ネコさんパンツで……zzz
「……ただいま」
授業を無事に終えて、どっぷり疲れて帰宅する。
家の中は静かだ。出迎えは誰も出てこない。
弟たちは、どうやら遊びに出て留守のようだ。
自分の部屋に戻ると、カバンを放り投げる。
そして、バタリと布団の上に倒れ込む。
ネコさんパンツ丸出しの少女の傍らで、ごろんと天井を見上げる。
「どーしてこーなったん……」
大地と姫野の二人が言い争うようにして決まった肝試し……もとい、幽霊退治の道案内。
幽霊退治なんて、一体何所からそんな話になったのだろう。
こんな事なら、昨日の時点でとっとと道案内して、幽霊なんていないと話を終わらせておけば良かった。
……後悔先立たずとはこの事か。
大地と姫野にはウチの住所を教えといたから、しばらくすれば少年探偵団という名のゴーストバスターズがウチを迎えにくる。
ごろんと向きを変えて、傍らで寝込む少女の顔を見る。グッスリと眠ってて、目覚める気配はない。
まだ、ウチの時間は残ってるみたいだ。
疲れてるけど眠気は無い。コーヒーキャンディーの効果だろうか。
「まぁ……これなら出かけても問題は無さそうだけど……」
ウチは起き上がって鏡に向かう。
いつもだったら、メイクを落とす安堵の瞬間だが。今日はメイクの手直しに……。
「正直、面倒だよな」
■■■
「悠紀ちゃん、あっそぼー♪」
「おーい、悠紀ーっ。向かえに来たぞー?」
ほどなくして、姫野と大地が家に来た。
集まったのは姫野と大地とウチ、それに加えて同じ学年だけどあんまり話したこともない。
3人の男子だ。
市街地を離れた田舎の家屋を見て、興味津々のご様子。
ウチを遊び場にするのは禁止だからね! と釘をさしといた。
「いちおう、確認するんだけど…… ホントにいくの?」
「おうよ! あったりめーだろ!?」
大地を先頭として、張り切る男子達。
まるでこれから遠足にでも行くかのようなはしゃぎよう。
それに対して、姫野のテンションの低い事低い事……
まるで給食に嫌いなメニューが並んでるかのような落ち込みよう。
「ねぇ 悠紀ちゃん? オバケって……ホントにいるのかな……?」
「……さ、さあ? それは……わかんないけど……」
「大丈夫だって。もし幽霊が出てきても一発で仕留めてやるぜ!」
自慢げに野球部が使ってる金属製のバッドを掲げる。
うちの学校名が書かれているから、ドコから持って来たのか容易に想像が付く。
……ちゃんと返却しておけよ。大地。
「それじゃ、大通りを避けた、裏山からの道を案内するけど……その前に」
「……その前に?」
一斉にこちらを見る皆。
「みんな、ケータイとか持ってるよね?」
ウチは5人全員に向けて話しかける。
「今どきケータイを持ち歩かない小学生なんて居ないぜ」
大地が、至極当然のように言うが、小学生でなくっても、ケータイくらい持ってるし……。
それぞれが、ポケットやカバンの中からケータイを取り出して見せる。
「それ、ぜんぶ、ココに置いてって」
「なんでだよ?」
「ケータイ無かったら、道に迷ったときに困らない?」
「ケータイの地図が効かない所にいくんだから、持って行っても意味ないよ。それに……」
一呼吸置いて、ウチはその真意を告げる。
「……ケータイ持って行くと、位置情報逆探知されてケーサツ飛んでくるよ?」
「……おお! なるほど!! さすが熟練の地元ッチーだな」




