PLAY20 非道な戦いと救う力③
「えぇっ!? いきなり登場してそれを言うのっ!?」
そんなモナさんの声が聞こえたと同時に、私はヘルナイトさん達が戦っている所を見た。
すでにあの犬の人や国民の皆さんは逃げて、今風の中にいるのは私だけ。
その声を聞いた私はだんだん止んでくる風を見上げながら前を見た。
「あぁ! 風が止むっ!」
「こんな時に! ってか……、もうハンナだけだ……よかった。他の人達は逃げたんだな」
「いい風だったぜ!」
アキにぃの驚きの声に、キョウヤさんの慌てた声から安心した音色。
ダンさんのいつものその声を聞いて、私は風が止んだその光景を見た瞬間……、目を疑った。
そこには今までいなかった人がいたから……。
その人を見て、私は驚いて声を上げてしまった……。
「しょ。しょーちゃんっ!」
そう。ショーマことしょーちゃんが刀と刀の鞘を持って、オグトとオーヴェンの前に立って、ヘルナイトさん達と一緒に戦おうとしていた。
しょーちゃんは私の声を聞いたのか振り向いて「お?」と驚き、しょーちゃんは鞘を持っている手をぶんぶんっと手を振るように振りながら笑顔で――
「おー! はなっぺ! 無事か!?」
「えっ!? 知り合い……っ!?」
と、エレンさんが驚きながらしょーちゃんを指さして聞いてきた。
私はそれに対してこくりと頷きながら……。
「高校の友達で、幼馴染です……」
「こんなバカっぽそうな奴がっ!?」
「初対面に対しての発言じゃないっすけどっ!? てかあんた誰!?」
シャイナさんの発言に、しょーちゃんはガンッとショックを受けながら言う。
それを聞いていたララティラさん達は、乾いた笑みを浮かべているだけだった。
でも……、ヘルナイトさんとトリッキーマジシャンさんだけは違った。
武器を構えたまま――警戒を解かなかった。
「! みなさ」
「ウグアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!」
『ッ!』
オグトは叫んだ。
それを聞いた私達はびくっと体を強張らせてしまった。
しょーちゃんとヘルナイトさん、そしてトリッキーマジシャンさんだけは武器を構えたままオグト達を見ている。
オグトは上空を見るように、まるで魂の咆哮のように、エビ反りになりながらもあらん限り叫んで、オグトはぐわんっと私達の方を見て、怒りの形相でこう言った。
「貴様ぁ! その耳と体の入れ墨……、貴様、悪魔族だなっ! オデが最も嫌う種族! もっとも毛嫌われる種族が、なぜここにいるっ!?」
「え? 何でここにって……」
しょーちゃんはうーんっと腕を組んで考える。それを見た私は、不謹慎だけど、安心してしまった。
あれは、いつものしょーちゃんだったから……。
「いや、俺はたまたまというか……、うっかり足を滑らせてこの木箱の箱に入ってしまった後、なんだかどんぶらこと揺れていたからなんだか心地いいなーっと思って、うとうとと眠ってしまって、それから結構寝ていたと思うんすけど、さっきすごい音が聞こえたから起きて、木箱の中でなんだかすごいことになっている風景を」
「いや、もういいもういい。っていうか俺達が必死に戦っているときに何寝落ちしてんだ……。どうやったら木箱の中に入るんだって突っ込みたいけど……、そして更に突っ込むと、それを聞きたいんじゃないと思うっ!」
……いつものしょーちゃんすぎた……。
