リリコさん、貴女は死にました。 その③
書いてて何度もコンフェ(混乱)状態になりました。手直しは多分します。
神を自称する、野太い声がリリコの頭上より聞こえ、見上げると中年男性が無理矢理ピチピチの女性物のドレスを着用した、見苦しいモンスターが腕を組ながらふんぞり返って浮かんで居た。
リリコも最初は目の錯覚かと思った。色々有りすぎて疲れて居ると、思って居たのだが部長の反応から察するに、どうやら錯覚では無いようである。
「あら?何も質問して来ないのかしらぁ~?聞きたい事とか無いわけぇ~?」
異世界の神は、クネクネと動きながらリリコに話し掛けて来た。ハッキリ言ってやりたい……語尾を伸ばすなっ!クネクネ動くなっ!と。
しかしこんなのでも、一応神なのだ……自分の命を助けてくれた、いわば命の恩人なのだ。
リリコが自分の衝動に耐えて居ると、部長が異世界の神に話し掛けていた。
「イシェラス様!私、地球の神テラネシス様直下の魂管轄課日本支部で部長をやって居ります、杉田と申します」
「あら?そうなのぉ~?それでぇ~?」
部長が鈍り無しに、スラスラと話し出した事にリリコは、ビックリしていた。鈍り……要らなくね?
「失礼を承知で確認させて頂きますが、あなた様がこちらにいらっしゃるリリコさんの、地球での死亡の原因を作った件についててすが………」
「ちょっ…ちょっと待って下さい、異世界の神が私の死亡原因なんですか?助けてくれたんじゃなかったでしたっけ?」
「言い出しづらくて、お伝え出来なかったんだべ…。すまないべ……実は、地球の担当査察官が、チェックしたら、リリコさんが打たれた雷は異世界の神が、地球に遊びに来た時に出来た時空の歪みのせいだったんだべ……」
「ええっ?なんですか?それ……。じゃあ、私は彼氏に振られた上に、異世界の神が遊びに来た時に生じた雷に打たれて死んだって事?とんだとばっちりじゃないっ!!」
怒り心頭のリリコに、異世界の神がクネクネしながら話し掛けて来た。
「あらぁ~ん?だから悪いと思ってぇ~私の世界に連れて行って上げてぇ~雷に打たれた傷を治して上げたんじゃな~い?それにぃ~私が地球に来るのに生じる雷に打たれたのはぁ~私が神に就任してからぁ~長い年月経ってるけどぉ~貴女が初めてなのよ~?貴女どんだけ運が無いのかしらぁ~?」
確かに神様の言う通りだ。天文学的な確率で、雷に打たれたのだ。
昔のついてない出来事をリリコは思い起こして居た。
小学校五年の時に行った林間学校では、一人だけカレーライスに当り腹痛に苦しみ、中学校三年の時に行った修学旅行では、一人だけ迷子になって、見知らぬ町をさ迷い、挙げ句に警察に保護されたり、高校二年の時の学園祭では、お化け屋敷のお化け役に大抜擢されたものの、暗がりが怖くてずっと隅の方で震えて居たし、社会人になって半同棲していた彼氏が、浮気して相手に子供が出来るとか………。
何かとり憑いてねっ?などと、リリコが物思いに耽って居ると、神様がリリコに今後どうするか聞いて来る。
「それでぇ~……どうすんのぉ~?貴女は地球じゃ死んでるのよぉ~?私の世界に腰を落ち着けないとぉ~今後生きて行けないわよぅ。輪廻転生するってんならぁ~好きにしたら良いわ~私はどちらでも構わなくってよぉ~?」
うう~ん……死にたくは無いけれど、不幸続きの人生だったし……今後異世界でも不幸だったら、別に転生してしまっても……良いかなぁ……。
リリコがなげやりな気分で、異世界の神を見詰めながら纏まった意見を言おうとすると、すかさず神が言って来た。
「まあぁ、聞かなくても分かってるしぃ~?私の世界に来るんでしょ~?そうでしょ~?そうよねぇ~?万が一に輪廻転生とか言ったりしたらぁ………私の権限で無限に生かしながらぁ~ジワジワジワジワ精神的にも、肉体的にも、いたぶってあ・げ・るぅ~♪」
神のクネクネした動きが、グネグネに変化したのを見て、先程の発言と合間って、リリコに重いため息を吐き出させた。
「はあ~~~~~!!!………それって私に、選択権は最初から無かったという事ですか?」
「ええ、そうよぉ~!今更気付くなんてぇ……貴女、大分鈍いんじゃないのぉ~?プププッ……」
異世界の神はリリコをバカにした様に笑いながら、手招きをしてリリコを呼ぶと、
「じゃあ忙しいしぃ~、早速帰るわよぅ?」
そう言うと、神はリリコの腕をガッチリ掴んで上昇しようとしたのだが、その神に待ったをかける声が上がる。
「おっ……お待ちくださいっ!」
そう…部長の杉田さんである。部下の井上とは違い熱心なのね……と、リリコが思って居るととんでもない発言をして来る。
「判子とサインをこの書類にお願い致しますっ!」
必死の形相で声を張り上げる杉田部長を、煩わしそうにチラリと見ると、神はクネクネしながら
「エルネストに言付けといてぇ~」
と言うと、リリコを掴んだまま上空へと欠き消えたのであった。
後に残ったのは、呆然とその場に立つ杉田部長だけであった。
「困ったんだべ……。エルネストって一体誰なんだべか?」
杉田部長の独り言が虚しくその場に響いたのであった。
書き終わりましたが、考えていた方向と全然違う話になりました。(文才が行方不明なのが丸分かり)
何がしたかったかは、次の話で分かると思います。
面倒くさかったんですよ……アレ。
これで分かったら、私のマニアですね♪