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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第九章 中国
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【古代紫】

 今日で23日目だ。大天使ミカエルからの課題も、

神殿で最後のお祈りをすれば、課題達成だ。


 それから北京へ飛ぶ。


 俺は5時に起床した。オカアが風呂を沸かしておいてくれた。


 俺は湯船につかりながら、ジャンヌはもう風呂からあがってるだろう。


 今日はジャンヌの大一番だから、制服から下着まで新品のはずだ。

 ジャンヌのこだわりというか、神への敬意を最大限あらわすのだろう。


 ジャンヌの《おもてなしの心》の精神的なご本尊、井伊直弼も、

茶事のときには、下着から一式、新品に着替えるとジャンヌがいっていた。


 オカアには、今朝は朝食不要といってある。

 ジャンヌも今朝は食べてこないはずだ。

 肉体を最大限浄化させてくるのだろう。


 俺も、自分でできることは可能な限りジャンヌと共有したい。


 羽田が9時ころのフライトだから、俺ん家に6時に集合だ。

 最後のお祈りをして出発する。


 オトウも起きてきたが、落ち着かない様子だ。

 オトウもオカアも口数が少ない。

 俺の真摯な使命感を、二人で感じ取っていてくれてるらしい。


 玄関のチャイムが鳴った。まだ6時15分前だ。


 ドアを開け、最初に顔を出したのはゴリのおふくろさんだった。


「おはようございます。朝早くからみんなで押し掛けすいません」


 続いてゴリ、あとから親父さんがきた。


 家族全員で出迎え、挨拶を交わしてリビングへ。


 今日は土曜日だけど、おふくろさんもやってきた。

 ゴリの両親も、今日のミッションの重大性を認識しているのだろう。


 俺とゴリよりも、お互いの両親の方が緊張した面持ちだ。


「ゴリ俺、朝飯食ってないから、北京での昼食、楽しみにしてっから」


 俺はあえて普通を装った。


「オズ俺もだよ」

「やっぱそーか。でも頭さえてねぇ?」


 再び玄関のチャイムが鳴った。一家で玄関へ。


 俺がドアを開け、

「オズくんおはよう、今日宜しくね」

「おはようジャンヌ。あ、おはようございます」


 ジャンヌに続いて、お母さん、そしてお父さんだ。


「おはようございます、オズくんにはお世話になります」

「いえいえおはようございます。さあどうぞ」


 それぞれ玄関で挨拶してリビングへ。


 ジャンヌはやっぱ全身新品だ。制服もバリっとして、

 古代紫のリボンもきっちり結んでおり、すげーかっこいい。


 どこに出しても恥ずかしくない服装だ。

 もちろん容姿も抜群だ。

 どんなドレス、服装より似合っている。

 長い髪も磨きがかかってつややかだ。

 ジャンヌ全体が、まぶしいぐらいに輝いている。


 オカアが俺の制服を、昨日きっちりアイロン掛けしといてくれた。

 靴は自分で磨いておいた。


 俺の服装がよれよれじゃあジャンヌに恥をかかせてしまう。


 そういえばゴリの服装もきまっていた。

 おそらく俺と同じ気持ちだろう。いや、あいつは俺以上だろう。


 リビングでは三家それぞれ挨拶を済ませると、旅行費用のことで、

またまたジャンヌのお母さんに、

家とゴリん家の両親がお礼を言っていた。


 ミッションに関わる費用は、大橋家で持つという、

パターンが出来あがったみたいだ。


 俺たちは、緊張ぎみの親たちを残して神殿へ。


 今日が大天使ミカエルから命じられた23日めだ。


 俺たちは、《平成の祈り》と

《中国の安寧とアジアの平和が達成されますように》

 との祈りも加えて約30分ほどお祈りした。


 お祈りに入ったジャンヌの輝き具合から、俺は今日もジャンヌが、

宇宙からのエネルギーをキャッチできると確信した。

 ジャンヌの北京でのミッションは、全然心配してない。


 ジャンヌの合図でお祈りは終わったけども、

今日は水晶には映像は映らなかった。


「オズう、モンチ、23日間、私を支えてくれてありがとう。

 お二人もお疲れ様でした」


「おう、ジャンヌ。今日は水晶、なんにも映らないじゃん」


「ええ、でもね、さっきお祈りしていたら、大天使ミカエル様が現れて、

私の肉体は、充分無限の宇宙エネルギーを捉えることができるからと、

お誉めの言葉を頂いたの。

 それからね、オズもモンチも肉体がとっても浄化され、

だいぶ高いところまで進化したんですって。

 私、それをお聞きして、自分の事のように嬉しくなったの」


「え、ほんと? よっしゃー、俺も気合い入ってきた。なあゴリ」

「ああ。今回俺とオズも、一緒に修行した甲斐あったな」 


「それそれ、俺もジャンヌの足元にも及ばないけど。それなりに進化した感じ」

「ああ、俺もオズほどわからないけど、なんか肉体が浄化された感じはする。

 頭っていうか、直観っていうか、なんか冴えわたってる感じ」


「二人とも頼もしいんだ。ありがとう。

 最後にね、北京へ行っても、全ては天界で整えてあるから、

安心しなさいって」


 リビングに戻るとオトウが、

「ジャンヌさん、凄く輝いているよ。なんか凄いオーラで圧倒されそうだよ」


 ジャンヌは恥ずかしげに、

「お父様ありがとうございます。

 お父様、オズくんもモンチも、とっても輝いてると、

お感じになりません?」


 それを受けてオカアが、

「うーん、ジャンヌさん、私もなんか、そんな感じがしてきたわ。

 いつものオズとちょっと違うわね。ゴリくんもよ」


 ジャンヌの明るい振る舞いに、親たちの緊張や不安な思いは消え、

表情が和らいでいる。


 ゴリがジャンヌのお母さんへ、

「お母さん、ジャンヌが、さっき大天使ミカエルが現れて、

『北京へ行っても、全ては天界で整えてあるから、

安心しなさいって』いってたそうですよ。


「ありがとう、モンちゃん」


 ジャンヌのお母さんは、ジャンヌを見ると、お互い頷き合った。


 ゴリの親父さんが、

「ちょっと早いですけど、もう行かれたらどうですか?」


 ジャンヌのお父さんが、

「それならそうさせて頂きますか」


 ジャンヌのお母さんもお父さんをみて頷いた。


「それでは羽田まで、私どもで送ってまいりますから」


 一泊二日だから、俺とゴリはスクールバックだ。


 ジャンヌを護るために、なにがあってもいいように、

できるだけ荷物は少なく、身軽で行こうとゴリと話していた。


 でもテスト前だから、勉強道具は入れてある。


 一泊二日といっても、昼過ぎには北京に着いて、

夕方にはホテルに帰って勉強。


 翌朝一番で帰ってくるから、外国旅行って感じがしない。


 ジャンヌは、スクールバックより少し大きめのバックだ。

 いずれも機内持ち込みサイズにした。


 北京空港へ着陸してからすぐに出場できるようにだ。


 家とゴリん家の両親に見送られ、俺たちは羽田へ向かった。

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