というか、ごめんなさい。エレンさん。
何で私が謝るのかはよくわからないけど、謝った方がいいと思ってしまった。
しょーちゃんは首を傾げながら頭に疑問符を浮かべている。
それを見ていたアキにぃ達は、呆れながら首を振って、ヘルナイトさんはふぅっと溜息を吐いて……トリッキーマジシャンさんは呆れた顔を仮面越しでしていたと思う……。
それを聞いていたオグトは……、苛立った声で……。
「なんだ……? その舐めた行動と口は……」
「え? 俺舐めてませんけど?」
「もう言うなっ! あんたもう言うなっ!」
しょーちゃんの言葉を聞いて、シャイナさんは苛立った口調で突っ込むけど……、しょーちゃんは何もわかっていないみたいで、更に首を傾げて、意味が分からないような顔をしていた。
それを見て、更にオグトは顔を顰めて……。
「これだから悪魔族はいやなんだ……っ! 魔力を有しているだけで……、このアズールを作ったというだけで優越に浸るクズの一族……っ! オデは嫌いだ……。お前達が嫌いだ。天族も、魔王も、悪魔も、聖霊も……っ! 弱いくせにオデ達を迫害したっ! オデ達もれっきとした種族! それなのに弱い奴らはオデ達強いやつを異常とみなして隅に追いやった! オデは弱い奴らが許せない! オデはお前達のような弱虫を――」
「それって、あんたが、じゃないのか?」
「なに?」
その言葉に、しょーちゃんはいつもとは違った、真剣な音色でオグトに言った。
オグトはそれを聞いて、ぴくりと顔を顰めて、ズンッと一歩前に出て、しょーちゃんに聞いた。
アキにぃ達は頭を抱えながら唸っていたけど……、ヘルナイトさんとトリッキーマジシャンさんはそれを、ただ聞いているだけだった。会話の間に入ることはない。ただ聞いているだけだった。
しょーちゃんは言う。
「俺はさっき見ていたけど、あんたのやり方は思いやりがねえと思う。仲間を食うなんて、何でそんなひどいことができるんだよ?」
「知れたこと、あれはオデの仲間だ」
「仲間とかいて食事とかいうやつかよ? んなもんで誰があんたの後ろについていくんだよ? あんたがそうだと、誰もあんたについて行こうって思う人いねえと思うし、あんたがそうだから、あんた達種族が、人間をそう見ていたから、えーっと……、えーっと……」
「締まらねえなぁ!」
キョウヤさんはそれを見て突っ込んでしまった。
……途中からいいことを言っていたのに、しょーちゃんは言葉がまとまらなかったのか、最後のところでうんうんうなって考えてしまった。
それを見た私は控えめに微笑みながら、内心もう少ししゃんとしようよ。と思ってしまった。
でも……ヘルナイトさんはしょーちゃんの肩を叩いて、前に出た。
それを見て、しょーちゃんは今更気付いたのか、「でええええっっ!?」とぎょっとして驚きながらヘルナイトさんを見上げていた。
それを気にせずヘルナイトさんは前に出て、オグトに対してこう言った。
「確かに、お前の言うとおりだ。誰もお前のような自分主義の男の後を追うものなど、いない」
そこにいる闇森人の方がまだましだ。と、ヘルナイトさんは言った。
それを聞いて、トリッキーマジシャンさんはふっと鼻で笑って……、ヘルナイトさんと同じように前に出て、彼は言った。
「そうです。人食鬼族の長よ。あなた達種族がなぜ黙示録から追い出されたのか、簡単です。あなたが人間を無差別に食べるからですよ」
