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候補者、来訪

「急に来たとはいえ、まずまずの部屋を準備したようね」


王宮に上がって与えられた部屋を見てリディアはつぶやいた。


「お嬢様、それにしてもなんなんですかね。最後に来たからと言って侍女は一人しか連れてきてはいけないなんて…愚弄されていますわ」


家から連れてきた侍女メリアが怒りながらリディアにお茶を入れていた。

最後の妃候補として上がるに至ってだされた条件の一つは家からは、侍女を一人しか連れてきてはいけないということ。

ほかの侍女はこちらで用意するとのことらしい。

そしてつけられたのはなんと今まで男爵令嬢のところで使えていた侍女だったのだ。

男爵令嬢の元侍女はこちらを敵対心の目で見てきている。


そんな侍女を見ながらリディアは「躾がなっていないわね」と鼻を鳴らした。


そんなリディアにその侍女キリはおびえることなくにらんでくる。


「公爵令嬢だか知りませんが、今更上がってきたところで王妃になられるのはうちのお嬢様ですから」


「ちょっとお嬢様になんて口の…」


メリアが注意しかけると、リディアは手で制してその侍女を見据えた。


「うるさいわね。そんなんじゃ、あなたの主人もみれたものね」


「なんですって!!」


「まあ、せいぜい一か月間よろしくお願いするわ」


「ふん!」


「それはそうとお嬢様、お客様が来られていますがこんな時間ですしお帰りになってもらいますか?」


暗くなってきた時間に訪れた客人をメリアが告げるとリディアはお茶を飲んだまま笑った。


「会うわ、皆さんお耳の早いことだこと」



そのころ王の執務室では…


「なぜあれが来た!!」


リディアが夕方になって王宮に上がったことを聞いたジェイクはいら立っていた。


「陛下、落ち着いてください」


「うるさい!何の嫌がらせだ。来るはずもないと思っていたというのに…」


周りが収めようと声をかけるが苛立ちは収まりそうにない。


「アンナには黙っておけ!あんな奴に合わせるわけにはいかない。会合の時に俺から紹介すればいいだろう。いらん心配は掛けさせるな。あれとの接触は決してならん」


ジェイクは怒りの中でも冷静な頭の隅では、なぜリディアが王宮に上がったことについて不思議でならなかった。

一年前リディアの兄で公爵家の跡取り息子が不遇の事故で亡くなった。

そのため王妃候補筆頭であったリディアは公爵家のため婿を取らなければならなくなったため王妃候補からは外れたように見られていたのだから…


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