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36、リリーさんとデート

 

 保健室のシャワールームは狭いくせに妙に綺麗で、お洒落な小物も並んでいる。

 昨夜、日奈様に恋い焦がれすぎて小学生モードになってしまったドジな月乃は、月曜日の午前から保健室で過ごす事になったのだが、保科先生のお陰でそこそこ快適に過ごしている。授業に後れないように日中はしっかり自習していたので、夕方に浴びるシャワーはとても気持ちいい。

「あったかいですわあ・・・」

 小さな体でたっぷりシャワーを浴び、満足した月乃が脱衣所に出ると、ちょうど帰りのホームルーム終了のチャイムが鳴った。誰かに感謝されるようなことをして高校生の姿に戻るチャンスがようやく訪れるかも知れない。保科先生は何の悩みも持っていない呑気なおねえさんなので、彼女を手助けしようとしてもなかなか高校生モードには変身できないのだ。

「どう? いい湯だった?」

「んー、まあまあですわね」

 保健室が温かかったので月乃はスリッパだけ履いて、体はバスタオルを一枚巻いただけの状態で顔を出した。とにかく今の月乃は小学生なので大人用のバスタオルを体にかっこよく巻くのは少し苦労した。

「それにしても、日奈ちゃんの近くにいなくても変身しちゃうとはねぇ」

「・・・悪かったですわね」

 月乃は何気なく自分の柔らかい髪をくんくんした。普段愛用しているトリートメントとは香りが違うが、月乃は今の自分の髪の匂いも結構好きである。

「ん? シャンプー? いい匂いでしょ」

「まあまあですのよ」

「まあまあってことないでしょ。それかなり高い奴だし」

 ガムを噛みながら白衣ごと腕まくりしているワイルドな保科先生は、シャンプーの香りを確認するために小さな月乃ちゃんの側頭部にそっと鼻先を寄せた。

「失礼しまーす♪」

 タイミング悪く、フランス出身のあのおねえさんが登場した。 

「あら♪ お邪魔でしたかしら」

「え? いやいや! 今ちょっとこの子とシャンプーの話をしてて、それで・・・」

「あらあら♪ 保科先生って、高校生だけではなく、こーんな小さな子まで狙ってたんですわね♪」

「ご、誤解だってば」

 保科先生が生徒たちをちょっとそういう目で見ていることは事実なので、笑ってごまかそうとしていると誤解されても無理はない。

 実は先生以上にエッチなことを考えているリリーは、タオル一枚の小桃ちゃんを見て少々わくわくしてしまった。

「ねえ、先生」

「な、なに」

「この子、貰っていっていいですか?」

「え? 貰っていくってどういう・・・」

「イヤとは言わせませんわよ先生♪ 私が今見た先生のヒミツ、みんなにバラしちゃってもいいんですか?」

 さすがはリリーさん、白いリボンが良く似合う悪徳っぷりである。逆らえぬ激流を感じた月乃はリリーさんに強引に腕を引かれる前に手早く服を着た。

「ちゃんと返しますから♪」

 そう言い残して去るリリーさんの小脇に抱えられて、幼い月乃は学舎を出ることになったのだ。



「で・・・わたくしをどうするおつもりですの」

 月乃はリリーに無理矢理手を握られて紅茶とコーヒー好きの生徒たちで賑わう南大通りを歩いていた。

「デートにお誘いしただけよ。そんなに怖い顔しないで♪」

「・・・あなたの顔が明る過ぎるだけですのよ。戒律をご存知のくせに」

「あらあら、相変わらずおしゃまでおませなお嬢ちゃんね♪ 将来の夢はロワール会の会長さんかしら」

 まあ正解である。

「そのためにはまずこの学校に受かるようにしっかりお勉強しないとネ♪」

「はい・・・頑張りますわ」

 リリーも他の生徒たちと同様、小学生の小桃ちゃんの正体があの月乃様であることに気づいていない。セーヌ会のリリーさんの手助けをするのは癪だが、月乃はこのまま慎重に彼女と接し、高校生に戻るチャンスを窺うべきである。

 不機嫌な顔のまま何やら考え事をする小桃ちゃんを見て、リリーはくすくす笑った。

「かわいい♪」

「はい? ・・・前見て歩いて頂けます?」

「小桃ちゃん♪」

「・・・用事もないのに呼ばないでくださいます?」

「小桃ちゃん♪」

 小学生のくせに大人びた振る舞いをして自分に堂々と警戒心を見せてくる、ある意味素直な小桃ちゃんが、リリーは可愛くて仕方が無いのだ。

(チャンスが来たら絶対イタズラしてみせるわ♪ 一体どんな反応をするのかしら)

