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/ reminiscene : 1


「ありがとうございました」そう言ってその人は車に乗った。


6年前のある日、自宅前のごみ捨て場に収集車が来た際、狭い路地に車が挟まって動けなくなった。

運転席に座っていた業務用アンドロイドのミスだった。

人間の彼女に始めから運転させておけばよかったものを、彼女が新人だという理由で性能の悪い機械が運転することになったらしい。

当然、学習能力がある筈もなく、アンドロイドは

「トラブルが発生しました 本部に連絡してください」

と繰り返していた。

力に自信があった俺は、彼女に手を貸すことにした。


そして、数分間車を押していると、車は脱出に成功した。

「ありがとうございました」そう言ってその人は車に乗った。それが出会いだった。


毎週来るので、時間の経過とともに仲良くなっていき、食事に誘うことも多くなった。

彼女は俺より歳はふたつ下だが、話す内容は俺より遥かに年上のそれだった。

対して俺は、本当にくだらない話しかできず、耳を傾けては笑ってくれる彼女を見る度、申し訳なく思った。



そして、付き合い始めてちょうど1年が経った頃。二人で駅前の百貨店を歩いている時だった。

店内には、人と、多種多様な運搬用ロボット達。

その中に一体だけ、人間に限りなく近い見た目のアンドロイドがあった。

普通、業務用ロボットは人間との見た目の差異を明確にする為にあえて表情は簡略化されている。他の人はそいつが機械であることに気づいていないようだった。






だから、奴が懐から銃を抜き出した時も、15秒間ほどは、平和でいられた。



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