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25/100 説教
「なにしているんだ!」
怒鳴られて思わず振り返るとそこには上司の姿があった。
「お久しぶりです。」
きっちりと挨拶をするつもりがふわふわとした足取りになってしまった。
「何があったんあったんだ!」
「なにもないですよ」
「何もないわけないだろ。仕事もやめるようなやつじゃないだろ。」
「そうですかね」
「そうだろ。あんなにやる気あっただろ」
「そうですかね?」
「おまえどうしたいんだ?」
「どうしたいってなんですか」
「このままでいいわけないだろ」
「なんでですか?」
いつの間にか私の口から言葉が出ていた。
「本気で言っているのか?」
「本気ですよ。」
「じゃあ聞くがお前はどうしたいんだ。」
「わからないんですよ。だから苦しんでいるんです。」
「そうやって10年も20年も生きていくのか」
「そんな長く生きないですよ。」
「なんだ、答えになってないだろ」
その言葉で一瞬で頭に血が上った。
「もう何日も生きれないんですよ。私は」
「は?なんだ」
「そう決まったんですよ。この憤りが分かりますか。」
「意味が解らん」
「わからないのは私ですよ!」
「なんだ。本当にどうした?」
上司は慌てている素振りを見せ始めた。
「そんな覚悟ではなしかけないでください!」
私はそういうと唖然としている上司を置いて歩き始めた。
なぜか自然と足は自宅へと向かっていた。




