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サクラ姫の衣装決定

 サクラ姫がひとり衣服やグッツの通販カタログを見ているのだけれども、独り言が物凄い。


「え、これですか?」


「ちょっと待ってくださいまし。これの中は何を着ればいいのです?」


「へえ~、そうなんですか」


「そうですね、いいですね」


「あら、殿方用ですか」


「あら、もう母乳は出ませんから」


「これはこちらでも作れそうですわね」


「ああ、成る程」



 サクラ姫の独り言。

 明らかに誰かとの会話。

 まあ相手は分かっているんだけれどね。神様だよ。

 でさ、なんで俺はその会話に加われないの?

 前は俺だけが神様と会話が出来る存在だった(条件つき)のに、今はサクラ姫の方が上らしい。寝たり気絶しなくても離れていても自由にいつでも会話できるってさ。

 サクラ姫は教祖になると言ってたけれど、神と常に会話が出来るし、凄い力も持ってしまったから詐欺ではない。



 これはアリ・・・・なんだろうか。



 そして遂に教祖様の衣装が決まったのだけれども。

 これがどうみても『サクラ◯戦』

 ピンクとエンジを多く使った大正衣装。同然、スカートではなく袴。なのに草履でなく靴。頭や背中に飾りリボンを付けたりレースも取り寄せたり。手には長い杖を持ち飾りの金属の輪っかがしゃらんしゃらんとしている。そこがちょっと宗教っぽい。

 知らない人が見たら清楚で美しく気品があって神々しいのだけれど、中の人は超絶性技の鉄人。


 なんだかなあ。

 そして装備が増えたらサ◯ラ大戦ぽくなくなってきた。


 実はこの世界でサクラ姫が着ている衣装が初めての和服。


 この世界は奉行所とか、番屋とかあるけれど、建物も衣装も全てなーろっぱ風。


「ヤシチの衣装も用意しなければね」


 と言ってサクラ姫が選んだのはやはり和服で神社で小僧が着ているようなやつ。竹ぼうきとか持ったら似合いそう。

 それを予備も含めて大量に出させられた。多分、使徒が増えたら与えるのかな? 神事用の正装とか。

 この衣装の傾向って神様のお勧めに違いない。絶対に自分の好みを押し付けてるわ。



「ユキオ様」


「なんでしょう?」


「私には心と感情を操る力が有ると言いましたが、他にも力が有るのですよ」


「金色に光るとか?」

 光ったら神様っぽいね。


「違いますわ。少し披露いたしましょう。手を」


 手をと言われて迷った。

 右手? 左手?

 水平に出すの? 立てるの?


 どうでもいいやと右手を水平に出し、掌を上に向けた。

 サクラ姫はその俺の右手に自身の右手を置いた。



 柔 ら か い !



 どういうこと?

 柔らかいんだよ!

 もにゃんと柔らかくて骨の感触が全く無い!


 にこりと微笑むサクラ姫。

 一体俺の右手は、どうなってしまったのさ?


 そしてサクラ姫はゆっくり手を引っ込める。

 ああ、離れてしまう・・・・離れないで。

 不思議な快楽の後は物凄い喪失感。


 こ、これは・・



「如何です? これは私の左胸の感触ですわ」


 なんと!

 俺が触ったのは手。

 だが感触は胸。


「これは・・」


「私は感触も作れるのですよ。では次は」


「はうっ!」



 アソコか何かにくるまれた!

 だが、サクラ姫は立ったままで俺には触って居ない。

 実際、誰も俺には触って居ない。


 まずい!

 ヤバい!



 だが、今回はあっさり感触が短時間で離れた。

 これ以上続いていたらヤバかった!

 さっきは直接手で触れられていたのに今回は離れたままでこの効果。

 これは恐ろしい力。

 神様はこんな力を与えたのか!


「ユキオ様。このくらいにしておきましょう。今はまだ練習中なのです。こういうのは自信が有ったのですが、神子に『まだまだだね』と言われてしまいまして、今特訓中ですの。納得のいく出来になったら披露いたしますわ」


「ええっ!」


 いやいや、さっきのだけでも脳がぶっ飛ぶかと思ったのに、まだまだたと?

 そういや『サクラの男達』がサクラ姫と致すととんでもないことになると言っていたが、それの技術力を使ってるのか?

 更に上を目指して練習中?


 恐ろしい。

 サクラ姫が本気を出したら快楽で廃人にされてしまう!

 しかも指一本触れずに!




 なんて恐ろしい・・・・




 いや、廃人になるのは幸せかも知れない・・・・







 ああ・・・・





 後悔・・・・




 手をのせて貰った時に手を握れば良かった!

 俺のバカ!

 少し考えれば分かっただろ!


 右手をじっと見る。

 あの感触を必死に思い出す。あの柔らかい感触を。



「因みにこんなことも出来るのですよ」


 サクラ姫の声と同時に右手に別の感触。

 なんじゃこりゃ!



「モリア様(男)の胸の感触ですわ」


 いらねええええええ!

 そんな感触いらねええええええ!

 男の胸の感触なんていらねええええええ!

 記憶を上書きされたあああ!




 ー ー ー ー ー ー ー




 その日からサクラ姫の孤児院と牢巡りが始まった。

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