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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第九章 中国
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【魚釣島】

 今日で修行8日目だ。


 今回のジャンヌの修行には、俺とゴリも極力合わせるべく、

食事は普段通り一日3回だけど、菜食にして、肉と魚は避けることにした。


 俺も部活、結構激しいから、その分ごはんを含め、

食べる量は多くなったけど、3、4日したら、第六感っていうか、

微妙な感覚が研ぎ澄まされてくる感じだ。


 本来人間が持ってた能力が甦ってくるようだ。


 ジャンヌは菜食の一日朝夕二食で、

昼は抹茶にブドウ糖を溶かしたのを飲んでいる。


 ジャンヌならもう修行は、23日間も必要ないみたいに感じるけど、

大天使ミカエルの指示だ。


 なんせあの宇宙のすげー光をうけるんだから、肉体を天使と同じくらいに、

浄化させなければだめなんだろう。


 旅行の手配は、ジャンヌのお母さんが、旅行会社に、

飛行機のチケットの手配から、ホテルの予約までお願いした。


 ホテルはJAL系列のホテルだから安心だ。


 昼食は、旅行会社提携の北京料理店で、

食事代も旅行費用に入れてもらったそうだ。


 夕食は今回もホテルの中華料理にして、現地で現金の支払いを、

極力しなくて済むようにしている。


 ホテルはツインを隣同士で2部屋、ジャンヌが寝るときは、

俺に同じ部屋へ泊まって欲しいとお母さんを通じてお願いされた。


 お母さんもその方が安心といわれ、俺は大橋家の信頼が嬉しい。


 ツアーというわけにもいかないので、グループ旅行で車を1台チャーターして、

現地に通訳兼案内人を付けてもらったそうだ。


 もっとも観光といっても今回は、二学期の中間テストの直前だから、

人民大会堂でのミッションのあと、万里の頂上を見学ぐらいにしとくつもりだ。


 翌朝一番の飛行機で帰国することにした。


 羽田発北京行きで、出発は9時10分、北京到着は現地時間12時5分。

フライト時間は時差があるから約4時間だそうだ。


 北京空港に着いたら、おそらく人民大会堂に直行だろう。

 北京空港から北京市内まで約27キロ、約30~40分らしい。


 人民大会堂には、おそらく1時過ぎに到着するけど、

今回なにをするのか全く分からない。


 おそらくジャンヌも同じだろう。

 今朝のお祈りでも、水晶にはなにも映らなかった。


 今朝ジャンヌが、昨日お母さんの、旅行の手配が終わったといっていた。


 俺は次の日、夕食を済ませると、早々と自室にこもり、

中間テストの勉強をしていたら、オカアが、今テレビのニュースで、

中国のことやってるからって、あわてて呼びに来た。


 中国政府が、臨時の全人代(全国人民代表者会議)の開催を発表したと、

テレビニュースでやっていた。


 開催の目的、議題は不明といっていた。


 日本政府に緊張が走った。


 中国が、いよいよ尖閣諸島を実力で獲得すべく、軍事衝突も踏まえて、

奪還する決定をするのではと予想している。

 

 開催は二週間後、ちょうど俺たちが北京に飛ぶ日だ。


 オトウもオカアもまさかという顔で、驚きの表情をしていた。


 俺は六国見山の頂上で、老子から聞かされていたから、

やっぱりなって感じだった。


 大天使ミカエルのいうとおり、全ては天界の段取りなのだろう。


 オトウもオカアも俺たちが、人民大会堂でミッションがあることは、

話してないから知らないはずだ。


 二人とも心配そうだが、俺には何も聞いてこない。

 ミッションに関しては、内容は話さないという、暗黙のルールになっている。


「俺、ジャンヌ信じてるから、なんにも心配してないから。

 オトウもオカアも安心しててな」


「もちろん心配なんかしてないわよ。ジャンヌさんなんだから。

 でもあまりにもタイミングっていうか、偶然っていうか……」


「だからさー、大天使ミカエルが言ってたけど、全ては整っているし、

天界のあらゆる諸神全霊が応援してくれてるんだって」


「そうだよお母さん、オズの言うとおりだから。

大船に乗ったつもりで待ってられるから」


「オトウまた、帰ったら土産話するからさ。じゃあ俺、勉強があるから」

 

