その時何を思ったか。
【コユキ】
ラララが神の子供を産むと言い出したので真っ先に反対した。ラララは『これは私に課せられた使命』なんて言っているが、当の神様は誰でも良いと言っているのだし。
ラララはまだ子供だ。セックスと出産を疎かに考えすぎている。後にヒールが掛けられて体は元に戻せるだろうが、問題はそういうことじゃない。愛のない相手とセックスするなんて私が許さない。ラララは神との間に愛など無いし、ユキオも愛していない。判っている。ラララは今でもトムムを愛している。死んでも尚愛している。まさか神の恩恵でトムムの復活を企んでいる? いや流石に無理だろう・・・・
サクラ姫は?
サクラ姫はこうなる前からユキオの妻になると宣言している。『マツの一族』の為ならユキオの子を成すことは良いことと言える。しかも神の子だ。だが、権力がクロマツ、いやサクラに集まりすぎないだろうか?
サクラ姫のセックスは男を虜にする。まさか神相手でも? それは無いと信じたい。でも危険だ。
だが、神が虜にならなくてもユキオはどうだろう?
それと、ユキオと結ばれたなら『サクラの男達』との関係は大丈夫だろうか?あれは微妙なパワーバランスの上に立っている。
嫌な予感がする。
ならば、私が犠牲になるしか無いのだろうか・・・・
【ラララ】
最近ユキオ様はコユキに好意を持っています。実質好意というより性欲。あの身体は完璧すぎます。
でも、コユキには泣く泣く別れた旦那と子供が居る筈だ。名前も居場所も生きてるのかどうかも教えてくれないが、教えてくれないのは却って想いの強さの証明です。ここでユキオと交れば後ろめたさでコユキは苦しむに違いない。それはだめ。
サクラ姫のことはよく分からない。
だけど、ユキオ様がサクラ姫を避けてるのはよく分かります。嫌いではないみたいだけれど、彼女に何か問題があるのかもしれない。
それと、『コユキ姉様、折角ですからサンピーしましょう』と言っていたが、サンピーとは何のことだろう?
私は贄の子。
神に差し出されるのは当然なの。
【サクラ】
凛とした究極の美貌を持つ究極の女神なコユキ姉様に男が刺さるなど許せるはずがありません! ←(コユキが子持ちなのを知らない)
いっそ、ユキオ様の中に私が入って致すなら、コユキ姉様に神の子を産んでもらうのは大賛成ですが違うようです。(そりゃそうだ)
それにコユキ姉様が神の性技の虜になってしまったら大変です。人の心はテクで奪うものではありません。←(自分のことは棚に上げている)
ラララについてはよく分かりませんが多分あれは処女ですね。
いいのでしょうか? 最初がこんな愛のないセックスで。←(これも自分のことは棚に上げている)
それと、コユキ姉様はラララを溺愛してます。姉様が反対なら私も反対です。
ここは私しか居ないのではないでしょうか。
ユキオ様とはいえども男に魅力は感じませんが、将来的にはプラスになる筈。
クロマツ、ウエアル、オーリン、タクトウの中でパワーバランスに差が出来てマズイかもしれませんが、黙っていればいいのです。三日間という短時間なのですから、その間だけ隔離環境で過ごせばバレません。私ならその物件も用意できます。出産と婚姻は一度切り離して考えればいいのです。
ああ、婚姻だけでなく出産もこの三日間、いえ決着が着くまでは全て秘密にすればいいのです。情報はあとでなんとでもできます。
【ユキオ】
現在、寝たフリ中。
ロリ巨乳処女のラララ。
スーパーモデル級のコユキ。
超絶快楽性技のサクラ。
目が覚めたら誰が俺とするのかで凄い怒鳴り合いをしてたけど、誰になるんだ? 思わず寝たフリしちまった。
でもなあ、俺はその時意識が無いんだろ? こんな酷いことはないぞ!
てか、俺の意思は無視?
神様からの追加説明によると、セックスから出産と幼少期の育児までで三日間。物凄いタイトなスケジュールだ。その最中の俺は子種と補給物資と神力の供給源として神様に道具として使われるという。
誰と致すことになるのかは判らないけれど、俺は何も感じられない見れない聞こえないから、そのあとで俺もしたい! 意識が戻った俺ともう一回して! っていうのは無しだと。
つまり、眠って気がついたら子持ちなのか俺。
色々うまい方法はないかと頭を巡らせたが、せいぜい部屋にビデオカメラをセットするくらいしか思いつかん。
そこで色々大容量カメラのカタログを漁りだしたけど、はたと気がついた。
これって、寝取られじゃない?
身体こそ自分だけど、好きな女が神様に寝取られるって事じゃない?
そこに自分は入って居ないのよ?
撮影したとして、神と好きな女のセックスをさんざん見せつけられるの?
そうなると段々苦しくなってきた。
寝取られても一番苦しくないのは?
・・・・・サクラかな。
そこまで考えて居たところで意識が遠のいた。
ーーーーーーーーー
椅子に寝て居た筈のユキオが上半身をすっと立てる。
座る姿勢がユキオっぽくない。
ラララとコユキとサクラに向かってユキオが言った。
だが、それは3人の頭の中だけに響く声。
ということはやはり言ったのはユキオでなくて神様。
『決まったかい? 聞かせてくれないか』