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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第九章 中国
78/105

【天御中主大神=あめのみなかぬしおおがみ】

 教会まで車で移動した。


 車内でしばし待つようジミー井上さんから言われた。

 ジミー井上さんとケリーさんが車から降り、教会へ入って行く。


「なあジャンヌ、ジュリに報告していいか?」

「ええ、もちろんよ。応援ありがとうって伝えてね」


「おう、わかった。あいつ、今日部活の昼休み、お祈りするって言ってたんだ」


 ゴリが早速メールしている。

 また天之宇受売命=(あめのうずめのみこと)にお祈りしてくれてるんだろう。


 やがてジミー井上さんが戻ってきた。


「ごめんなさいジャンヌ天使さん。牧師は不在です。祈祷できない。

 でもお祈りOKです。さあ、ご案内します」


 俺たちは、案内され教会の中へ。


 前方二列目にケリーさんが着席されていた。


「わー、素敵な教会ですね。私、教会って初めて入るのですけど」


「ええー! そのこと、ほんとうですか?

 ジャンヌ天使さんは、クリスチャンではないのですか?」

 

「え? 私、イエス様を信じていますし、大天使ミカエル様は、

私がジャンヌ・ダルクの時代からご指導頂いていますから。

 そうですね、クリスチャンかと問われますと、

クリスチャンですとお答えしたいですね」


「そうですか、安心しました」


 正面の前まで来ると、ケリーさんが立ち上がり、

いかにも嬉しそうな表情だ。


 ジミー井上さんが、ケリーさんへきっと、ジャンヌが教会での祈りは、

初めての事を話しているのだろう。

 びっくりした顔でケリーさんがジャンヌを見つめると」


 ジャンヌは「イエス」と頷きながら、


「ケリーさん、私は教会でお祈りするのは、初めてなのです。

 ですけどイエス様は、ジャンヌ・ダルクの時代に、火刑台で亡くなると同時に、

イエス様が現れて、私をすぐに、天国へ入れて下さりました。

 元々私がフランスのドンレミ村に生まれ、フランスを救い、最後に火刑台で、

亡くなったのも、すべてイエス様のみ心だったのです」


ケリーさんに通訳するジミー井上さんも、ジャンヌの話しに興奮しているのか、

機関銃のように早口で話している。

 ケリーさんも、興奮というか、感激の様子だ。


「イエス様が十字架に架けられた時、そのお苦しみは、

人類の業を清めるための大犠牲だったのです。

 私の火刑台での苦しみも、フランスを清め、その後、

フランスを守護する神々の一員として加わるための、

これもイエス様のみ心だったのです」


 ここまで話すとケリーさんが、

「そして今度は、世界を平和にするために、ジャンヌ・ダルクは、

大橋ジャンヌさんとして日本に生まれ変わったんですね」


「イエス」

 ジャンヌはケリーさんを見て頷いた。


「それでは大橋さん、大橋さんが、日本に生まれ変わったのも、

イエス様のみ心ですか?」


「もちろんです。ケリーさん、イエス様のみ心でもありますし、

天界の決定事項でもあったのです」


 ジミー井上さんが、通訳しながら、

「大橋さん、確認なんですけど。私は今まで、大橋さんが言われる『天界』を、

天国と通訳していますが、それでいいですか?」


「はい、よろしいです。神様の住む世界のことで、

神となられた神人の住む世界でもあるのです」


 ケリーさんが、

「大橋さん、天界の決定事項と言われましたが、天界では、イエス様の他に、

決められる方が、おられるのですか?」


「天界では、地球人類を救済のため、今まで、時代時代によって、

お釈迦様や、イエス様といった聖者が天下ってきました。

 元々お釈迦様や、イエス様は、金星に住んでいらして、金星は、

神の世界が成就した星で、地球の兄にあたります。

 それから、老子様、弥勒菩薩の他、『金星の長老』と呼ばれる大聖者も応援され、

重要な決定事項には、これら五大聖者は必ず加わっています。

 この五大聖者を膝下に治めて、大宇宙を主催されている方がいらっしゃいます。