「~~~~っ! それがなんだ! 人間はもっとも弱い! オデ達の食事になるのがふさわしい」
と言った瞬間……、ばぎりっと地面が壊れる音が聞こえた。
それを聞いたアキにぃ達はぎょっとして、しょーちゃんとトリッキーマジシャンさんはおっと声を出して驚いて、私はそれを聞いて、見て……、音を出した張本人であるヘルナイトさんを見上げると……、私は、感じてしまった。
ヘルナイトさんの体の奥から出てくる……。赤いもしゃもしゃ……。それは……。
怒り。
カイル以降のその感情を吹き出しながら……、ヘルナイトさんは言った。
「人間は、弱くない……っ」
そう言って、ヘルナイトさんは、大剣を構えながら、それをオグト達に向けて、突きつけながら、ヘルナイトさんは、怒りの感情を乗せて言った。
「人間は……、いかなる時でも諦めない心を持っている、強い種族だ! 私達魔王族よりも、その種族よりも強い種族だっ!」
それを着た私は、ヘルナイトさんのもしゃもしゃを見て……、心が温かくなった。
その言葉を言ったヘルナイトさんのもしゃもしゃは、赤い中に、桃色のもしゃもしゃも混ざってて……、そのもしゃもしゃの意味を、知っていたから、心が温かくなって、ふと、微笑んでしまった。
それは――大好きだとうもしゃもしゃ。
人間が、大好きなんだ。そう私は解釈した。
ヘルナイトさんはトリッキーマジシャンさんを見て――
「トリッキーマジシャンッ!」
「ええ! わかっていますとも! やっと決意してくれて助かりましたよ!」
何も言っていないのに、トリッキーマジシャンさんはそのままとんっと跳躍しながら、くるんっと体をひねりながら回って、そのまま拳銃をオグトとオーヴェンに向ける。
「みんな!」
ヘルナイトさんはアキにぃ達に向けて叫んだ。しょーちゃんもぎょっとして驚くと、ヘルナイトさんは言った。大声で言った。
「今から私の指示通りに動いてくれ! いいか?」
と聞くと、最初にOKを出したのは……、意外や意外。
「わかったっす!」
しょーちゃんだった。
それを聞いていたアキにぃは「いやいや! 君は関係ないよねっ!?」と突っ込むけど、ヘルナイトさんはアキにぃの言葉に対して……。
「いや、必要だ」とはっきりと、凛とした声で言った。
それを聞いて、アキにぃは「はぁ?」と素っ頓狂な声を上げた。
でもヘルナイトさんの目は……、本気だ。
私はそれを見てアキにぃを呼ぶと、アキにぃは私を見た。私はアキにぃに頷く。それは大丈夫というそれだった。
それを見たアキにぃは、はぁっと溜息を吐いて……。
「で? ポイズンスコーピオンのようなことをするの?」
と聞くと、ヘルナイトさんは首を横に振って……。
「ハンナ、準備はいいか?」
「は、はい」
私は頷く。そして、みんな配置についたのを見て、私はすぅっと息を吸って、そして鎖帷子の瘴輝石に触れて……、唱える。
「マナ・イグニッション――」
「トリッキーマジシャン!」
ヘルナイトさんが叫ぶと同時に、銃でオグトとオーヴェンを止めていたトリッキーマジシャンさんは、とんっと後ろに飛び退いて、私達がいるところに戻ってくる。
そして私はそれを見て、目を瞑って、唱える。
「『癒しの台風』」
唱えたと同時、オーヴェン達がいるところを中心に、ふわりと風が渦巻いて、だんだんそれは大きくなって、さっきと同じような風を形成していく。
それを見た二人は、すぐにその場から逃げようとした時……。
――カッ!
――パパパパパンッ!
