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8.お父様のお話

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします(>_<)ゞ

遂に今日は待ちに待った魔力測定の儀式日!神殿に行くに当たってルーナは公爵令嬢なので着飾っている真っ最中だ。ちなみに、同い年のレイトとルイスも今着替えているらしい。


コンコン


「どうぞ」

「姉さん、準備でき……っ!!」

「どうしたのレイト?準備できたけど」

「ちょっと待って、脳内処理中だから!」


途中で止まった言葉に不思議になりながらレイトの側まで行くと謎の言葉を言われた。


脳内処理中……?

何を?


ちょっと私には分からないけどまぁそっとしておいたほうがいいのかな?何だか顔を覆って悶えているし。


そう思って部屋を出ようとした所でレイトに手首を捕まれた。


「姉さん、置いてかないでよ」

「ごめんね、そっとしておいてほしいかなって思ったんだけど…。」


するとレイトは何とも言えない顔をした。

レイトはこの1年で少し身長が伸びた。顔立ちも少し大人っぽくなった気がする。

今日は青の礼服をきっちりと着こなしている。髪型も整えていていつもの可愛さが少なくクールな印象を与えていた。

まだ内側は子供要素が沢山あるけど、はたから見ればもう大人のような感じがすると思う。


「レイト、格好いいね」

「…ッ!!僕が先に言いたかったのに。姉さんは可愛いよ」

「ありがとう」

「変な虫が付かないようにしないと……!」

「えっ?何ていった…」

「何でもない!」


小さくて聞き取れなかったからもう一度言って貰おうと思ったけどかぶせぎみで言われちゃった。


「そうだ!公爵が呼んでたよ」

「お父様が!?」


何故それを早く言ってくれない!?早くいかなくちゃ!


「レイト行こう!どこにいるの?」

「執務室」


執務室にいるの?お仕事なさっているのかな…。でも、もう出発の時間なのに。


とにかく急がなくてはならないので歩きながらレイトの話しを聞くことにした。アンナは後ろからついてくれていた。


「レイト、ルイスはまだなの?」

「執務室にいるよ。僕とルイスは姉さんより先に呼ばれてたんだ。」

「そうだったのね!何か話したの?」

「いや…」


そうだったんだ…。もしかして私の支度が遅かったの!?着飾って貰って化粧してたら想像より時間がかかっていたのかもしれない。悪い事をしてしまった!


内心謝りながら長い廊下を歩き、お父様の執務室までやってきた。他の部屋とは違う重厚な造りの扉をレイトがノックする。


すぐに、入るよう声が聞こえた。

レイトがドアを開けるとソファに座っているお父様と目があった。向かいのソファにはルイスがいる。


「お父様!」

「ルーナ!可愛い!すごく可愛いね、うん!」


席を立ち近づいて腕を広げる父に飛び込みそうになったのを抑える。ダメよルーナ!私はもう淑女教育を終えているの、それに今お父様の腕に飛び込んだりしたら軽くとしかしていないとはいえ化粧がお父様の大切なお召し物についてしまう!


「あれ、ハグしてくれないのかい?」

「はい、お化粧がついてしまいますし…。」


シュンとあからさまになるお父様を見て一瞬、前世で隣の家の人が飼っていた柴犬を思い出した。少し笑みがこぼれてしまう。


「でも、お父様!帰ったらハグしましょうね!」

「ああ!それで本題何だがルーナ。」


お父様はルーナの言葉に嬉しい表情になったが本題を切り出した途端、表情が暗くなってしまった。お父様に席に座るよう言われお父様と向かい側の先ほどまでルイスが座っていた席に腰掛けた。レイトもその隣に座る。ルイスは後ろへと周り私の後ろで立っている。アンナはお茶を用意してくれた。


「お父様、お話とは何でしょうか」

「あぁ、実はその目の事なんだけど。」


目?あぁルーナの目の事か。

ルーナは小さい頃から前世でいうカラーコンタクトを付けている。緑の瞳だ。元の瞳は金の色をしている。


何故この色を隠す必要があるのか詳しくは聞いたことがない。ただお父様に、隠しておくよう、緑の瞳を付けておくよう言われたので何の疑問も持たず付けていた。


私は金の瞳を持った人に一度も会ったことがない。だから、何か不吉とか、珍しいから攫われて売られちゃうのかとか色々想像した。お父様に直接聞くことはなかったけど。


「君の瞳は特別なんだ。だから、今まで隠してきた。けれど今日は神殿についてから外しなさい。そして、深く帽子を被るんだ。だれにもその瞳を見られてはいけない。」

「特別…。……お父様、深くはお聞きしません。お父様にも事情があるのでしょう。けれどこれだけは答え頂きたいのです。私の瞳は…その……不吉…なのでしょうか…。」


自分の瞳が他の人とは違うことは自分でも理解している。ただ、この瞳がお父様にとって恥じになったり不吉だという理由で隠さなければいけないものだとしたら…。そう考えると怖い。


「ルーナ!誓ってそんな事はない!その瞳は特別だと言っただろう。今はまだ、その瞳を世に晒す時ではないだけだ。だから、そんな風に思わないでくれ!」


お父様は絶対に嘘をつくような人ではない。それは、ルーナ自身が分かっていること。今はただそれを信じるのみだ。


「はい、分かりました。ありがとうございます!」


ふと、前世の父を思い出した。仕事に熱心で沢山の人から尊敬されていた。勉強には口うるさかったけど今思えば全て私のためだったと思う。なんだかんだ良い父だった。


「それじゃ行こうか。私は仕事があるから先に別の馬車で行くよ。ルーナはレイトとルイスと一緒に来なさい。」

「はい、分かりました!気をつけて」

「ああ、また後で。」


一瞬レイトとルイスに視線を送ると二人は真剣な顔で頷いた。だが、ルーナは気づくことなく、にこやかに公爵に手を振っていた。




公爵が部屋を出て、ルーナ、レイト、ルイス、アンナのみが残った。ルーナ以外の3人は公爵がルーナに一体どんな話しをするのかあらかじめ聞いていた。


「姉さん、大丈夫?」   

「ええ、大丈夫。お父様が特別だと言ってくれたんだもの!それより出発しましょ!」


少し不安な表情を浮かべる3人を執務室から出し、馬車へと向かう。


内心、瞳について気にもなるけれどこの後は待ちに待った魔力測定の儀式があるのだ。遅れる訳にはいかない。


玄関に行くともう馬車は用意されていてすぐに乗ることが出来た。公爵邸から神殿までは30分ほどかかる。馬車の中で4人でおしゃべりしながら時間を過ごした。

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