宰相は頭が痛い
読みにくいと思います…
展開は早いです。最後にに向けて頑張りたい
「ジェイクあなたは何を考えているんですか?どんなにあなたが好きでもイシュベルを王妃にすることは無理です」
「うるさい、だから言っただろうがお前の王位を譲ってもいいと」
「いいわけないでしょうが!!どうするんですか?混乱の極みですよ」
ルークがジェイクの自室まで追いかけて言いつのるが、ジェイクは豪奢な服を脱ぎ棄てながら軽服に着替えていく。
その姿にルークはいやな考えが浮かんでくる。
まったく昔から言い出したら誰が何と言っても覆さない頑固なところのある従兄弟だ。
だからこそ、その行動力が怖い。
目的に向かって突っ走ってしまう可能性が高すぎる。
「まさかとは思いますが、リディア嬢のところに行くとかぬかしませんよね?」
ジェイクは驚いたようにルークを見た。
やはり考えていた通りになってきている…
「ルーク、お前は好きな女がほかの男と結婚するのをおめおめ許すのか?」
「それとこれとは関係ないですからね。それにアンナ嬢はどうするんですか?あんなに溺愛されていたじゃないですか。今更あんな仕打ちはひどい男ですね」
「…まぁ、ほんとうならこのままアンナと結婚するつもりだったがな、やはりリディアは俺の女だ。アンナには悪いが、な」
ルークはもう何も言えず深々と溜息を吐いた。
なんとまぁ、最低な男になろうとしているのか…
翻弄されている側から言えばそれなら初めから一人に決めておけと言いたい。
あれだけ国中をにぎわらせておいてこれとは…頭が痛い。
そして話は冒頭に戻る。
リディア嬢を奪いに行く前にアンナ嬢に謝りに向かったジェイクは謝った瞬間殴られた。
その際ざまあみろと、少し笑ってしまったのは秘密である…
「馬鹿にするのもほどほどにしてください。男爵令嬢だからってプライドくらいはあるんですよ!陛下のことを愛しているのに…なんでこんな!!」
ジェイクは今まであれほど優しい瞳で見ていたというのに、今はさめざめとした視線を送っている。
後ろに控えているメイドはジェイクが軽蔑の視線を送られているが…
「アンナ君にひどいことをしているという自覚ある。リディアの代わりにしていたとはいえ、君のことも好意は抱いていた。だが、リディアほどには思えない。初めはそれでいいと思っていた…」
言いつのるジェイクにアンナは首を振って制した。
「リディア様が来てから陛下の様子がおかしいってことは知っていました。これ以上みじめにさせないでください。それに見くびらないで、私だって領地に戻れば私のことを好きだって言ってくれる方なんてたくさんいるんですよ。今回のことで箔も付きましたし、良かったかもしれませんわ。陛下はどうぞいばらの道をいってください。ああ、すっきりした」
アンナはせいせいしたようにジェイクに手を振った。
「ここでお別れです。いい夢を見せてもらいました。幸せは願いませんがどうぞ頑張ってください。さようなら」
そういってアンナはジェイクに背を向けた。
ジェイクはそんなアンナの背を見て「ああ、君の幸せを願っている」そう言い残すと走って出て行ってしまった。
そのままリディアのもとに行くのであろう。
何が君の幸せを願っているだ…その幸せを壊したのはお前本人だろう。
「陛下に代わりまして、私からも…」
「いりません!もうほっといてください。本当に馬鹿みたい…物語のような展開で私もって思っていたのに…」
アンナはどさっと音を立ててソファに座り込んだ。
さきほどはすっきりしたと言っていたが、表情がどんどん崩れていくとついには泣きだした。
ルークは泣いた女性の扱いに困ってメイドたちに目を向けるが皆一斉に顔をそむている。
「……」
なんで俺がこんな目に!
「現実ってこんなもんなんですかね?ああもっと私のことを本当に一番に思ってくれる人と結婚してやる!」
泣きながらそう叫ぶアンナにメイドたちが拍手を贈っている。
その雰囲気にのまれルークも拍手を贈らざるをえなかった。
「女性は強いですね…」
そうつぶやくしかない。