 リリーは相手が小学生であっても平気でエッチなことを考えるちょっぴりイカレタお嬢様である。



「それで、なにをしますの?」

「お買い物に付き合って欲しいの」

 月乃はリリーが入り浸っているアメリカ風カフェに連れて来られた。この店の雰囲気は相変わらず明るくて雑然としており、月乃の上品な芸術的感性からはほど遠いものだから、柔らかい長椅子にちょこんと座っているだけで胸がキュッと縮こまるような居心地の悪さがある。

「え? お買い物ですの?」

「そうよ♪」

「じゃあどうしてカフェに来ましたの・・・」

「小桃ちゃんとお話がしたいなぁと思ったの♪」

 正面に座っていたはずのリリーさんが月乃の隣りに移動してきた。リリーさんの香りはロワールハウスにいた頃から変わらず、異国のキャンディーみたいな甘くて不思議な匂いである。

「ねえねえ小桃ちゃん」

「な、なんですの・・・」

「小桃ちゃんは、やっぱり高校生のおねえさんに憧れてるのかしら」

 リリーさんがピッタリ寄り添ってきたので、彼女の長いさらさらブロンドヘアーが月乃の小さな肩を滑った。

「・・・ち、違いますわよ。ここに勤務してる保科先生がわたくしの主治医で、療養のために時々滞在して・・・」

「ホントにぃ?」

「うう・・・」

 実に面倒なおしゃべり相手である。早く高校生に戻って寮に帰り、西園寺様の淹れた紅茶でも飲んで平和に過ごしたいなと月乃は思った。

「当ててあげましょうか?」

「なんですの・・・?」

「ロワール会の細川月乃様が好きでこの学園に顔出してるんでしょう?」

「・・・え?」

 自分の名前が出てきたので月乃は一瞬肝を冷やしたのだが、すぐにリリーさんがトンチンカンな推理をしていることに気づいてホッとした。さすがの月乃も自分に恋しちゃうほどのナルシストではない。

「月乃様じゃないとしたら、西園寺様? どちらにしても年上の女性に興味があるのよね♪」

「な、ないですわよ・・・」

「ホントにぃ?」

 リリーさんは月乃の細い肩に胸を押し当てて密着してきた。

「何をしますの? は、離れて下さいっ」

「高校生の女の子とラブラブになりたいっていう夢なら、おねえさんが叶えてあげられるわよ♪ おねえさんね、ちょっと大人びた小桃ちゃんのこと好きになっちゃった」

「いえ・・・結構ですのよ・・・」

「結構っていうのは、オーケーってことかしら♪」

「ノーサンキューってことですのよ。わっ、や、やめてくださぁい!!」

 ぐいぐい迫ってくるリリーさんの指先が唇にちょんとふれたので、月乃は思わず声を上げてしまった。お嬢様はいかなる時も決して大きな声を出さないのだが、今の月乃は小学生の小桃ちゃんなので一応セーフである。

 月乃の大声のお陰で店内の視線は二人のテーブルに注がれたから、さすがのリリーさんもこれ以上月乃に手を出すことは出来なかった。

「あら、ここじゃダメみたいね♪」

 周りに人がいなかったら何をされていたのか想像もできないが、とにかく月乃は助かった。今の月乃の小さな体では抵抗ができないので、自分が襲われない環境を常にキープすることが肝要となる。

「じゃ、別の場所行きましょ♪」

「・・・ぐうう」

 月乃は敵意むき出しの野良ネコのような眼差しでリリーさんをにらんでみたが、彼女は一向に気にしない。

「ほーら、小桃ちゃん、おねえさんと一緒に行きましょうネ♪」

「ひい!」

 月乃はリリーさんに無理矢理抱っこされてお店を出ることになった。結局何も注文せずに出て行ったフランス人美少女と小学生のペアに店員の生徒たちはちょっと困惑している。



「あの・・・そろそろ下ろして頂けます?」

 リリーさんの髪が頬に当たってくすぐったいし、胸もふんわり柔らかくて気持ちよかったので、なんだかくやしくなってしまった月乃はリリーの腕の中でもぞもぞ動いて暴れた。

「あら、もう下りるの? でもちょうどいいわ。目的地に到着したから」

「目的地?」

 そんなのどうでもいいから早く帰りたいですわよと思う月乃の見上げた先にあったのは、いい感じでエイジングが施されたライトブルーの看板がちょっと素敵な、小さな雑貨屋だった。もちろん月乃は黒を愛し黒に愛されている女なのだが、こういう知的でセンスがいいお店ならば多少明るい装飾がなされていても好きである。

「さ、入りましょ♪」

「何かしたらまた大声出しますわよ・・・」

 月乃は警戒を怠らない。


 店内は外観に劣らぬお洒落なインテリアや小物が数多く並んでいたが、少々ごちゃごちゃしていて狭い隙間や暗い場所も見受けられた。これはリリーさんからのイタズラが怖い。

 こんな時に桜ちゃんや林檎さんがいてくれたらなぁと月乃は思ったが、よく考えると桜ちゃんはすぐにリリーさんのペースに飲まれて役に立ってくれそうにないし、林檎さんは子供嫌いで月乃を助けてくれそうにないから、やっぱり月乃は孤立無援で頑張らなければならない。

