ヤシチの愛の行方。ウエアル痴漢騒動。
ウエアル二日目はキリさんとヤシチさんと町を行く。サクラ姫はたまった仕事を片付けると言っていたし、ユキオさんは猫見に行ったし、コユキさんは村に帰った。
三人で運送屋さんや商社みたいな所を主に回る。
ううむ、世の中ってお金がある人を中心に回ってるのね。それは地球もこっちの世界も同じだわ。町の人って良い暮らししてるわ。農村は未だに縦穴式住居多いのに。でもまあ、資本持ってないと産業回せないのは仕方ないか。
先頭をキリさんが行き、そのあとにヤシチさん。最後に貰われてきた子みたいに私が歩く。キリさんは何をしているかと言うと、各業者に町としての方針をお願いする役目。ヤシチさんが助手。私は護衛。
そうよ、護衛よ護衛!私強いんだから!
コユキさんに散々殺されかけながら訓練したんだから!実際、ヒールがなければ10回は死んでたわ。
首の骨が折れるなんて貴重な体験もしたわ。したくなかったけど。
そして、腰には日本刀。
師範と一緒だぜい!日本人はやっぱ日本刀よね!
話はちょっぴり戻るけれど、町の業者の巡回はキリさん主導でしている。
つまり、キリさんとヤシチさんの関係が入れ替わりました。キリさんが上司!
これには深い訳があるのよ。
昨夜、猫を見に行って城に帰って来たら、三階の執務室でヤシチさんとキリさんが致してた。
サクラ姫はドアを開けずに振り向いて一言。
「知らなかったことにしましょう」
サクラ姫の予想では襲ったのはキリさん。止まらなくなるのはヤシチさん。
恐らくはヤシチさんは人生初でこれが最後。
サクラ姫は邪魔しない事にした。
てなことで、サクラ姫、私、コユキさん、ユキオさんの四人で外食。といっても、別棟の会議室でユキオさんが左手マジックで出した鳥鍋たべたんだけどね。
鍋をリクエストしたのはコユキさん。鍋を売るつもりに違いない。だって、ユキオさんが、
「どんな鍋がいい?」
と質問したのにコユキさんは、
「一番大きいの!」
と答えてたけれど、鍋のサイズの話じゃない筈だ。中身だよ中身!
ユキオさんがなんでも頼んでいいよと言うから私は野菜サラダ(ポテト付)をお願いした。
「なんだ生じゃないか」
と、コユキさんが野菜サラダを鍋に投入しようとしたので必死に止めた。生がいいんだってば!
〆は汁足してラーメンの麺投入。
うまい。
そして、サクラ姫とコユキさんは神子生誕秘話を懐かしそうに語っていたけど、わたしゃドン引きだわ。
強制乳母とか、処女から3日で出産だとか、ひっきりなしにうんちする赤ん坊とか頭がおかしくなりそうだ。
つうか、鍋つつきながらうんちの話は止めて欲しかったが、
「うんちなんてなんとも思わなくなるから。佳子も子供産めば解るわよ」
と、流された。
そしてユキオさんは一度もうんちの世話をしなかったらしい。なんだかんだと逃げたとさ。
ううむ。
私が子供産んだら友弥は協力してくれるのかな?
ちょっと気になった。
そして、食事が終わるとコユキさんとユキオさんは左手マジックで布団を出してその場で寝てしまった。
この二人って世間では銀の夫婦って呼ばれてるのに夫婦じゃないんだよねえ。致さないし。
そんな二人を残してサクラ姫と私は城の執務室に戻ったんだが・・・・
まだしてたよ!
今度はサクラ姫は堂々とドアを開けて中に入った。
それでもやめないヤシチさん!
もうね、キリさんはうんざりぐったりしてる。疲れもピーク過ぎてる筈だ。
二人を見た感想?
見なきゃ良かったよ。
母親とお爺ちゃんのアレを見せつけられた気分だよ!
美しさもロマンもなにもないよ!
人生最後だからか、
「後生です止めないでください!」
と涙しながらキリさんにしがみつくヤシチさんをサクラ姫と引き剥がそうとするけど剥がれない!
「最期の手段!」
と、サクラ姫が予定ではまだする筈でなかった洗脳をヤシチさんに掛けた!
「おおおおおおおおおおーーーー!」
と雄叫びを上げてヤシチさんは気を失ってどさりと床に落ちた。
つ、疲れた。
そして、1時間後ヤシチさんが目を醒ますと驚く事が。
「キリさんは私の女神です」
は?
ヤシチさん、サクラ姫の洗脳かけられたよね?
なんでキリさん崇拝してんの?洗脳されたらサクラ姫の虜になるんでしょ?
バグだ!
バグが発生した!
私とサクラ姫があーだこーだと原因を話合ったけど、まだ『最中』だったのに洗脳かけたから快楽の対象がキリさんになるという誤洗脳が発生したと言う結論になった。
因みににキリさんは無事。
接続中だったけど無事。
洗脳効果の連鎖はしないらしい。今後は接続が解除されたのを確認してから洗脳しようということにした。
てなことで、今日から上司と部下が入れ替わりました。
なんでって、ヤシチさんはキリさん崇拝してるし、絶対逆らわないし、キリさんの靴で顔を踏まれても喜んでるし。
キリさんが命令すれば全ての仕事をするし。
絶対的服従だからキリさんを襲わないし。
ヤシチさんにとってサクラ姫が最上位の存在でないのは、キリさんには面白くないみたいだか、なってしまったのはしょうがない。
それで、ヤシチさんをキリさんの下僕ということで、キリさんを納得させた。
たまにヤシチさんがキリさんにニヤリとすると、キリさんの肩がびくんと震える。
もう致したくないのだろう。性に無反応なキリさんでも昨夜は相当アレだったらしい。
そして、何件目かの家で悪い噂を聞いた。
それは力の強い変質者による連続婦女暴行。襲われるのは十代で女らしい身体の娘。
折角治安が良くなったのにまた闇が女性を怯えさせている。
むむっ!
許せん!