◆第八話 ④ ◆
この話、もうちょっと推敲してから投稿するつもりだったのに、うっかりそのまま投稿してしまいました……。
というわけで、本日 第八話③ と第八話④を連続投稿しております。ごめんなさい。
神に祈るように、両手を組んで。その手に力を込めながら、ルビアはセイを見る。
「お側に、置いていただけますか? わたし……」
そのルビアの言葉を遮るように、セイが声を上げた。
「ま、待て待て待て待て、その先はまずオレに先に言わせてっ! オレ、ルビアがすっげえ可愛いと思うっ! 思うっていうか可愛い。だから、ルビアが良いなら、オレでいいなら……その……あー、あれだその……」
はくはくと、口は動くけれど、その後を続けられないセイの背中を、コウがぺちっと叩く。
「あー、情けない。好きならさっさと言いなさいよ」
「お、お前っ! 先に好きとか言うなよっ!」
「だいたいルビアのこと何とも思っていないなら、あたしの山に連れてこないで、最初の地点で放り出して、死んでもどうなろうとも無関係ーって放置でしょ。ここまで連れてきているのに何をもぞもぞしているのか。きしょくわるい」
「赤いのっ! お前っ!」
「はーいはい。ルビアを口説くのに、あたしが邪魔なら去るわよー。じゃあ、ヘタレなお兄様。頑張ってルビアを口説きなさいな~」
笑いながら、コウは小竜たちを引き連れて去って行った。
この場に残されたのはセイとルビアの二人きり。
セイは「あー……」と小さく呟いて、自分の頭を掻いた。そして、意を決したように、その手をルビアに伸ばした。
「その、なんだ……」
組んだままのルビアの両手を、解すようにして、セイは握った。
「オレの、ヨメっていうか番になって、オレの子を産んでくれねえかな……?」
自信なさげな、その声に、ルビアは思わず笑ってしまった。
傍に居たいと思うルビアの気持ち。
(この気持ちが……恋というものなのかしら? わからないけれど。占いで決められた未来ではなく、わたしが自分で選んでいいのなら……)
「わたし、セイ様の側で、生きていきたいです……。わたし、セイ様が……好き、なんだと思います」
誰かに連れて行ってほしかった、幸せの、場所。
そこに、ルビアはもう、たどり着くことができたのだと、そう思った。
「ルビア……」
セイが、握っていたルビアの手を引いて、抱き寄せようと、した。
その時。
「≪明かりもない暗い道を、一人、歩いていく勇気はあるかね……?≫」
ルビアの耳に、妖精の女王の声が、聞こえた。
「え……?」
慌てて、きょろきょろとルビアは辺りを見回した。
「≪お前は「一人では、怖いと、誰かに、手を引いて、貰えるのなら」と言ったね。その誰かに、青い竜を選んだ。では、行くがいい……≫」
「え……?」
強い風が吹いた。
何もかもを吹き飛ばすような嵐。そんな風が。
そしてその風は、ルビアの身体に纏いつき……、そして、ルビアを飛ばした。
「ルビア…っ⁉」
セイの声が、谷間に響く。
けれど、それに答えるルビアの声はなく、また、姿もセイの前から消えていた。
次回、第九話 慟哭
よろしくお願いいたしますm(__)m




