内職
翌朝、簡単な食事を済ます。
鍋だけど。
だって、リクエスト求めると、
「鍋!」
って、コユキが言うから・・・・
まあ、利点もあるんだよな。土鍋が後で現金化できるし、鍋料理は遠目には目立たないし。
さて、今日もラララは森に芋掘りに行くと。
実際は他にもなんかあれば取ってくるんだろうけど。
それにコユキが同行することになった。
ラララが一人で何かに襲われないか心配というのもあるが、ひとりぼっちに出来ないんだろう。
たぶん、コユキの母親スイッチが入ったのかも。実子よりは年齢上だろうけどラララは子供っぽいし。
今の二人は見た目姉妹だが、実際は親子程離れてる。
女性は身体的には13歳でも子供は産めるらしいし。コユキ、身体改造で10歳は若返ってるし、そもそも何歳で産んだんだ?そういやコユキは何歳なんだ?そして、ラララの年齢は判らない。
俺はと言えば、朝と昼と夕方にナビで鬼反応を確かめる事にした。
10体早く仕留める必要はない。向こうから来たときだけ仕留める。気長にしよう。
ラララにはコユキがついてれば大丈夫。コユキ強いから。
そして。
「ラララ、これ履いてごらん」
取り出したのは、黒いスポーツシューズ。
コユキの余り物の小さくて履かなかった方。
コユキは理解したらしく、ラララに説明する。
ラララが履いてみる。うむデカイ。
結局、余り物でもデカイので新たに小さいのを用意した。
コユキとお揃いだ。
嬉しそうなラララ。
良かった良かった。
そして仲良く森へ。
さて、俺はと言えば、ガガガ号とコユキ号のガソリン補給。
二台合わせて70缶!
一人でひいこらひいこら缶と格闘。この世界では給油も一苦労だ。
さて。
今日の内職。
この空き缶を売り物にしたいと思ったのだ。
村でも小物入れにいいかな?って思ったが、村には物がない。
片付ける以前に物がない。
穀物とか容れるのに便利かと思ったが、蓋がない。
水っぽいものをガチャガチャ容れてたらそのうち錆びそう。
ええい、売ってしまえ。
缶切り取り寄せて、クルクルギリギリ蓋を切り離す。手を切りそうな内側の切り口を小ハンマーでコンコン潰す。そうすれば小物入れの完成。切り落とした蓋も加治屋に売れるかな?
さて、70缶・・・・いや、107缶!
昨日の奴もあるのだ!
結局今日1日これに費やした。
因みにお昼はカップラーメンだ。
ううむ。
小屋がほしい。
やはりさりげなく暮らすにはこの地域でありふれた家か倉庫が必要だ。(車二台はスルー)
なんでもかんでも人の見てる前で左手使うわけにいかない。倉庫から出すという『建前』が欲しい。小屋を作りたい。
しかし、考えはじめて挫折した。
めんどくせえ。
結局、作るのは諦めてプレハブ置いてしまうか、キャンピングカーにするかの方向で考えてみる。
いやしかし、目立ちすぎだろ!
そこで思い付く!
俺はちょっとした場所が欲しいだけだ。それこそ『小屋』という建前が欲しいだけだ。人の前で左手アイテムボックス使いたくないだけ。寝床は車でいい。室内フルフラットだってできる。この村の住人なんて縦穴式住居だぞ。それよりはまし。
リアガラススモークのジムニー!(ジムニーだよな?)
はい。車三台並びました。
するとまたガソリン詰めて、空き缶切り!そして、トンテンカン!
疲れた!
夕方、ラララとコユキが帰って来た。(芋は村長に渡した)
目を丸くするコユキとラララ。そりゃあ、三台に増えてればなあ。
俺の。
ガガガ号。
コユキ号。
「いいなあ・・・・」
ラララがぽつり。
しまったあ!