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庭園会に参りましょうか

「本日ではもう遅いので、陛下には庭園会にてご挨拶するようにおっしゃっておられました。あともちろん今更来られたのですから、アンナ様にはその際挨拶してくださいね。なんていったってアンナ様は陛下のご寵愛を独り占めにされていますもの」


得意げにキリはそういうと「私はあなたの侍女ですけど主人はアンナ様ですので、これにて失礼します」去って行ってしまった。



「なんですか、あの人は!本当に失礼な方ですね」


「そうね、けどメリア…わたくし楽しくなってきてしまいましたわ。だって今頃ジェイクは私がなぜ今頃のこのこ現れたのだとか、男爵令嬢にわたくしとなるべく会わないように思案されているのでしょうから」


最近会っていないジェイクの顔を思い浮かべると本当に楽しくて、リディアは庭園会が楽しみになった。


「ほらジェイクって詰めが甘いんですもの。さてどういたしましょうか?」


「お嬢様…問題だけはあまり起こさないようお願いしますわ」




翌日庭園会の時間も近づいたころキリが呼びに来た。


「はいではリディア様、私が席までご案内します。その後アンナ様にご挨拶してくださいね」


にっこり笑うキリにリディアはいぶかしく感じたが表情に出すことはなくにっこりとほほ笑み返した。


「おねがいするわ」


リディアの後ろではメリアが「…なんか怖い」と言われていたがリディアは完全無視した。



庭園は綺麗に咲き誇っている。

リディアもその花々を楽しみながら、メリアも携えキリに案内されるがままに庭園会に来ると、もうほとんどのご令嬢たちの姿があった。今回の庭園会には令嬢だけでなく貴族も多く集まっていた。

花がきれいに咲き誇っている場所には陛下の席があり、そこを中心として花が見えやすいように席が置かれている。


「ここがリディア様の席です」


キリが案内した席は陛下たちの座る席から最も離れた末席だった。

これがキリが笑っていたことなのねとリディアは理解した。


「ちょっとキリ、あなたリディア様に失礼でしょう」


見かねたメリアがキリに抗議したがキリはどこ吹く風である。


「陛下からはこの庭園会は身分の差もなく気兼ねなく行うようにとのことですし、この席順としてもやはり今更ですから…陛下とお近づきになっても遅いですしね。まだ陛下はいらっしゃっていませんが、一番近い席はほらアンナ様がいらっしゃるでしょう」


キリの話も聞きながら男爵令嬢を見ていたリディアはキリに問いかけた。


「あらそうなの、ふ~ん。なら席順を決めたのは陛下なのかしら?」


「ほとんどは陛下やほかの方が決めましたよ。リディア様にはわきまえてもらわないといけないと思ったので少し私も口添えさせていただきましたが…」


「わきまえるね~…まぁいいわ、ありがとう。じゃあ、ごあいさつしましょうか」


さきほどからリディアが入ってきてからざわめき始めた周囲を眺めてリディアは男爵令嬢へと歩き出した。


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