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遂に来た

 気が付くと森の中。

 日本とそう変わらない木が繁る。そのなかの少し広いエリアが草原になっていて、その中心に俺は立っていた。


 無意識なのに立っている?

 無意識なら倒れてても良さそうだが、しゃんと立っているのは運が良かった。


 汚れて無いのは判ってるけど、服の汚れをパンパンと叩いて落とす。やっぱり服は綺麗だ。

 と、いうか服が違う。

 前世では、伸びたジャージだった筈だが、なんかごわっとした生地のズボン。ジーパンより硬い。ベルトは無く紐。

 ビニールサンダルは木のサンダルに変わっていた。

 上着はどんな形なんだろう?鏡がないからよく分からないが、ズボンと同じ硬い素材。


 そして、自分の手が少し大きい。



 顔を見たい!



 手が違うということは、顔も違うかも知れない!

 頭に手をやれば、床屋に行ってなくて肩近くまで伸びてたフケだらけの黒髪がもっと長い銀髪に変わってる。フケは無いしサラサラ。


 やっぱり、体が変わってる。

 とにかく鏡が見たいけれど、森の中にそんなものは無い。


 周りをみても森だけ。

 建物なんかない。





 ひょっとして?


「ステータスオープン!」


 しかし、異世界漫画でありがちなステータスウインドウは出て来ない。

 違うのか。


「鏡が欲しい・・」


 突然目の前にウインドウが開く!

 しかも、タブ形式になっていて、タブには『ヤマゾン』『モモタロウ』『ヤクオク』『メルカリン』『カスト』『検索』と、ずらっ!


 どれも見覚えがある。

 と、いうか、知ってるアレそのまんま。鏡が欲しいと思う心に自動表示されたのか。


 やはりここは異世界だ!

 そうなればやることはひとつ!


 ヤマゾンを開き鏡と検索するとずらっとリスト表示される。

 操作は頭で願うだけ。押し間違いも起きない。便利すぎる。

 未来のシステムに触れたような喜び。


 鏡のリストを漁る漁る!

 姿見から歯磨き用のちっこいやつまで様々!

 しかも、価格がどれもこれも0円!やったあタダだ!


 流石に高さ180センチの姿見鏡は処分に困るので、手鏡をポチる。数量は+1と押す。


 あれ?

 どうやって受けとるんだ?


 こういうのは配達業者が?

 いや、違う。反射的にそう思った。



 ピコーン!



 左手の親指付け根が小さく青い光を点滅してる。

 なんだ?

 ひょっとして・・・・


 右手で左手に触る。

 左手の手のひらに沈む右手。


 やはり・・・・


 どんどん潜る右手。

 右手に何かが渡される。

 それを掴み引き抜くと、手鏡が!

 手鏡の鏡部分は直径15センチはあるから左手の平より大きい。でもスルッと出た、どうなってる?

 そうか、これは漫画でよくあるアイテムボックスだ。しかも受け取りポストにもなる。光の点滅は荷物が届いた合図か。今は点滅していない。


 手鏡。

 確かにさっきポチった手鏡。しかも配達が速い!

 それにタダだ。

 そうだ、顔を見なければ!

 手鏡でドキドキしながら自分の顔を見る。



 割とイケメンじゃね?


 さっき確認できたがストレートの銀髪。やや高いおでこだがハゲではない。細い顔。通った鼻。銀の目。



 かつての自分の部品が何処にもないのは寂しいが、これだけいい顔ならむしろ有難い!


 ついでに上半身も見るが、服はやっぱり質素なやつだった。まあ、いいか。

 それより靴だ。

 木のサンダルはあり得ない。こんな物使い物になるか!


「ヤマゾン!」

 と、唱えるとヤマゾンのトップ画面。

 取り寄せるならトレッキングシューズとか長靴だよな。

 と、いうことで高級そうなトレッキングブーツを見つけてポチった。高級そうなと言ったのは、全てが0円表示だから判断がつかないから。


 ピコーン!


 左手の平親指下が点滅。

 来たか!

 鏡のときと同じように左手に右手を入れるとすぐ靴が渡される。引き出すとご立派なトレッキングブーツ!

 かっこええ!

 しかも、安全そう!


 こうなったら遠慮無しだ!

 服のデザインは気にしちゃいなかったが、ズボンの中がフルチンなのは我慢出来ない!

 だからパンツゲット!

 そういや靴には靴下!

 肌着は温度を調節してくれるやつ!

 手鏡どうしようと思ったが、左手にすぽっと入った。やはりアイテムボックスか。


「あ、剣」


 しかし、剣が検索で出て来ない。出てくるのは模擬刀とか彫刻刀ばっかり。

 くそう、日本のヤマゾンでは無理なのか。タブ変えてモモタロウで探すも剣は無い。


「あ!」


 モモタロウのまま『ナタ』で検索するとあっさり見つかった。しかも0円。

 剣とは言えないが威力がありそうな武器で満足。

 腰のホルダーも買ってこれも満足。



 そしてその時は来た。



「助けてー!」



 森に響き渡る若い女性の悲鳴。

 何処かで女性が助けを求めてる!

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