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王の気持ち2

2話投稿しますね。

ちょっと発熱して半紙のつじつまが合わないところがあると思うんでおいおい直していきます…


初めは何も知らなかった俺だったが成長していくうえで、イシュベルとは何か王族の一部が知らされることも学んでいった。


イシュベルは王家の影なる存在。


王家から貴族からもねたまれ恨みを買うことで王家を守る一族。

王家と貴族とのはざまで、ある一定の均衡を保っている。


もっともイシュベルもそれだけの力があるからこそずっと続いている家系でもある。

そうそう簡単にはその高みから引きずりおろされることはない。

ゆえに一部を除く王族や貴族から妬まれている。


たとえば現イシュベル王公爵はだれもが文句が言えないほどの政治的な手腕を持ち、リディアの亡くなった兄は次期将軍とまで言われたほどの軍才があった。


だが、イシュベルの立場上俺がリディアを好きになっても、リディアを王妃にすることは困難な状態だった。

もともと王族の血を引いているイシュベルにこれ以上の力を持たせるのならば貴族の不平不満が大きくなる。

結局のところリディアを妃候補筆頭にしておいて、王妃になるのは二番手か三番手の公爵家の令嬢になるのだ。


それでもと、俺は足掻きはじめた。

反対されることは分かっているが、それでも俺は彼女と共に生きていきたかった。


一年前大戦が終わったとはいえいまだ戦火の残りがくすぶっていた。

それは事故として公の場では伏せられた事件が起こる。

俺は視察中に残逃兵に襲われることとなる。

多勢に無勢ではあったが護衛としてきていたリディアの兄との共闘で優位な戦いとし終えた。

しかし、逃げたと思われていた兵による弓に俺は射られるはずだった…

―――俺をかばい背に射られたのはリディアの兄だった。


兵士はすぐにとらえられ殺されたが、その時には急所を射られた兄はもう虫の息だった。


「あははは…いって、このままじゃあリディアに叱られてしまうな」


「おい、しゃべるな!今すぐ治療をするぞ」


血が溢れる傷に手を当てて止血しようとするがとまる気配がない。


「もう駄目だよ、陛下。リディアが一人になってしまう…なあ陛下助けてくれよ。本当になんて生きにくい世界なんだ」


億劫そうに手を伸ばすと俺の襟元をつかみ必死に言いつのろうとするが、力はどんどんと弱くなっていく。


「リディアはそんなに強くはないんだよ。陛下、リディアを頼むよ」


最後の力を振り絞るようにそう言い残すと彼の眼はもう開くことはなかった。


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