 しばらくはリリーさんも普通の客のように振る舞っており、自分が買いたい商品について月乃にアドバイスを求めるような一幕もあった。

「ねえ小桃ちゃん」

「なんですの」

「紅茶の茶葉で何かオススメあるかしら。小桃ちゃんってなんだかそういうのに詳しそうだから」

 確かに紅茶は月乃の得意分野である。

「ストレートで飲むならそのダージリンがいいと思いますわ」

「これ?」

「いえ、その上のやつですわ・・・」

 自分の体の小ささを再認識する会話だったので月乃はちょっと恥ずかしかった。

「あら、確かに美味しそうね。ミルクティーにしてもいいのかしら」

「ミルクティーですの? それならあっちのアールグレイがオススメですのよ」

「これかしら」

「・・・いえ、その上の段の袋ですわ」

 いい加減にして欲しいものである。

「アールグレイっていうのはどんな葉っぱなの?」

「どんな葉っぱというか、アールグレイはベルガモットっていう柑橘類の葉で香りをつけたフレーバーティーですのよ。葉っぱの種類や産地の名前じゃありませんわ」

「へー、小桃ちゃん詳しいのね。これならきっとベルフォール女学院に入れるし、ロワール会にも誘われるに違いないわ♪」

「・・・いいから早く、買うなら買ってきて下さい」

「これが小桃ちゃんのオススメ?」

「はいはい、そうですのよ・・・」

「じゃあ、買ってきちゃうわね♪」

 あぁ、早く帰りたいですわと溜め息まじりに呟きながら、月乃は売り物のロッキングチェアに腰掛けた。窓の外はすっかり晩秋に色づいた並木道で、陽の当たる細い枝先で揺れるカエデの葉が、冬を迎える前の最後の小春日を惜しんでいるようにも見える。

「日奈様・・・今頃何されてるのかしら・・・」

「お待たせ♪」

「ひい!」

 月乃は今のつぶやきをリリーさんに聴かれたと思って大層驚いたが、どうやらセーフだったらしい。小桃ちゃんはロワール会の月乃様に憧れてるんだとリリーさんに勘違いしてもらっていたほうが遥かにマシである。

「買ってきちゃった♪」

「あらそう、じゃあ、わたくしはもう帰りますのよ」

「ちょっと待って。お洋服も見たいの♪ こっちこっち」

 雑貨屋には生徒が私服として使える服も売っているらしい。月乃はリリーさんに手を引かれてしぶしぶ店の奥に向かった。

「あら、このワンピースなんか素敵だわ♪」

「派手すぎですわよ。こんなのロワール会の月乃様に怒られます」

「試着してみよーっと♪ ほら、小桃ちゃんも一緒に」

「え?」

 まるで川面で流される紅葉のように、月乃はあれよあれよと言う間にリリーさんと二人きりで狭い試着室に入っていた。まずい、と思った時にはもう遅い。リリーさんは月乃の小さな体を押し倒して、ぬいぐるみに抱きつくネコちゃんみたいにしがみついたのだ。

「んー! すべすべー♪」

「ちょ、ちょっと! 苦しいですわ! 放しなさい!」

 リリーさんの柔らかい唇が首のあたりに押し当てられてゾクッとしてしまった月乃は、なんとか試着室から出ようと暴れたのだが、百戦錬磨のリリーさんの腕の中から抜け出すことが出来ず、わあわあと騒ごうとしてもリリーさんの綺麗な人差し指が唇をそっと塞いでくるので、もうどうしようもなかった。こんな状況に身を置いてしまった月乃の負けである。

(誰か・・・誰か来てくれませんのっ?)

 大ピンチであるが、念ずれば通ずというやつで、月乃の必死の祈りはあっさりと天に届いてしまう。

「ほら、どうかしら。これがおねえさんの温もりよ♪」

 リリーが自分の襟元のリボンを外し、少しはだけた胸元を月乃にふわっと押し当てた瞬間、試着室のカーテンがシャッと威勢良く開いたのだ。

「えっ!?」

 なぜかカーテンを開けた主が一番ビックリしており、その少女は月乃のクラスメイトのあの子であった。

「リ、リリー様と・・・小桃ちゃん!」

 大きなリアクションが可愛いピュア娘、若山桜ちゃんである。彼女はこの広い学園街で偶然この店に立寄り、たまたま試着をしようとここに来たというのだから驚きである。

「お、お、お邪魔しましたぁー!」

 上半身脱ぎかけのセクシーなリリーさんの姿にすっかり怯えた桜ちゃんは、カーテンを開けたままダッシュで逃げ帰ってしまった。

「あらあら、これ以上は無理みたいね。ざーんねん」

 桜ちゃんの声を聴いて試着室の近くに生徒が集まってきたから、リリーは諦めて体を起こした。月乃はすぐさま駆け出したが、背後から腕をパッと掴まれてしまったので脱出には失敗した。小学生の体では何にも出来ない。