『天御中主大神=あめのみなかぬしおおがみ』と呼ばれ、

又の名を『至聖先天老祖=しせいせんてんろうそ』とも呼ばれています。

 神様のみ心から離れ、魂的にも未熟な地球でしたが、今、地球は、

進化の過程で第七劫に入り、完成の時期を迎えているのです。

 平和で調和のとれた地上天国を成就させるために、

銀河系やその他宇宙の星星からも、応援を受けています。

 私たちも、故郷は金星なのです」


「え? ちょっと待ってジャンヌ! 『私たち』って、

俺もゴリも金星からやってきたってことか?」


「ええ、そうよ」

「え? 俺、今までそんな話、聞いてねえし、

初めて聞く話しばっかじゃん……なあゴリ」


 俺は、こんな超重大な話、なんで先に俺とゴリに話してくれなかったんだと、

ジャンヌにむかついて、つい強い口調で言ってしまった。


「オズ、突然でごめんなさい。今、大天使ミカエル様が、

私の肉体を通して仰っているの。

 私がしゃべっているけど、私も初めて聞くお話しなの」


 ゴリも驚きの表情で、

「ジャンヌ、それじゃあ、大宇宙を主催されている

『天御中主大神=あめのみなかぬしおおがみ』って、

聖書の中でイエスがいう、『天の父』のことか?」


「ええ、そうよ。お釈迦様も老子様も、みんなこの方に繋がっているの。

 この方の本体は、すべての根源の宇宙神でもあるの」


 ジミー井上さんは、混乱の様子だ。

 でも、必死にケリーさんに通訳している。


 なによりジャンヌ自身がビックリしてるみたいだ。


 そんな事情も知らず俺は……心の中で反省とジャンヌにお詫びをした、


「ケリーさん、ケリーさんも、金星から来られたと、

大天使ミカエル様は仰っています。

 とても高い魂の方だと……」


 通訳されると、ケリーさんは、喜びで顔をほころばせた。


「それでは、そろそろイエス様がお出ましになられますので、

《平成の祈り》を捧げます。

 ケリーさん、一緒に祈られますか? ジミー井上さんは……」


「私も一緒にお願いします」

「そうですか。それでは初めに《ピラミッドの印》を組みます。

 どうぞこちらへ」


 ジャンヌは、正面を背にして中央に立つと、ジミー井上さんと、

ケリーさんを前に並ぶよう誘った。

 俺とゴリは、その後ろに控えた。


「こうして両手を胸の前で指をからめます。

 それから、両人差し指を揃えて天を指します。

 そうです。

 次に掌を広げると、ちょうどピラミッドのようになりますね。

 そうです。この状態で祈ります。

 それでは祈り言葉を唱えます。

 祈り言葉は、英語で通訳していただいたら、そのままで神様に届きますから。

 では、『内平らかに外成る、地平らかに天成る。

 地球の安寧と世界の平和が達成されますように』です。

 今日は最後に、

イエス様 ご加護とご指導 ありがとうございました』っと加えて祈ります。

 それから、大天使ミカエル様、役行者様、

猿田彦大神様にも感謝の祈りを捧げます。

 その後は皆さん、ご自由にお祈り下さい。

 それでは無言で祈りに入ります。

 お二人とも、どうぞお掛けになってお祈り下さい」


 ジャンヌは印を組んだまま正面を向くと、

天を仰ぎながらひざまずいて祈りに入った。


 ジミー井上さんとケリーさんも、ジャンヌの後ろでひざまずいた。

 みんな椅子に座らず、教会の床にひざまずいて祈りに入った。


 俺は、目をつぶって祈り始めた瞬間、目の前のジャンヌが金色に輝いている。

 いつもより輪郭が大きい。きっと大天使ミカエルと合体しているのだろう。


 やがて前方上のあたりが白く輝き出した。

 目をつぶっていても、強い光を感じる。

 凄く霊妙な波動だ。

 間違いなくイエスさまが現れていらっしゃる。

 ジャンヌと交流されているのだろう。

 目の周りがひりひりする強烈なバイブレーションだ。

 白光は間もなく消え去り、再びジャンヌの金色の光に包まれた。

 光が消え去る瞬間、


「はい、ありがとうございました」


 目を空けると、ジャンヌが立ち上がってこちらを向いている。

 満足の笑顔だ。


「今、イエス様がお出ましになり、ミッションは成功したからと、

皆さんの労をねぎらわれました」

 

