表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/29

9/100 兄

 私には兄がいる。

 今まで話したことがない事からわかる通り仲良くはない、かと言って仲が悪い事もない至って普通の兄弟だ。仲が悪い時期もあったし仲が良い時期もあった。そこそこ恨んでいることもあれば感謝していることもある。

 なぜこんな話を急にした方言うと理由は単純で兄から連絡があったからだった。


「元気か?」

 兄から送られて来たのはそれだけだった。兄というのは不思議で本当に追い込まれた時はいつも連絡があった。それが家族というものだろうか。

「普通だよ。どうして?」

「いやなんとなく。今度飲みにでも行くか?」

「家まで遠いでしょ」

「今度そっちの方がいく用事があるんだよ。」

「わかった。いつ来るの?」

「明日」

 正直私の中でも家族のことは心に引っかかるものがあった。家族には寿命の事を伝えた方がいいと思ってはいる。しかしどう伝えたらいいものか全く想像がつかなかった。柄にもなく兄に相談するのもいいかもしれない。


 私の家族で特筆すべき事はないだろう。母と父と兄の4人家族。祖父母はもういないが仲が悪いという事はなかった。富豪からみたら貧乏人に貧乏人からみたら裕福に見える家庭だ。

 そんな普通な家族だからこそ寿命などという突飛な事をどう伝えたらいいかわからないでいた。

 その日の夜遅く私は母に突然メールを送ることにした。

「今度家行っていい」

 明日には返事が来るだろう。眠れない夜からしたらやけに長いかもしれないが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