「商品棚が多くて危ないわよ♪」

「あなたと一緒にいるのが一番危ないですわ!!」

「ああ、もう、小桃ちゃんかわいい!」

 こんな危険人物がついこの間まで自分と同じロワールハウスに住んでいたと思うと、月乃は背筋が寒くなった。



 さて、本日は快晴ではなかったため夕焼けは望めないが、そろそろ火灯し頃である。

「それでは、わたくしは保科先生とディナーですので。さよなら。もう誘わないで下さい」

「あ、もうちょっと付き合って」

「もうイヤですの。あなたみたいな人はロワール会の月乃様や林檎様に懲らしめられる運命ですのよ」

 月乃はプンプン怒っている。


 南大通りを南下してきた二人が足を止めたのは、バスターミナルの手前の花壇だった。

「あっ・・・」

 そこでとんでもないものを見てしまった月乃は思わず声が洩れた。枯れたはずの花が再び輝き出しそうな神掛かった美しさを惜しげも無く周囲に振りまきながら、つややかなポニーテールを遠慮がちに揺らして花壇を手入れする美少女がいたのだ。彼女の胸にはセーヌ会の純白リボンが結ばれている。

「日奈様ぁ♪ おつかれさまですわ」

 立ちすくむ月乃を尻目にリリーさんは平気な様子で日奈様に声を掛けたのだった。

「あ・・・こんにちは。リリー様」

 日奈様いつも通りのちょっぴり寂しそうな顔でリリーに挨拶したが、リリーの金髪の向こう側に立つ小さな少女の姿を見て表情を明るくした。目が合ってしまった月乃が慌てて背中を向けて小さくなったのは、急に赤くなったほっぺを日奈様に見られたくないからである。

「今日は小桃ちゃんと会ったので、一緒にお買い物をしておりましたのよ♪」

「そうなんですか。よかったね、小桃ちゃん」

「ふ、ふい」

 緊張している月乃は変な返事をしてしまった。

「それでね、日奈様」

 この子はホントに生意気で、みたいな余計なことをリリーさんが言うのではないかと月乃は瞬時に心配したが、月乃はこの後意外なことばを聞くことになった。

「これ、日奈様に差し上げますわ」

「え?」

「昨日の夜お勉強を教えてくれたお礼ですわ♪ 紅茶ですけど、私は詳しくないから、小桃ちゃんが選ぶのを手伝ってくれましたのよ。この子凄く良く知ってるんですのよ」

 月乃は思わず振り返ってリリーさんを見上げた。こんな生意気な態度をとっている自分のことを、まさかこんな風に良く言ってくれるとは思ってなかったからだ。ついでに言うと先程の紅茶が日奈様へのプレゼントだったことも知らなかったので驚愕である。

「そうなんですね、ありがとうございます、リリー様」

 リリーに丁寧に頭を下げた日奈様が、月乃の元にやってきた。彼女が近くに立つだけで月乃は目がちかちかして顔を上げられなくなる。

「ありがとう、小桃ちゃん」

「は、はい・・・」

 日奈様に優しく頭を撫でられて、月乃は心の中の氷が溶けていくような気持ちになった。会いたくって会いたくってついには小学生モードになっちゃうくらい恋い焦がれていた日奈様に、ようやく会えておしゃべり出来た喜びで、月乃はもう泣いてしまいそうだった。隠そうとしてもその喜びは日奈様に伝わってしまったので、日奈様は微笑みながらゆっくりゆっくり何度も小学生の月乃の頭を撫でてくれたのだった。月乃はいつの間にか自分から日奈様の温かい手のひらを求めて頭をちょっぴり前に出しており、日奈様から貰った「ありがとう」に誘われて近づいてきた贖罪の鐘の音の中で、じっと黙ったまま大好きな人の手に自分の身も心も任せていた。

(あら、なんか・・・私の時と態度が違うわ)

 小桃ちゃんが日奈様に恋していることにいまいち気づいていないリリーは、あんなに生意気で大人びていた小桃ちゃんを一瞬で手懐けてしまう日奈様のパワーに圧倒されたのだった。

 このあとバスターミナルの脇の路地裏で無事に高校生に戻り、部活帰りの生徒に発見された月乃は、ロワールハウスに帰ってからゆっくりゆっくり眠った。あの日とは違う、とっても満たされた幸せな夜であった。

 

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