12/100 運命
久々に家に帰らない日を過ごした。
運命なんてものを信じなくなってから久しい。
しかし寿命の件から運命を信じるようになってきた。そして昨日の恋人の発言から運命を深く信じるようになった。昨日私は恋人から様々な話を聞いた。私が100日後に死ぬと宣言されたが宣言はなにも100日だけとは限らないらしい。最短だと2日後。最長だと10000日後なんていう事もあるらしい。
死因に関しても様々あるらしい。突発的にぽっくり死ぬことから事故死や自殺まで幅広い。
しかし、死亡日をずらすことだけは出来なかったらしい。
いままで世界で一人と思いふさぎ込んでいた気持ちがすこしはましになった。
「おはよう」
振り返ると恋人がいた。大きな共通点を見つけて私は相手との距離が急に縮まっていた。私がこんなにも単純な人間だとは思ってもいなかった。
「昨日言い忘れてたんだけど、私達みたいな存在のコミュニティがあるんだけど」
「コミュニティ?」
「うん。結構前にこういうネット関係に詳しい人がいて専用のページを作ってくれたんだ。
同じ境遇の人を見つけたらURLとパスワードを教えているんだ。」
「そんなことまでやっているんだ。」
「働きたい人は働き口まで見つけてくれるから。」
「そんなことまで。」
「寿命が決まるとやりたいことに向かって全力の人って多いから」
自分と比べると恥ずかしい。私はいまだにやりたいことさえ見つかっていない。
「ほとんどが自分を卑下して何もできなくなる人だけど」
フォローにならないようなフォローだった。
「URLとパスワード送っておくね」
「ありがとう」
すぐにそれらは送られてきた。家に帰ったらゆっくり調べてみよう。
いままでより名残惜しく恋人と別れを告げて帰路に就いた。
昨日はほとんど眠れていない。頭がガンガンとするのを感じながら今までよりは希望を持っている自分を感じた。




