続・目先にあるのは光か闇か
私は今日も公園でカップ麺を食べていた。
辺りには紫色のガスが漂っている。あと六日後で私は十六歳になる。もし死ぬとしたら、私はいったい何ができるのだろうか? このまま何もせずに死ぬのは嫌だ。
十六歳になった瞬間に死亡すると仮定した場合、私を含めて生存している者たちはいずれ死ぬことになる。私には六日しか残されていないが、中には数年間は生きられる者もいるだろう。その人たちのために何かをしてあげたい。
大人がいない状況を考えると、いずれは食料が尽きてしまう。食料を作る者がいないのだから。その点を踏まえると、食料を残してあげるべきだろう。
私は早速行動に移すことにした。まずはスーパーでネギを何本かカゴに放り込み、ホームセンターでプランターと肥料、木材を手に入れる。公園に戻った後、プランターに土と肥料を入れてからネギを植えた。
それから五日間はずっとネギに肥料を与え続けた。日付が変わる前に、木材に『私はこの世からいなくなっているかもしれません。肥料を与え続けることができない可能性があります。なので誰でもいいから肥料を与え続けてください。そうすれば永久的にネギは収穫できるはずです。もちろんこのネギは自由に食べてください』と書き記しておく。
私は木材をプランターの前に置いた。これで私の役目は終わりだ。少しは皆の役に立てると思う。十代前後というと肉をがっつり食べたい年頃だとは思うが、比較的育てやすい食べ物といえばネギだ。カップ麺には最適だろう。もともと入っているとは思うが、物足りない人にとっては役立つはずだ。
私はこれまでの人生を振り返りながら目を閉じた。
☆☆
――三ケ月後。
プランターの前には多くの子供たちが列を作っていた。子供たちは嬉しそうな表情でネギを収穫していく。
プランターから少し離れたところには少女の墓が建てられていた。
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