eight.
一か月がたった。
イヴたちに破壊行為をやめさせ、好きに世界を動かして一カ月がたった。
私は表に出て何かをすることはない。
たまに素顔のまま、町中を歩くくらいだ。
みんな脅えて過ごしているのを見てはにやにやしているのだ。
ひそひそと話す声が聞こえる。
「降伏したけど、特になんにもないじゃないか」
「だよな、別に何か劇的に変わってるわけじゃないしな」
「ばっか、お前たち、おやめ!どこであの子たちが見ているかわからないよ!」
あの子たち……勝手に私の配下としてきて、力を持って取り締まっている奴らだ。
好きにすればいい。
力こそ全てだ。
ゆっくりとその傍を通りすぎる。
「今戻った。」
家に戻るとアワンが私の手を取り支えてくれる。
私は年を取り過ぎてしまったかな。
世界を手に入れることを目標とし、それ以降のことを考えていなかった。
何をすればいい。
独裁者のようにふるまっても、意味もなく虐殺しても、心は痛まなかった。
ただただ空しい。
――それから半年がたった。
新兵器を携えて子供たちに挑むやつらもいたが、誰にもイヴたちは破壊出来なかった。
「私は……どうすればいいのだろうか」
「私の望む世界はなんだったのだろうか。」
プツンと頭の中が切れた気がした。
「お前たち、ここに来い」
8人全員を呼び寄せる。
「いいか、この世界を……壊しておいで。
何も残らない、生き物一つ残らない、無の世界にしておいで。
戻ってきたら私を殺しなさい。
殺したら、好きにしなさい。」
「はい、マスター」
8人はそう返事をするとまた、最初のように各地へと飛び立っていった。
「これでいい……これで」
私の作る世界は破壊だけで十分だ。
恐怖と破壊――そして死。
空の世界には興味がない。
手に入ったものは必要ない。
ならば……壊してしまえ。
真っ暗な部屋でテレビもつけずじっとする。
子供たちを待つ。
キィィ――
扉が開く音がする。
ああ、ここの扉は開くたびに擦れる音がしてうるさかったんだ。
直さなければと思っていたのがだが、直しそびれたな。
「マスター。イヴの地域終了シましタ。」
「マスター。アワンの地域、終了しました。」
「マスター。アズラの地域、終了しました。」
「マスター。エデンの地域、終了しました。」
「マスター。カインの地域、終了しました。」
「マスター。ヘブンの地域、終了しました。」
「マスター。アダムの地域、終了しまシた。」
「マスター。ヘルの地域、終了しました。」
「おかえり、子供たち。」
私の最後が来たようだ。
「さあ、最後の命令だ」
8人の子供たちは一斉に剣を振り翳し……私は死んだ。




