家族
俺の名前は正人。
1986年8月2日俺は産声をあげた。
小さな男の子だった。
せっかちだったのか予定より1ヶ月程早く生まれたらしい。
俺にとってはごく普通の家庭、、、ただ足りないものをあげるとしたら
父親がいない事だ。
俺が生まれた家は母親、祖母、兄、俺という家族で住んでいた。
自分は1ヶ月早く生まれたせいか身体が弱かったらしい
生まれつき喘息があり腎臓も弱かった。
生まれてまもなく入退院を繰り返していた。
医者に5歳までもたないとまで言われていたが俺はスクスクと育って
いつしか5歳を超えていた。
俺は遊ぶのが好きで毎日外に出ては悪戯をして生傷の絶えない男の子、
近所の人たちに怒られてばかり。
二つ上の兄は俺と正反対で家の中で遊ぶ人だった。
何をするにも一人が好きで仮面ライダーやウルトラマンが唯一の友達といってもいいくらいだ。
祖母は看護婦をしていて日勤、準夜、深夜と三交代制で家に居ても
寝ているくらいだったから話をする事が滅多になかった。
ご飯とかは毎日作り置きをしてくれていたからそれを兄と食べていた。
母親は飲み屋を経営していた。
いわゆるお水という職業だ。
俺は母親が仕事に出かけると毎日寂しかった。
母親に会えるのは週に三回程度、俺達とは別で家を借りていたらしい。
今思えば一緒に住んでいたのは祖母と兄と俺だった。
そんな生活が何年か続き俺は小学生になった。
それから俺の人生が変わっていく、、、。