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2.幼なじみの訪問

本日2つめです。

宜しくお願いします

次の日、アンナの声で目が覚めた。


「お嬢様、おはようございます!」

「おはようアンナ」


窓からは朝の日が差していて部屋をきらきらと照らしている。


「アンナ、朝食をお願い。」

「はい、もちろんですが先にお顔を洗いましょうね。」


テーブルに準備していた水の入った桶とタオルをベッド側のテーブルに移動させてくれる。

顔を水で洗うと目がぱっちりと開き、すっきりした。


「そういえばお嬢様、今日は治癒師様が到着すると朝、文が届いたそうです!何でも来る途中で事故に遭ったらしく到着が遅れてしまったんだとか。」

「治癒師様が来るの!?とってもお金がかかるのに!?」

「公爵様はこんなの安いって言ってすぐにお呼びになっていましたよ。」


『治癒師』

この国の上位階級に位置する人々で魔法の中でも極まれにしか持っている人が生まれないという『治癒』を使える人達の事だ。この国には三人しかおらず、そのうち二人は高齢者で城から出られないという。そんな重要な人を私のこれだけの怪我で呼んでしまったかと思うととても申し訳なく思う。

お父様、親馬鹿なのでは…………?


「アンナ、治癒師様が来るなら髪を整えて!」

「……誰も気にしないと思いますが。」

「私が気にするの!」

「…クス……はい、分かりました!」


クスクスと笑われてしまったがアンナだから許す。可愛い、眼鏡最高!


「おはようお嬢」

「おはようルイス」


アンナと楽しくお喋りしている内にルイスが朝食の準備をしてくれていたらしく、ワゴン車を押しながら部屋に入って来た。


「キッチンのおっちゃんがお嬢は寝過ぎだから固形はもう少し先だってさ。」


キッチンのおっちゃんとはトマスさんの事だろう。トマスさんは優しく朗らかで素敵な人。私が生まれる前から公爵家に仕えているシェフのベテランさんだ。


テーブルに置かれた品を見て思わずわぁと言ってしまった。


「カボチャスープね!」


カボチャスープは私の大好物だ。昔からトマスさんに作って貰うカボチャスープが大好きでよくキッチンへお願いをしにいったものだ。


「美味しい!」


パクパクと手が進みあっという間に完食してしまった。


「量が少し足りなかったか?」

「いいえ。丁度いい量だわ。トマスさんにありがとうと伝えて。」

「ああ。伝えておく。」


余り食欲大勢ではない私に丁度いい量でお腹も満たされた。




皿が下げられたところでレイトが部屋を訪ねて来た。


「姉さん、体調はどう?」

「ええ、昨日よりだいぶよくなったわ。」

「良かったぁ。」


レイトはずっと気にしていたようだ。大丈夫だと伝えると可愛いらしい笑顔になった。


実はレイトと私は本当の兄弟ではない。


その話をするためにはまずこの世界の話しをしないといけない。この世界は日本と違い、男女比率に大きな偏りがある。圧倒的に女性が少ないのだ。だいたいの比率は7:3で女性が少ない事で子どもが年々減少している事が世界においての問題点である。この国では、その問題に対して一妻多夫制を取っている。つまり、レイトとは、父違いの兄弟なのだ。そして私と同じ年。私とは年の差は11ヶ月だけ。そう思うとお母様私を産んですぐにまた子どもを宿したのね…。凄い人だわ。


レイトの父は今、仕事の関係で海外へと行っている為4年前、レイトが7歳の時からレイトをこの家に預けている。4年の月日というのは想像以上に長く私達の距離は本当に近くなっていた。


「姉さん、何か必要な物はある?僕が準備するよ。」

「必要な物……特に無いわね。」


するとレイトがあからさまにシュンとするので困ってしまう。可愛い…


「そうね、じゃあ一緒にカードゲームしない?私ベッドから出れなくて退屈してたの。アンナとルイスも一緒にね!」

「分かった!ルイス、カードゲーム取ってきて!」

「はい、坊ちゃん」


アンナも近くに椅子を持ってきて準備する。ルイスはカードゲームを取りに部屋を出て行った。


「レイト、座って。」


ベッドをポンポンと叩くとへへへと照れながらも座った。カードが来るまでお喋りしているとふと思った。


レイトってイケメンなのでは!?


本当にふと、だ。前世の記憶を思い出し、この世界の人を見るとみんなかっこいいし、可愛いと思う。アンナはもちろん可愛いし、ルイスも凄くイケメンだ。でもレイトはその中でも頭抜けている。さらさらな金髪に透き通ったような空色の瞳。すべすべでもちもちの肌触りの良いお肌に整った顔のパーツの配置、体は剣を習っているので引き締まっている。


弟、最強だっ!


まだ、11歳にして強すぎる!はあああっ、かっこよ


「あのう、お嬢。」

「どうしたのルイス?」


カードを取りに行ったはずのルイスが扉の外から顔だけ覗かせている。


「テスターが来てます。」

「えっ、テスターが!?通して良いわよ」

「ルーナ!」


入って来るの早っ


テスターは私とレイトの幼なじみだ。焦げ茶色のくせっ毛な髪で翠の瞳をしている。年は同じで私が8歳の時、お茶会で知り合ってから3日に1回ほどのペースで訪ねて来ていた。


「ルーナ!怪我したって聞いたぞ!大丈夫なのか!?」

「見ての通りよ。それほど大変な怪我ではないわ。それに今日、治癒師様が来て下さるそうだわ。」

「治癒師様が来るなら安心だな。でも、これからは気をつけろよ!」

「ええ。心配かけてごめんなさい。」


満足そうに微笑むと私の頭を撫でた。昔からテスターは満足すると相手の頭を撫でる癖がある。


「はい。この話は終了ね。カードゲームしよう、姉さん。」


パシッと私の頭を撫でるテスターの腕を振り払い、にっこりと黒い笑顔をしたレイトが言った。


「分かったわ。」

「カードゲームすんのか!俺も混ぜて!」


はぁ、と心底嫌そうな顔をしたレイトはルイスからカードを受け取ると仕方なくと言った感じでテスターも混ぜてカードを配り出した。

読んでいただきありがとうございます!

次も宜しくお願いします(>_<)ゞ

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