「「!?」」
エレンさんとアキにぃが、二人の足元に銃を発砲して、矢を放って進行を阻害する。
それを見て、オグトとオーヴェンは苛立ったかのように顔を顰めた隙に、風はさっきと同じように台風となって、私達を風の中に隠した。
「……これで、いいんですか? これだと見えない……」
「いいや、いいんだ」
と言いながら、ヘルナイトさんはそっと私を横抱きにして、そのままその風の外側に出る。それができるのかと思いながら見ていると、どんどん後ろに進んで、そして外側の外に出た。
改めて見上げると……、瘴輝石の風は、本当に台風のように渦巻いていて、よく小さい時に見ていた大きな竜巻のような圧巻があった。
それを見上げていると……。
「お! はなっぺ!」
「これで全員出ましたけど……」
「! 二人とも……っ!」
隣から出てきたしょーちゃんとトリッキーマジシャンさん。二人を見て私は内心ほっとしながら見ていると、ところどころを見ると……。みんな台風の中から出ていた。
キョウヤさんとアキにぃ。
モナさんとシャイナさん。
エレンさんとララティラさん。そしてダンさんの三人。
それぞれが持ち場についていた。
それを見たヘルナイトさんは頷いて、大剣を持っていない左手を上げた。それはエレンさんたちをタしけた時と同じ、空から落ちてくるものを、片手で受け止めるような手の形にしていた。
その手を見ていると……、ぼんっと、火の玉のような黒い焔がヘルナイトさんの掌に出てきた。
黒い焔を見たしょーちゃんは「おぉぉ! 黒い火の焔!」と、目をキラキラさせていた。でも……、トリッキーマジシャンさんはそれを見て、仮面越しで青ざめながら……。
「確かに、意見には同意しましたが……。まさか……、あなた相当怒っていますね……?」
と聞いた。
それに対しヘルナイトさんは……。
「……非道な戦いをしたのはあっちだ。それ相応の戦いで返す。これがいいだろうと判断したまでだ」
冷たく言ったヘルナイトさん。そのままヘルナイトさんはその火を鷲掴みにして、それを大きく弧を描くように――ぽーんっと、投げた。
話には聞いていたけど……、私は離れてみんなのサポートだって聞いただけど……、この火は一体……と思いながら台風の目に入っていく火を見ていると……。
小さく、黒く光って燃えていた炎は……、どんどん下に行くにつれて、というか、ちょうどあと少しで地面と言うところで……。
ぼんっと台風の目の中で一気に膨張した。
「「え?」」
私としょーちゃんはそれを見て驚くと、ヘルナイトさんは投げた手をぐっと軽く握るようにして、指鳴らしのそれにした後ヘルナイトさんが言おうとした瞬間……。
「お二方! 耳を塞いでくださいっ!」
「「!?」」
突然トリッキーマジシャンさんに言われたので、私達は耳を塞いだ時、ヘルナイトさんは言った。
凛としているけど、その中にある怒りを乗せた音色で……。
「――『地獄焔』」
パチンっと指を鳴らしたとき……。風の中の黒い焔が、かっと黒く光って、更に膨張して……。
――ゴォオオオオオッッ! っと台風の目の中で黒い火柱が燃え盛って、私達はその台風の外にいたけどその熱気がこっちに押し寄せて、頬や顔が焼けるように熱かった。台風の目の中から叫び声が聞こえる……。
そして……。
私はそれを見て呆然としていた。
しょーちゃんを見ると、呆然として青ざめていた。
あ、そう言えばしょーちゃんは前にヘルナイトさんに会ってひどい目にあったって言っていたけど……、あれを思い出してしまったのかな……?