 《今日でお祈り16日目の朝だ。》


 俺は菜食にも慣れ、量もがつがつ食べないで済むようになった。

 不思議と肉が食いたいなんて思わない。


 感覚が研ぎ澄まされて、自分の肉体が浄化されていくのがわかる。

 残りあと一週間だ。自分でもどこまで進化するかわからない。


 玄関のチャイムが鳴った。


 今日は土曜日だから、ジャンヌもゴリも、

お父さんが送ってきてくれるはずだ。


 ドアを開けたらジャンヌだった。


「おはようオズ。今ね、下の信号でモンチの家の車と一緒になったの」


 ジャンヌの朝一で見る笑顔がたまらない。


「そっかー、おっはー、ジャンヌ。

 ジャンヌしっかり食べてるみたいじゃん」

「ええ、そうよ。お母さんがいろいろ材料考えてくれているの」


「おおゴリ、おはよう」

「おはようオズ。俺もしっかり食べてるぜ。

 昨日家、餃子だったんだけど、おふくろが俺用に、

野菜だけの餃子作ってくれてさ、豚肉入ってなくても結構いけたぜ」


 ジャンヌは、断食してるわりには、そんなに瘠せてこないみたいだし、

ゴリも大丈夫みたいだ。


 お父さんたちは、まだ朝早いからと帰っていった。

 俺たちは早速神殿へ。


 ジャンヌの合図でお祈りを始め、終わったら7時42分だ。


 今日は水晶に映像が写し出された。


 制服を着た軍人が作戦会議をしているようだ。


 ゴリが、

「これって中国軍の作戦会議じゃねえ? 参謀本部かな」


 巨大スクリーンには、尖閣諸島を中心に、中国大陸の軍の配備状況と、

海軍及び空軍の配備状況が写し出されている。


「ゴリ、これって魚釣島への上陸作戦じゃねえ?」

「ああ、中国軍は本気で上陸するつもりだな」


 場面が変わって魚釣島が写し出された。


「え? 中国国旗じゃねえ?」

「とうとう中国は実力行使で日本に対抗したんだ。あの連中、中国軍だな」


「これって、すげーヤバイじゃん。いつだ?」

「わかんねー! 未来映像だから、ほっとけば現実になるな」


 また画面が変わった。

 

 日本の総理が国民に呼び掛けている。


「国際法を無視して、武力で尖閣諸島を占拠した暴挙は、

我が国政府としても容認出来ない。

 直ちに退去しなければ、我が国は……」


 総理の横には防衛大臣が座っている。

 その後ろには、防衛省の制服組の幹部が控えている。


 また画面が変わって、今度はアメリカの国防長官が会見している。


「……中国政府に対し、直ちに退去を求めるとともに、尖閣諸島は、

日米安全保障条約、第五条の適用範囲であり、

日本が第三国と戦火を交えれば、アメリカ軍は、直ちに条約を履行する。

 日本の自衛隊と共同して対処する……」


 アメリカも日米同盟を遵守するっていってる。


「なあジャンヌ、このままだと、尖閣諸島を巡って、あの海域が戦場となるな。

 これって、近い将来の話じゃねえ?」


「オズ、絶対大丈夫よ、そのために私たちがいるんでしょ」


「だよな、ジャンヌやっぱすげえや、水晶の将来画像見せられても、

全然心配しないんだ。俺って、まだまだ修行が足りねえな」


「だから俺たち、中国の安寧とアジアの平和をお祈りしてるんだろ」

「だよな」


「あと一週間ね、みんな頑張りましょう」


「なあジャンヌ、もうジャンヌ、宇宙からのすげー光、

余裕でキャッチできそうに思えるんだけど。

 でもやっぱ23日間だよな」


「オズ! 大天使ミカエルが23日っていったんだから、

23日に決まってるだろう」


「いや、もちろんそれはわかっているけどさ、さっきジャンヌ凄かったから」


「私、みんなとここでお祈りすると、一緒に進化していくから、

嬉しくてしょうがないの。

 三週間といわず、ずっと続けていきたいけど、

神様が23日間ってお命じになったから、23日間でやめときましょう。

 あと7日間宜しくね」


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