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【完結】大天使ガブリエル、地上に爆誕!〜神の命がふんわりすぎて、祈ろうとしたら迷子になりました〜  作者: 久茉莉himari


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8/9

【8】大天使、IC 1101を背負い「良くやった」で天界へGO!

ロクシーがアンジュの家で、対ルシアン用の作戦を完璧に練り終えた。

あとは――いつものようにルチアーノが「新たなゲーム」を持ち込むのを待つだけ。


……なのに。


なぜかルチアーノからの誘いは、ぴたりと途絶えた。


三日が過ぎ――

流石に不思議に思ったロクシーが、仕事回線用の番号へ電話を掛けるとワン切り。


直後に届いたのは、怒りのメッセージ。


「俺様は忙しいんだ!今度電話してきたら手数料取るからな!!」


ロクシーとアンジュ=ガブリエルは顔を見合わせる。

だがガブリエルの心は、思いのほか安堵に満ちていた。


ルチアーノという悪魔の“試し”がなければ、ルシアンは決して自分から来ない。

あのクソ真面目天使は、きっとどこかで聖なる祈りを捧げているはず――。


やった……!

神の新たなる儀式を……そして悪魔の試しも……私はすべて遂行した!

ハレルヤ!

大天使ガブリエルの名に恥じぬ尊き使命、ここに完了!!


――だが。


「……ならば、なぜ天界に帰れない!?」


一転して青ざめ、次の瞬間には赤面し、天を仰ぐ。


おお……! 私はいま、七つの大罪“傲慢”を犯してしまったのか!?

神よ……どうかお許しを!まだ続くのですね、新たな儀式が……!

この私、大天使ガブリエルにお任せ下さい……!!


そんな彼女の慌ただしい顔色の変化を見て、ロクシーは気持ちを固めた。


やっぱり……!

アンジュさんは本気でルシアンが『何か無理』なんだ!!





――そして運命の日。


ガブリエルは、いつ神の儀式が訪れてもいいように、恩寵を隠しつつ、毎日アンジュのクローゼットから衣を選び、備えていた。


夕暮れのハリウッド邸宅に、それは唐突に現れる。


毒々しい赤の彼岸花の花束を抱え、金のリボンできっちりラッピング。

ルチアーノが、満面のリリカル笑顔で立っていた。


やはり……!神のご意思は大天使ガブリエルをも超える……!

まさか再びルチアーノが……!これぞ神の深遠なる采配……!


感極まるガブリエルに、ルチアーノが声を張り上げる。


「おっ、俺様はぁぁ……!!

ズッ友ルシアンの初恋を横取りするような下劣な心は持っていない……!!

だが! 俺様を突き動かすリリカルは止められないッ!!

だからアンジュちゃんのために作った新作香水を――」


「そこまでよ、ルチアーノ!」


天井からひょこっと顔を出したロクシー。

手に握るは、イレイナ特製のバズーカ級悪魔撃退スプレー。


「ロ、ロクシー!? お前何して――」


「油断させて、また不毛なゲームに付き合わせるつもりでしょ!? しかもルシアン込みで!!」


「ち、違う! えっと、俺様のリリカルが……で、ルシアンはズッ友だから……!あのー…そのー… ご理解を……!」


「国会答弁みたいな言い訳で、私が騙されると思う!?

3秒以内に立ち去らないと――噴射するわよ。3、2――」


「な、なんか知らんけど、ごめーーん!!」


ルチアーノ、退散。


「アンジュさん!? 大丈夫!?」と振り向いたロクシーの目の前で――

ガブリエルの姿までもが、掻き消えていた。





その頃――。


ルシアンは北極圏のラングセス海嶺から、オーストラリア・シャーク湾へと祈りを繋ぎ、ようやくヴェネツィアへ戻っていた。

過酷な環境のせいで、愛用の柄on柄スーツがまたも修復困難となったのだ。


クローゼットを開けると、白い小箱の隣に、同じ大きさの桃色の箱。

無表情で一瞥し、彼は一番右端のスーツへと手をかざす。


その瞬間――神々しい光が恩寵を横切った。


これは……ガブリエル様の恩寵!

ガブリエル様が天へと帰還された証……!

ああガブリエル様……地上での使命を終えられたのですね……!


ルシアンは深く祈りを捧げ、光に身を委ねた。





――そして。


ガブリエルは、気づけば神の玉座の前に立っていた。

器の姿のまま――。

大天使といえど、器を抜けるのは神のみ。


厳かな声が響く。


「ガブリエルよ、よくやった。」


感動に震えるガブリエル。

煌びやかなランジェリーも、ピンヒールも、いまや恩寵の光に意味を失う。

翼が眩く輝き、全身を包む。


「恐れ多きお言葉……!私は大天使としての務めを果たしたまでのこと……!」


神はすべてを知っている。

ガブリエルが勝手に“儀式”と勘違いした数々のゲームも、ルチアーノの暴走も、ルシアンの真面目さも――すべて。


そう。神が告げたかったのは、ただひとつ。


「ガブリエルの器が見つかった」という事実だけ。


ガブリエルの苦難の多くは、己の尊き勘違いから生まれたもの。

だが神の御心は IC 1101――直径約五百万から六百万光年の銀河系よりも広く――優しく――大きい。


だからこそ最後に、一言だけ。


「ガブリエルよ、よくやった。」


光に包まれ、大天使は深く一礼した。





〜fin〜

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

これにて完結です☆

応援ありがとうございましたm(_ _)m

お礼に次ページに【エピローグ】を書かせて頂きました。読んでみて下さい!


Xはこちら → https://x.com/himari61290

自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪


\外伝の元ネタはこちら✨/

『最強捜査官』本編 → https://ncode.syosetu.com/n2892lb/

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