 ジミー井上さんは、泣いたみたいだ。

 ハンカチで涙を拭っている。


「それでですか、大橋さん、私、お祈りしている間、

なぜか涙が出て止まりませんでした。

 やはりイエス様でしたか。

 それに、目の前の大橋さんが、金色に輝き、体が熱くなりました。

いやー凄い体験でした」


 ケリーさんは俯いたまま、全身が震えている。


 ジミー井上さんが通訳すると、ケリーさんは一層身体を震わせた。


 ジャンヌは、ケリーさんの前にひざまずき、

「ケリーさん、イエス様がお喜びでしたよ。

 それからケリーさんの信仰心を讃えられましたよ。

 今回のミッションでは、ケリーさんが、

大変重要なお役目を果たして頂きました。

 私からも感謝いたします」


 通訳されるとケリーさんは、頭を床につけるようにしながら、

両手はジャンヌを求めた。


 ジャンヌは両手で、ケリーさんの手を優しく包み込んだ。


 ケリーさんの震えも止まり、顔を上げると目は真っ赤だが、

光輝き、満面の笑みだ。


 二人は立ち上がると、


「始めにジャンヌさんが、太陽のように輝いて熱くなり、

イエス様を感じた瞬間、感動で震えが止まりませんでした」


「そうでしたか。イエス様を感じていただいてよかったです。

 私もイエス様と直接お会いしたのは、この世では初めてですし、

お姿もお言葉も、ひびきで感じ取ったのですよ。  

 やはり教会は、素晴らしい祈りの場なんですね」


 ジャンヌは、ジミー井上さんを見ながら、

「やはり教会に連れてきていただいてよかったです」


「こちらこそ。このような凄い体験ができ、私も信仰が深まりました」


「神父様がいらっしゃらなくて、残念でしたけど、

その分、自由にお祈りとお話しができて、よかったです」


「ジャンヌ。この教会は、プロテスタントだろうから、

神父様と呼ばず、牧師と呼ぶんだよ。そうですね?」


 ゴリは、ジミー井上さんへ確認した。


「はいそうです。アメリカは、キリスト教でも、プロテスタントの国ですから、

カトリックのように、神父とは呼びません。

 もちろんカトリックの教会もありますよ。

 ケネディ大統領は、カトリックで初めての大統領で、

元々アイルランドの移民の家系でしたから」


「え、そうなんですか? 失礼しました。

 私、カトリックとプロテスタントって、

信仰上の違いはよく解らないものですから。

 プロテスタントって、ルターの宗教改革からの流れですよね?

 私は、学校で習った知識しかなくて、ごめんなさい」


「プロテスタントは、聖書を信仰の基本においてますから、

カトリックのように、磔上のイエス様とか、マリヤ様への信仰を、

表面には出しません」


「それでですか。

 私、教会っていうと、正面の聖壇には、みんな、

十字架に架けられた、イエス様が掲げられているのかと思っていました」


 俺もジャンヌと同じで、正面は壁で、いたってシンプルだ。

 今までイメージしていた、十字架やステンドグラスといった、

厳かな感じではない。

 キリスト教もいろいろだ。


 またゴリが、

「その他、プロテスタントは『礼拝』で、カトリックは『ミサ』と呼んだり、

牧師は妻帯OKで、神父は独身だとか……」


「じゃあゴリ、プロテスタントって、初めて僧侶で妻帯した、

親鸞聖人の浄土真宗みたいだな。

 日本の仏教でも、いまだに独身じゃなきゃダメみたいな宗派あるよな」


「話が横道にそれてごめんなさい。

 ケリーさん、アメリカにお帰りになったら、大統領にも、

イエス様が大変お喜びになったとお伝えして下さい」


「わかりました、大橋さん。尖閣諸島でのミッションも、

ここでイエス様がお出ましになったことも、全部伝えます」


「ありがとうございます。今回のミッションの成功は、大統領が、

イエス様からのお手紙を、信じて下すったから出来たことです。

 大統領には、感謝しても、感謝しつくせぬほどです。

 これからも、世界を平和にしていく重要なお役目があるでしょうし、

何より、核兵器を廃絶することが、神のみ心でしょうから。

 ご活躍を期待しております。宜しく伝えて下さいね」


 ケリーさんは、通訳されると、大きく頷きながらジャンヌに握手を求め、

ジャンヌも両手で握手した。


 ジャンヌは、続いてジミー井上さんにも両手で握手しながら、

「お二人には大変お世話になりました。

 最後に教会でお祈りさせて頂き、イエス様にもお目にかかれて、

感謝感激です。ありがとうございました」


 ジャンヌは正面に、深々と一礼すると、みんな教会から外に出た。


 ジミー井上さんが、

「ジャンヌさん、今日は沖縄にお泊りですか?」

「いえ、19時半の飛行機で帰る予定なんですけど。

 でも、一応ミッションが長引いて、帰れなくなったときのことも考えて、

泊まる用意はしてきています」


「それならまだ3時ですから、時間はありますね。お送りしますよ。

 空港ですか?」


「ありがとうございます。

 みなさんお忙しいでしょうから、タクシーで帰りますから」


 結局空港まで送ってもらうことになった。

 一先ず空港へ荷物を預け、それから考えることにした。


 ジャンヌは、二人には、司令官の皆さんへ、

くれぐれも宜しくと言ってお別れした。


 空港へ送ってもらう途中、ジャンヌは、

『ひめゆりの塔』へ行ってみたいと言っていた。

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