」

「っ?」

「桃色の力は命の力。『蘇生』という神の領域に等しい力。この国の衛生士も、国家医療学者が命を賭してやっと手に入れることができる力。国宝級の力……。惜しい。惜しすぎる」

「………………」

「この力を世のために使うと思わないのか――あの鬼族の者共は。この力を使えば戦力が……、いいや生存という名の命綱が太くなるというのに、全く無駄な使い方をしているな。だから古臭い考えで固定概念まみれの輩は嫌いなんだ。もっと柔軟に、この世界の先のことを考えればいいのに」


 そう思いませんかな?


 桜姫の目の前に現れた存在は聞いた。


 ぐにりと――避けているのではないかと言わんばかりに口角を上げて、その唇から覗く尖った歯をのぞかせながらその人物は桜姫に向けて聞いたのだ。


 どう思うのか――意見を聞くように。


 しかし桜姫は答えることができない。答えることができないどころか、目の前に現れた存在を見て言葉を失った顔と驚愕に満ち溢れてしまった顔で目の前の人物を見上げてしまった。


 見上げてしまうほど彼女にとって今対面した相手は面識がある存在で、正直理解できないという言葉が脳内を駆け巡ってしまう。


 どうしてこの人がここにいるのか。


 どうしてこの人が私の目の前にいるのかと……、色んな疑問という名の疑問が駆け巡り、その状態の中桜姫は目の前にいる人物のことを見上げたまま固まる。


 固まって、しっかりと視認しした後で彼女は理解する。


 理解しなくてもしてしまうほど、彼女は理解してしまった。


 この国に住んでいる竜人よりも小柄ではあるがその背丈には不釣り合いな不格好な腹部に、服装はドラグーン王よりも絢爛さが増している服装で、そテーブルに立てかけられた杖も金で作られているようなそれで、体全体に金を装備していると言っても過言ではないような見てくれをした――飛べなくなってしまい、よろよろになった翼が目立つ濃い緑色の竜人のことを見て、思い出して震える口で言葉にした。


「ボロボの、ディドルイレス・ドラグーン大臣……!」


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