【エピローグ】
【エピローグ〜ルシアンの場合〜】
最近――
ロクシーがおかしい。
ルチアーノを顎で使い、自分の仕事の合間に私に会いに来ては、長々と『何か無理』という、彼女曰く、女性特有の感情について私に説明してくるのだ。
私はロクシーの最初の説明で、内容を理解した。
外見が良く、性格も良い、財力もあるとしても、どうしても受け入れられない男性――それが『何か無理』。
男性も『何か無理な女』などと言っているらしいが、圧倒的に女性に多いとロクシーは言う。
だが、私が「理解した」と答える度に、ロクシーは「だから、そういうところだよ!」と怒る。
――意味が分からない。
【エピローグ〜ルチアーノの場合〜】
悲しみ……。
例え、どんな高級香料でも癒せない……俺様の繊細なハートを覆う、悲しみ。
それは――アンジュちゃんの為に作った香水を、渡せなかったこと……!!
ズッ友ルシアンと、そのズッ友の初恋の相手に惚れられてしまった俺様の魅力……。
その罪深さ……。
だけどズッ友を裏切れない俺様の尊さと、アンジュちゃんの純粋な美を詰め込んだリリカルな香水が……放置されているのだ!!
ルシアンのクローゼットにッ……!!
しかも、ロクシーに取り上げられた!
ロクシーめ……!!あの美しい箱の駄目出しから始めたんだ!
「この……桃色?おじさんの情念が詰まっててキモいよ?」
うるせーーー!!
その桃色こそ、あのアンジュちゃんのマシュマロ肌だろ!?
砂漠で凍えてたアンジュちゃんのお肌なの!!
だが、俺様って心が広いからさ……ロクシーに見せてやったさ……香水の瓶をな……!!
クリスタルとダイヤモンド、24金で飾られた完璧な香水瓶!
だが……ロクシーのヤツ!!
「下品だし、ゴテゴテしすぎ!
若い女の子の気を引きたい一心で引く!
おじさんに貰って一番困るやつ!」
な、何で!?何でですか!?
俺様、どこか間違ってます!?
このキラキラこそがアンジュちゃんそのものですよ!?
そして――いよいよ香水の名前を披露した時だった。
「……『エターナル・リリカル・ブレス―尊み1000%♡―』……!?
やば……!プリントシールでも書き込みしないレベルじゃん。
エレベーターで隣に乗ったら即死案件」
ぎゃああああッ!!
俺様のリリカルがギャル文化で切られたッ!!
――そして、とどめにロクシーが。
「どうせ中身だってクサいんでしょ?
迷惑香水で警察沙汰になるやつ!」
ぐわああああああッ!!
俺様の尊さが治安維持の対象にッ!?
しかもロクシーはバッグからドーンと取り出した。
――イレイナ特製・悪魔撃退バズーカ。
「これ以上リリカルぶつけてきたら……撃つよ?」
ぎゃああああああああッ!?!?
俺様のリリカル、物理的に消されるッ!?!?
……仕方なく、ルシアンのクローゼットに置いたよね。
ロクシー監視の元……。
だが尊い俺様、諦めない。
改善案を提示するッ!!
『デザートは干し草の上で―わがままボディの手招き、カラトリーはフォーク一択―』
すると、すかさずロクシーが…!!
「それ、キャバクラの新メニューか何か!?
女の子ドン引きするヤツだから!!」
ぐわあああッ!!
俺様の新作リリカルも切り捨てられた……!?
そして――ロクシーは、去り際にこう言ったのだ。
「今はラウンジ嬢の時代だよ♪」
………………。
俺様は置き去りにされた。
ラウンジ嬢の時代って何!?俺様、ついていけない……!!
だけど……!
俺様は夢見ているんだ……。
いつかアンジュちゃんに跪いてさ……このリリカルな香水を手渡す日を❤️
【エピローグ〜ガブリエルの場合〜】
天界に戻った私は順風満帆!
大天使ガブリエルとしてバリバリ活躍していた。
だが、ある日。
話したことも無い…天使になりたての下級天使が、私を見つめているのを察知した。
即、考えを把握する。
――何と言うことだ!!
私の器の『アンジュ』が、ヴェネツィアで謎の彼氏と一緒に逃避行していることになっているでは無いか…!!
それは良い。
天使の器となった人間の行く末は、大天使ガブリエル、私の関知しないところ…。
それは大天使の案件では無い。
だが…!!
その『彼氏』がルシアンなのが……嫌だっ!
どーしてもイヤッ!!
ハッ……!!
これがロクシーという人間の言っていた『何か無理』なのか!?
……分かる〜!!
だから――
私は『アンジュ』の分身を地上に置いた。
『アンジュ』は私の器。
つまり敬虔なクリスチャン。
その分身を作るのは罪では無い。
そして……SNSを習得し、モロッコのシェフシャウエンでSNS映えすると有名な青い街をバックに、新たな衣一枚で写真を撮り――
『高校生の頃からランウェイを歩いてきた私…。
そしてちょっぴり発育が強くて、ランジェリーモデルの第一線を走ってきて…ちょっと心が疲れちゃったみたい❤️
心配させてごめんね。
リフレッシュ出来たから、これからアメリカに帰ります。
私はいつもここにいるよ❤️
因みにヴェネツィアの男は、私のボディーガードよ!無能だから即クビにしちゃった❤️』
と、載せた。
完璧過ぎる私が怖い……!!
って――次の報告はルシアンかい……ッ!!
だが一方、アンジュのSNSではコメントが殺到していた。
「アンジュちゃん!復活報告ありがとーー❤️」
「派手過ぎボディガードざまぁ!!」
「映え神レベルwww」
「やっぱりアンジュ様は永遠の憧れ✨」
「でもヴェネツィア男マジ無能すぎワロタ」
――神よ。
なぜ報告するのはルシアンで、賞賛を受けるのは私の器なのですか……!?
〜fin〜
ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)
これにて本当に完結です☆
応援ありがとうございました!!
文芸コンテストの連載「エイプリルフールには太陽と青い海を」か終わりましたら、また爆笑外伝の書き下ろし連載を始めますので、よろしくお願いしますm(_ _)m
タイトルは「大天使たち、日本昔話に異世界転生する。〜初恋成就作戦を決行するポンコツ地獄の王に振り回されています〜」です(^^)
Xはこちら → https://x.com/himari61290
自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪
\外伝の元ネタはこちら✨/
『最強捜査官』本編 → https://ncode.syosetu.com/n2892lb/




