謁見 菌
魔皇城謁見の間、玉座に魔皇様がお掛けになり、俺を除く地/海/空/不定の四天王、合計15名の魔王を侍らせる中、俺は入口付近にて跪いていた。 俺の能力、菌を警戒されて。
「よくぞ来たな、二代目菌王候補、転生者チューズローハ。」
「はっ。」
「それで、貴様を呼んだ理由、解っているだろうな。」
「はっ。 勇者に対抗でき、人族に打撃を与えられる策を、いくつかの御用意させていただきました。」
「ふむ。 早速、申してみよ。」
「ははっ。」
「それでは、初めとしまして、我ら菌族の力を用いた策を申し上げます。」
「前世の世界において、物は違えど、ほぼ全ての人類が摂取した食品があります。」
「それは、菌によって創られる物です。」
「なので、作れないようにしようと思います。」
「ふむ。
ちなみに、それはなんという食品だ?」
「発酵食品です。」
「…1つ目の疑問として、先代の菌王は、世界に影響を与えるようなことはできないと言っていたが、それはどうなっているのだ?」
「前世の定義ですと、腐敗と似ていますが、人に有益な物を作る工程を、発酵と称しておりました。」
「ですので、この世界の人の定義によると思います。」
「ふむ。
我が存在していること、魔族の絶対数が激減していること、異世界から勇者を呼び出し続けている優遇措置から考えるに、この星の意志と神の意志が別であるなら、やれそうだな。」
「2つ目の疑問として、具体的な被害は?」
「1つは、保存食の大幅削減となります。」
「ふむ。 食料を減らすのは良策だな。」
「ありがとうございます。」
「もう一つの利点としまして、時間がかかると思いますが、人族を太らせたり、あらゆる病気に罹りやすくしたり、感染症になりやすくなるかと思われます。」
「それ以外にも、連鎖反応で、様々な事が起きると予想されます。」
「ふむ。 それが実際に起これば、戦争などしている暇はなくなるな。」
「二代目菌王候補チューズローハよ、今述べた内容を書面に起こし、我と各魔王と参謀に提出せよ。
正式な作戦とし、更に練り上げる。」
「ははっ。 ありがとうございます。」
「それで、他にはどんな作戦があるのだ?」
当初の予定だと、便秘にして指揮低下を狙ってました。
①スキルのおかげで、一定ラインまで、簡単に強くなれることから、スキルの無い世界に比べて、決意が揺らぎやすいと思っています。
例えば女性は、
男性以上に努力して、戦える身体作りをし、
戦場においては、敵味方に犯される危険をはらみます。
ゆえに、戦場に出るとなると、予想もつかないほどの決意を持っていたと思われます。
スキルのある世界だと、はたしてそこまで決意を持っているか、疑問です。
②便秘解消の最終手段として、掻き出すとしても、男性は尻に何か入れると、トラウマになる人が多いことも、指揮低下につながると思っています。
③口と両手足を縛って動けなくして、腹に圧をかけて噴射させる処刑を人類に見せると、性別関係なく勇者は社会的に死ぬかと思っています。
汚い話ですいません。