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そんな裁きの場へ引きたてられた私達は、そこで初めて義妹たちの詳細な悪行――あらゆる地位の、婚約者を持つ男性達をロウラクし、さまざまな利権をむさぼり、具体的に聞かされる羽目になった。



正直、そこまでやっているとは………………せいぜい上等な貴公子を狙うライバル令嬢達を(おそらく胸が悪くなるような手段で)蹴散らした程度だろうと思っていたのに。



義妹をよく知る私ですら、その程度だと考えていたのだ。

育児を放り出して浮気していた義母や長く国境の守護に出ていた父は、思いもしなかった悪夢に気絶しそうになっていた。



いくら父に武勲(ぶくん)が有れど、国家転覆罪は一族郎党(ろうとう)漏れなく処刑だ。それ以前に国家が滅ぼされそうな状態だけど。


私は切り札を使わざるを得なかった。

すなわち、義妹達はセズの血を引かぬ不義の子である事をブチ撒ける事だ。


……………………………………


義妹達の実親である義母と、その浮気相手こそが一連の騒動の真の首謀者であり、国家転覆をたくらむ逆賊です。


計画は、少なくとも17年以上前から練られていたようでした。



17年前のセズ伯たる父は辺境の守りで留守が多く、妻を亡くしたばかり。

まだまだ幼い私を独り、屋敷に残して戦わねばならなかった父は、屋敷を守り、私を育てる妻を必要としておりました。


そこに目を付けられてしまったのでしょう。

逆賊一味はスパイである義母を送り込み、セズ伯を騙して妻の座に収まり、長年使えてくれていた使用人を一斉解雇。

仲間と入れ換える事で屋敷をすぐさま掌握したのです。


彼らは我が父の不在をいいことに、様々な転覆計画を打ち立て、領地の民を使って実験、検証を繰り返しておりました。


…………私はその事を知りながら、幼い頃より逆賊達に監視され、時に命を狙われ、恥知らずにも今まで生きて来たのです。



国防にかまけ、義母の本性に気付けず、結果的に獅子心中の虫を見逃した父も、反逆者の存在を知りながら、告発する勇気も力も無かった私も罪は深いものでございます。


ですが、どうか見逃さないでください!!闇にうごめく、まことの悪を!!



(だから処刑するのは義母と浮気相手の一族だけにしてください!!)

………………………………………

私は涙ながらに訴えた。


かなり無茶な話ではあるが、説得力は無惨なほど高い。



浮き名を流しまくったらしい義母の、電撃結婚と早すぎる出産。


セズ伯邸の使用人一斉解雇。


義母が来て以降の、急速な領地の荒廃。


女主人と三姉妹が暮らす屋敷の中は、なぜかメイドではなく男!男!男!と、男で溢れ返っている(義妹達のコレクション)。



現状だけでも異様ではある。


さらに言うならば、私の容姿が悲しくなるほど父に似ているのも大きいだろう。



私と父は黒髪に茶色の瞳だが直毛で、目は肉に埋もれ糸のように細められていて見えない。

日焼けで黒く照り返す父とは違い、私は一応白い肌をしているが、共にむちむちと肥えていて、さながら白豚と黒豚の親子。



母親の血はどこえ消えた?と尋ねたくなるレベルで父と私は親子である。




それに対して義母と義妹達は、たいそう美しい姿をしている。


義母は、栗色の髪に緑の瞳。性格のキツさが顔に出ているが、くるりとカールする髪に、ぱっちり二重まぶたの迫力美人。


義妹達は、亜麻(あま)色がかった金髪と紫がかった青――いわゆる紫暗(しあん)の瞳。


義母をもっと愛らしげにした顔つきで、色彩も相まって、さながら二人の天使画のような風情がある。



………少なくとも、義妹達のような魔性が白豚(私)に見いだせる人間はいなかったらしく、至るところから納得の生温い眼差しと失笑が漏れていた。





だが、しょせん欺瞞(ぎまん)だ。

なにせ父が逆賊一味の仲間ではないと言い切れない。


義妹達の出生届は、父の名義で届け出てしまっている。 養育も父の金を使い、父の屋敷で育てた。実際、父がいなければ義母は早々に修道女にでもなりはて、一番目の義妹は身なし児として孤児院行きになっていただろう。


二番目の義妹にいたっては生まれもしなかったはずだ。



騙されたとは言え、義妹に権力を与え、学園都市に送り込んでしまった父の罪は重い。


そう思いながらも、私は何かしらの違和感を感じ取っていた。なんというか、一部の参加者から恐怖と絶望を感じる的な。


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