植物族魔族①
「次に申し上げます策ですが、植物族魔族の方々に、協力を願いたいと思います。」
「まずは、皆様に【森】をイメージしていただきたいと思います。」
「前世において、森の端の木が攻撃を受けて枯れた、又は伐採された時、他の木も同じように攻撃されても、先の木より時間がかかる、又は反撃を受ける事があるようです。」
「つまり、木は受けた攻撃の情報を、正確に、他の木に伝えることが出来るらしいです。」
「しかも、記録によると、荒野にて、数百メートル離れても、送信できたようです。」
「………それが植物族魔族でも出来たなら、人族の領土に有る植物から情報を得ることができる。」
「他にも、防衛戦で役に立つな。
植物族魔族女王よ、どうだ?」
「………解りません。」
「私達の成り立ちは、人族に絶滅させられないように、根を使わずに生活出来るのと、逃亡できる体を願った結果です。」
「ですので、根を地面に埋めるのは、1日のうち数時間だけですので、解らないです。」
「なら、それも検証だな。」
「はい。」
「それともう1つ、検証して頂きたいものがあります。」
「前世において、魔力は有りませんでしたが、不思議な現象を起こす力は有りました。」
「それは、【電力】です。
皆様に解りやすく言いますと、雷、でしょうか。」
「そして、前世で【電力】と一番相性が良かったのが、植物でした。」
「そして、ここからは私の推測になるのですが、」
「電力は、生物が生きていくのに必要な力で、大気中にも漂っている力です。」
「そして、それは魔力も似ています。」
「なので私は、魔力も電力も、源は同じ力じゃないかと思います。」
「………もし、そうなら、我よりも強くなるかもな。」
植物族魔族女王がこちらをキッと睨み付いた後に、跪いて、
「魔皇様、我ら植物族魔族は、魔皇様に多大なる恩が有ります。
その恩に背くようものなど、決して存在しません。」
「お前らの忠義を疑ったこたなど、一度も無い。
だから、心配せずともよい。」
「はっ、ありがとうございます。
これからも、誠心誠意、お仕えします。」
「我ら一同も、同じ気持ちにございます。」
「皆の気持ち、しかと受け取った。」
「ははぁ。」
「それで、策はこれで終わりか?」