罪とマヨネーズ
悲しみの色は、マヨネーズ色だった。
少し、黄色味がかった白。
閉じたまぶたに、満遍なく広がりゆく。
あなたがいなくなった。
交通事故というものは、悲惨だ。
どんな幸せも、一瞬で破壊する。
涙のしずくのような容器に入ったものを、チュウチュウと吸うあなたの光景が、頭に浮かぶ。
笑顔のあなたしか、頭には浮かばない。
あの日、素直にお願いを聞いていれば、死なずに済んだかもしれない。
いつもは、頼まれれば車で送っていた。
でもその時は、悩みで脳がパンパンになり、それどころではなかった。
法律において、僕は罪に問われない。
だが、個人的には罪だ。
あまり得意ではない、久し振りに見たマヨネーズを、容器ごと口に運ぶ。
吸うと、とても酸っぱい味がした。