終章「シスターパワー」
一郎は「蝶の夢」に運び込まれ、最重要VIPルームのキングサイズベッドに寝かされている。
深夜過ぎ、メイド服の三人娘が一郎の寝室に入ってくる。一郎は熟睡…を通り越して昏睡している。
「時間があまりありませんわ。テキパキやりましょう」
シャルが主導して、三人は一郎の服を脱がせる。下着も取り去る。
「うわ…おっきいですね」
ビビが率直な感想を述べる。
「そうか? あたしはパパや兄貴たちのをよく見てたけど、そんなに、とは」
ジャズは首をかしげる。
「二人とも、乙女とはほど遠い発言はお控えなさい」
シャルが叱りつける。
三人娘はメイド服を脱ぐ。ブラもショーツも全部脱いで、一糸まとわぬ全裸になる。
ダンスで鍛えた引き締まったスタイルのジャズ。その肌は黒檀のように黒い。
ビビは大柄で、たわわな胸としっかりとした腰が、未来の「母」を予感させている。
シャルは…金髪ロリとしか論評のしようがない。
「もうちょっと、丁寧にコメントしなさいよ! せめて『貧乳はステイタスだ』とかなんとか」
シャルがナレーションに突っ込む。
三人娘は、ベッドに入り、一郎に添い寝する。
ジャズが一郎の正面から覆い被さり、漆黒の肌を密着させる。一郎の両腕をバンザイさせ、シャルは左、ビビは右から、それぞれ横抱きに一郎と肌を合わせる。さらに両脚で一郎の身体を挟み込む。
「素肌と素肌をぴったりと合わせて、ブラザー一郎の身体に、あたしたちシスターのパワーを直接注ぎ込むんだ」とジャズ。
「ジャパンの偉大な民俗学者、ドクトル・クニオ・ヤナギタ論ずるところの『妹の力』ですのよ」
シャルが解説する。
「一郎の身体、温かい。わたし、このまま一郎と『はじめて』でもいいかも」
「だから、そういうんじゃないのですのよ! ビビ」
「みんな、行くよ。シスターパワー注入開始!」
三人娘の身体が、ぼんやりとバラ色の光を放つ。やがて、一郎も含めて、柔らかいバラ色の光が四人の身体全体を包み込む。
夜明け前、一郎は、なおも熟睡し続けているが、その顔には生気が戻っている。三人娘はすでに退出している。ベッドのそばには、グラン・ママが座っている。
「アクアの魔導書は取り戻した。地下図書館へ収めたから、焚書隊にも手は出せない。ありがとう。イチロウ。地下図書委員会を代表して感謝する。それにしても、あんたは女性に対して相当に不器用なようだねえ。お礼に『カーマ・スートラの福音』を授けよう。日本に帰った後、『妻』に出会ったら…」
そして物語は続く。「新妻あばれ旅」の「終章・愛の嵐」へと。
<劇終>