そう思ってアキにぃ達を見ると……。
あ、みんなしょーちゃんと同じように呆然として見ていた……。
「あなた……、やっぱり……」
トリッキーマジシャンさんが呆れながら耳を塞いでいると、ヘルナイトさんはそれを見ながら……、凛としているけど、まだ怒りが収まっていないのか、低い声でこう言った。
「……非道な行為を見過ごしてしまった。一人の命を危険にさらした」
その言葉を聞いて、私は思い出す。それは、仮面の部下の人のことだろう……。ヘルナイトさんは、それに対しても怒っていたんだ。
オグトの非道な戦いに、そして、自分の不甲斐なさに対しても……、怒っていたんだ。
ヘルナイトさんはもう一回指を『パチン』と鳴らした。
すると、台風の目の中で燃え盛っていた火が消える。
それを見たヘルナイトさんは、私の方を振り向いて……、凛とした音色で、私の頭に手を置きながら――
「嫌な役を押し付けてすまないが……解除をしてくれ。やり方はもう一度石に触れるだけでできる」
そう言われ、私は頷いて、すっとエディレスの瘴輝石に指先で触れると、ふわりとその瘴輝石が光り出す。と同時に、台風が意図的に四散する。
それを見た私は、驚きながら台風の目にいたオグト達を見ると……、案の定……。
ぶすぶすと、黒焦げになって蹲っていた。
「う……ぐぅ!」
「なんだ……、あの魔法は……っ!」
オーヴェンとオグトは蹲りながら、残った力で立ち上がろうとした時だった。
「――今だ!」
ヘルナイトさんの声を合図に、最初に出たのは――
すたんっとヘルナイトさんの前に出たシャイナさんとモナさん。
二人はダッと駆け出して、オグトとオーヴェンに向かって走り出す。
それを見たオーヴェンはギターを即座に構えて、怒りの表情で駆け出して近付いて来るモナさんとシャイナさんを睨んで……。
「――なめるなああああああああっっっ!」と叫んだ瞬間だった。
――パシュッと言う何かが放たれる音。
それがギターの弦のコードを押さえるところに、ガンガンッと突き刺さる。
その数は二本で、どれも弦を切って、使えないようにした。
オーヴェンはそれを見て、バラバラと落ちるギターを見て、斬れてしまった弦を見て……、瞳孔を開いた状態で、驚いて矢が放たれたところを見た。
そこには、エレンさんが屈んで矢を放ってて、その背後にララティラさんが立っている。ダンさんはすでにどこかにいなくなってしまったけど……、ララティラさんは杖を構え――
「『状態異常』!」
杖の先から出てきた黒と紫が混ざったそれは、杖の先で光っただけで、どこにも行かなかったけど……、それがまるで伝染したかのように……、オーヴェンはびきっと体を強張らせた。
そして「うぐおあああ……っ!」と唸り声を上げてぶるぶると震えだす。
ララティラさんはうげっと、顔をしかめて――
「ごめん! 『麻痺』やった!」
「十分だぁ!」
といいながら、モナさん達と一緒に駆け出したのは……、ダンさん。
ダンさんは豪快に、そして狂気が混じったような笑みでオーヴェンに向かって駆け出して、そのまま急停止して、ずさささっとブレーキをかけながらぐっと右の握り拳に力を入れる。それを見て、オーヴェンは懐からナイフを取り出して……。
「クソがぁぁぁっっ!」
と叫びながらダンさんを切ろうとした時……。
ぱぁんっと、モナさんが即座に掌の、まるで拳法家のような手の叩き方で、的確にオーヴェンが持っていたナイフの、右手首を攻撃して、ぽろっと落としたナイフを反対の手で奪い取って、姿勢を低くして、ゴロンっと転がって逃げる。
それを見たオーヴェンは驚いていたけど、私も驚いた。
殴ることが性に合っていると言っていたけど……、あれは喧嘩とかそう言った分類じゃない……。
あれは……、拳法家が使う技だ。何も知らない私でもわかった……。
モナさんは転がり終わったところで、ダンさんの方を振り向いて……。
「今だぁっ!」と叫んだ。
それを見て、聞いて、ダンさんはにやりと笑みを作って――
「拳法武闘――『銃拳』っ!」
ぼっという音が出るような弾丸のような拳は音速よりは遅いが、瞬きしたらすぐに目と鼻の先というそれがオーヴェンの顔面に来ていた。
それを見たオーヴェンはぎょっとして、硬直している間に……、ダンさんは目いっぱいの力を入れて『めしゃり』と顔にその拳をめり込ませて、ぐぐっと更に力を入れて……。
「――ぶっ飛べええええええええええええっっっ!!」
上空に向かって振り上げ、オーヴェンを上空に吹き飛ばしたのだ。
それを見上げて私は呆然としていた。けどそれもすぐに消えて、私はシャイナさん達を見た。
厄介なオーヴェンは戦闘不能……で、いいんだよね? 大丈夫かなぁ……。でも、あとはオグトだけになった。私は目の前で、驚きながら上を見上げているオグトを見た。