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遠征準備

 クロマツに遠征する前に色々しなければならない事がある。

 ラララとコユキは連れて行くわけにはいかない。当然ガガガも。

 特にコユキは村の大事な防衛力。


 まずは新居の家財道具設置。

 俺の分はともかくとして、コユキとラララのベッド寝具一式を出した。

「ベッドひとつでいいよ」

 なんてコユキが言ってたが、ラララに抱きついて寝る気だろうか?

「ラララは子供じゃ無いんだから!」

 といって、ベッドはちゃんと二つ置く。


 それから、キッチンの道具を一通り揃え、米を30kg出しおておいた。

 キッチンと言っても、かまどなんだけどね。

 米は土鍋で炊けるし、鍋も食器も出した。

 日本のようなご飯は無いが、この世界でもやや茶色いご飯はあるという。玄米?

 炊き方も似たり寄ったりだが、大丈夫だろう・・・多分。

 水も大量に出した。調味料も各種出した。ライターも数個出して説明した。

 あとはオカズをどうしたもんかと思ったが、野菜を出しておいた。肉は自分で山でとるべし!

 そして大量のご飯のふりかけと茶漬けの粉末。はて、こればっかりに頼らなければいいけど。


 そして保存がきくと言ったらお菓子。

 お菓子をラララとコユキに説明したら、片っ端から袋開けようとしやがった。

「食べる寸前まで袋破らない事!」

 と、説明した。


 これで暫くは大丈夫だろうし、村長にも頼んでおいたから餓死はしないだろう。



「じゃあ、行って来る。後は頼んだぞ」


「はい。帰るまでにもう一部屋完成させておきます」

 不思議なことを言うラララ。

「は?」

「いえ、ユキオ様の嫁がくるのでは?」

「え?」

「は?」

「あれ?」


 なんかラララの認識が変だ。

 そして嫉妬した様子がまるで無い。


「ラララ。男には嫁にしない嫁(あいじん)というものがあるのよ」

「あっ!」

 コユキの言葉に察したラララ。

 余計なこと言いました的な顔になる。

 てえか、2人とも嫉妬してくれない。

 コユキもラララも自分たちの事は正妻候補とカウントしていない。

 ひょっとして俺は一生結婚できない?


 ううむ。

 俺って愛されてないなあ(性的に)




 ーーーーーーー




「ユキオ様は子供は何人欲しいのですか?」

「ぶっ!」


 俺が到着するなりイキナリ爆弾発言をするサクラ姫。

 後ろでジャンが血の涙を流し、エチゴヤが頭を抑えて居る。


「いや、まだそうと決まった訳じゃ無いから」

「え!負けるのですか?」


「いや、勝つよ。そうじゃなくてね・・・・」

「サクラは必ずやユキオ様を満足させます!」


 ああ、ウチの留守番2人にも聞かせてやりたい。遂に俺を愛してくれる女が現れたか。しかも美人でスタイル良くてお姫様ときた。そして、先日は判らなかったがサクラ姫はかなりの天然だ。それは・・・


「サクラは自信が有ります!今までも皆様に皆満足して頂きました!」



「え?」



「自信が有ります!」



「はえ?」




「ええと、サクラ姫。ご商売か何かで・・・・」


「いえ、お母様から『男選びは間違いが許されません。必ず試用期間を設けなさい(ヤってみて)』と言われています!修行もつけてもらいました」


「ええと・・・・変わったお母様で・・・」


「ええ、お母様は『どうせ男は後で浮気するんだから』とも言ってます。実際お父様も美人局に引っかかって借金こしらえましたし」


「はは・・ははは・・・・・」


 えらい娘に当たってしまった。

 アチラのプロで、その道で特訓もしてるとか。実績も重ねてると。

 ああ、またジャンがどす黒い血の涙を流してる。なのにジャンは1度もさせてもらってないとか。


「さあ、ユキオ様。サクラは全ての穴を差し出すつもりです!なぜなら聞けば聞くほどユキオ様の強さは疑いようが有りません!先日の事件での身のこなし、エチゴヤ様のお話。ユキオ様は必ずやギルドを倒し、クロマツに平穏を取り戻してくれると確信しました!もう、サクラはユキオ様のものも同然です!」


「ええと、確認の為に聞いておきたいんだけど、サクラ姫は好きな人とかいます?」

「いえ、まったく」


「過去には?」

「全然!」


「今まで()()()した人の中で気に入った男性は?」

「いません!アレは義務、いえ、接待です!あ、でも顔は大事です!」


「サクラ姫は俺と本当は・・・」

「あ、()()楽しみにしてます!」


 なんか気分がしぼんできた。

 ギルド倒す時、ラスボスへのトドメだけジャンに刺してもらおうかな。

 ジャンが哀れだし。

 もうなんか俺のこと愛してないの丸わかりだし。



「はあ、ところでサクラ姫はおいくつ?」

「先日、16歳になりました」


 はあ、年下なのに大先輩だよ。


 そして聞きにくいことも聞いてみた。


「ギルマスのことは嫌なんだね?」

「大嫌いです。サクラはクロマツの為に尽くしてくださる方としか結ばれたくは有りません。誰でもいいわけでは有りません。今まで検討した方も()()()()の有志です」


 あれ?

 ヤリマンではなくて、あくまで政略結婚の相手として接したと。

 クロマツの為だと。


「そ、そう」

「しかし、事情を()()()話すと、殿方は最後は去ってしまいます」


 詳しく話しちゃダメだよ!

 そりゃひくわ。

 秘密にされても困るけど。


 ぽんと、エチゴヤが俺の背中をたたく。

 同情されたらしい。

 ああ、なんか疲れた。



 ー ー ー ー ー ー ー



 そしてエチゴヤとも話したが、問題はクロマツのギルドが肥大し過ぎていて、100人以上は主戦力ギルド員(正社員)が居るということ。(下っ端はもっと)そして、支部が複数あり、オーリンギルドのように一発殲滅は難しいこと。(俺は1人しか居ないし)


 そして最大の障害は、クロマツ王政がもう息をして居ないこと。

 生き残り王族は居るが、行政として機能してない。職員もちりじり。

 ギルドを倒しても治安維持や警察が機能してないから復興の見通しが立たない。




 オーリンはまだマシだったんだな。

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