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秋盤の証人  作者: Mr.nee.
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第1話 桜の散りゆく日に

この物語は、主人公秋山大志がさまざまな仲間達と出会いながらひょんなことから入った将棋の世界で輝く物語です。ガチ初心者なので読みづらくつまらないと思いますがどうか温かい目で見てください。お願いします。そしてもう一つ。この作品に出てくる学校名などは多くが実在する学校ですが実在の学校とは無関係であり、完全なフィクションストーリーです。ご了承ください。

4月といえば「出会いの春」なんて言われるが、そう言われれば大抵の人は入学式と書かれた縦看板の前に立ってぎこちなく制服を着ながらぎこちなく笑う可愛らしい新入生とそれを桜と一緒に祝いながらカメラやスマホを構える親等を思い浮かべるのではなかろうか。日本人にとって桜というのは特別な花だ。3分咲きや5分咲きに7分咲き、そして満開。さらにその後にも続いていく。桜の花の咲き具合でこんなに名前がついている。そして多くの日本人、とりわけ文化人はこうした風景を称賛してきた。しかし趣だとか粋だとか風情だとかに無縁な僕にとって、満開の桜を美しく感じれても、その後の土に汚れた桜まで美しいと感じることはできなかった。そして今年の桜は何を焦ったのか例年より早く咲き、早く散り始めた。教師の離退任には花を添えておきながら、新入生にはそっぽを向いたわけだ。しかし、当の僕らからしてみればそのような周りの風景は"周りの風景"でしかなかった。そんなことよりも部活や新クラス、授業等の新たなスクールライフの方が関心ごとであったのはいうまでもない。そんな中の僕は今の所、クラスは結構小学生からの友達も多く、うまくいきそうである。授業はまだわからないが、塾で予習をしているし、多分大丈夫だろう。部活は、、、、どうしようか。実は僕は部活に対する思いは人より強いと思う。昔から、テレビで中学や高校の部活の特集を見るたびに憧れを抱いてきたのだ。実際、小学校ではサッカークラブに入って活動していた。しかし、なんか自分が目指してるものとは違う。充実はしていた。そこそこ良いところまで行った。悔いはあったが、楽しかった。でも。自分が求めているものではないような気がしていた。そして最近、なんだかこんな気がしてきた。もしかして自分、あんまりサッカー部適性がないのではないか。実はもともと運動神経があまり良い方ではない。それに性格もオラオラ系ではない。だから試合でもアピールとか苦手で、ミーティングとかでもあまり意見を言えなかった。そうだとすると、ある程度マイペースでできて、なおかつ上を目指せる部活、、。つまり運動部系というより文化部系の方が良いのか?この中学の運動部、ほとんどチームスポーツだったし。大仙中の文化部って何があっただろうか。そんなことを考えているうちにすっかり寝不足のまま学校へ向かうこととなった。しかし、事件というのは唐突に起こる。この日、初めての中学校の給食だった。なんと初日から(いや初日だからかも?)カレーだ。カレー嫌いな中学生なんて聞いたことがないぐらいみんなカレーが大好きだ。当然僕もその1人である。しかし、僕は自分に盛られたカレーをうっかりこぼしてしまった。いや、こぼしてしまっただけならまだ良い。問題はそのカレーがクラスメートの本にかかってしまったということだ。やってしまった。2日目にしてこれだ。昨夜、新クラスについてはうまくいきそうとか言っていたが、前言撤回する可能性が出てきたかもしれない。もし、これで僕のニックネームが「カレーニキ」だとか「妖怪カレーこぼし」とか「カレーテロリスト」だとか「カレーダム」とかになったらもう中学校生活ゲームオーバーである。とりあえず、その本を一生懸命拭いてちょっと泣きそうになりながらその本の持ち主に駆けていって誠心誠意謝罪した。「この本なんだけどさ、俺の不注意でカレーこぼしちゃったんだ!本当にごめん!!、、、この『初心者用詰将棋問題集』って本?が売ってる場所を教えてくれたらそれの新しいの買ってくるから、どこに売ってるのか教えて欲しい!」すると、その少年はベタついた本を躊躇なく受け取って、パラパラとめくって「表紙はアレだけど、中は無事だから大丈夫だよ!それより君、なんて名前なの?」「え、あ、俺は秋山大志って言います!」「へぇ、アキヤマタイシ君ね。俺はハラヤマサナト。よろしく!」「えっと、漢字は?」「あぁ、原に山に真を知るで原山真知!」彼は典型的な爽やか好青年だった。もっとも、あっさり許してくれたから色眼鏡がかかっているかもしれないが。「・・・詰将棋って将棋で合ってる?真知君は将棋が好きなの?」「まぁ大体合ってるね。将棋のミニゲーム的なやつで、指定された手数で相手の王様を倒すゲームだよ。ちなみに倒すまでの手は全部王手じゃなきゃいけないんだよ!」「へ、へぇ〜」何が何だかさっぱりだった。一応、将棋のルールは知っている。自分の7種類の"駒"っていうアイテムを使って相手の王将(玉将)っていう駒を倒すゲームだ。(つまり、全部で8種類の駒がある)それぞれの駒は行けるマスが異なる。その組み合わせで色々工夫する。そして、次の(ターン)で王将がとれる状態を王手というのだが、、。それでも真知の説明はよくわからなかった。「あ、面白そうだね」「でしょ!?そこでなんだけどさ、今日から始まる部活動体験、将棋部行ってみない??」え?待て待て待て、将棋部!?全く考えてもない部活だった。しかし、カレー事件を許してもらった以上断るわけにもいかない。まぁ、どうせ1,2回だろうし、文化部のどこかに入ろうとしてたし、なんか仲良くなれそうだし、いくか。「わかった。じゃあ、一緒に行こう。」「ほんと!?やったぁ!!」その瞬間、彼は目を輝かせて言った。そして、僕はこの時なぜか、今年は早々に散っている桜の花の匂いがした。僕の耳元を心地よい風が通ったような気がした。

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