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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第六章 文化祭
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【お化け屋敷】

 俺は登校すると、もう既に、クラスの何人かは来て廊下でたむろしている。


 教室はすでにお化け屋敷になっているので、机も椅子もないので、

みんな廊下とか中をうろちょろしている。


 中をのぞくとすでにジャンヌも登校していて、

ポジションの墓場の前で同じ幽霊役と打ち合わせしていた。


 1組のロングヘヤーの三人娘だ。

 一人は既に、白い着物におでこに三角の鉢巻きみたいのを締め、幽霊の恰好だ。


 俺は屋台のセットを確認していると、


「おはようオズ、早いのね。オズ、トップバッターよね」

「おお、おはようジャンヌ。雨だな、ゴリたち残念だな」


「ええ、私さっき、ジュリに会ったんだけど、残念がってたけど、

7月の公演のチラシ配るって言ってたわよ。

 合唱部も中庭でコンサート予定しているけど、

合唱部は体育館で発表する機会あるけど、演劇部は可哀そうね。

 ジュリたち、あんなに張り切っていたのに」


「ほんと、今日一日中雨っていってたもんな。来場者、ガタっと減るかな?」


「雨でも楽しみにしている人は来るから、

そこそこは来場者あるって聞いてるわ。

 茶道部のお茶会は、予約制だけど、雨だった日でも、

予約は埋まるって聞いてるの」


「そっかー、じゃあ、雨でも閑古鳥の心配はないんだ」

「そうだといいんだけどね。

 オズ私、もう茶道部へ行くからね。じゃあ頑張ってね」


「おお、ジャンヌもな」


 お化け屋敷は、高校の文化祭の出し物の定番だけど、

1組のお化け屋敷は自信作だ。


 他にもニクラスがお化け屋敷で競合している。


 なんせ1組のお化け屋敷はマジで怖い。

 予行演習でもクラスの女子がガチで悲鳴あげていた。

 入場者の反応が楽しみだ。


 もうすぐ一般来場者向けの開門の時間だ。


 例年正門前には行列が出来るそうだ。


 紫帆祭での飲食物に人気があり、値段も格安だけど、現金不可で、

事前に金券チケットを購入してもらい、現場での現金のやり取りはない。


 クラスやクラブで荒稼ぎできないようになっている。


 実際ジャンヌの茶道部も、お茶会やるけど、

一杯120円でお菓子まんじゅう付きっていってたから、

実質実費負担みたいなものだ。


 クラスの情報では、正門前は、もう行列が出来て、

開門待ってる人がかなりいるみたいだ。


 俺は早速そば屋の親父に着替えることにした。


 初めての入場者は、女子中学生の3人連れだ。


 事前に入り口の担当から情報をもらった。


 暗い室内に屋台と後ろ向きで作業しているそば屋のおやじ(俺)がいる。

 俺は、着物のお尻をはしょってちょんまげのかつらを被っている。


 屋台の前には看板を立て、

『そば屋さん、注文お願いします』と声を掛けて下さいと書いてある。


 俺は後ろの気配を注視している。

 三人のうちの誰が声を掛けるかでもじもじしている。

 そのうち、せいのうで、

「おそば屋さん、注文お願いします」


 俺は「はいよー」と言いながら振り返ると、

「きゃー!」 一斉に悲鳴があがった。先ずは大成功だ。


 おれの顔は『のっぺらぼう』で、頭からストッキングを被り、

その上にちょんまげのかつらをかぶっていたのだ。


 目と眉毛の上にガムテープを貼っているのでよりリアルだ。


 俺は再び後ろ向きで次の入場者を待つ。


 次の場面は、ジャンヌが出演する墓場の幽霊だ。


 墓場に火の魂を飛ばし、ぴゅーという音を流しながら、

白装束の幽霊が両手を前に掲げながら顔を出すオーソドックスなスタイルだ。


 でも背景が、薄気味悪い墓場の雰囲気がすげー出ている。

 俺が見ても鳥肌が出てくる。


 隣の墓場からまた悲鳴が聞こえた。

 さっきの三人娘、大丈夫だろうか? 


 リアル過ぎて心配になってきた。


 最後が圧巻だ、刑場のシーンだ。


 磔柱に白い着物を血に染めた罪人が絶命して、左へうなだれている。

 

 そして、にわかに顔だけ正面を向き、無念の形相で目を見開く。


 これもリアルな演出で、クラスでの怖さランクNO1だった。


 二組目は女子高生風の二人連れだ。

 これも悲鳴があがり成功した。


 入り口には、5~6組が並んでるらしい。


 悲鳴度からいって、今回の企画は大成功だ。


 俺は一回目の出演を終え、着替えて教室の出口で、

出てくる連中の反応を確かめた。


 みんな抱き合いながら出てきた、恐怖から解放された安堵感が漂っていた。


「ありがとうね、みんな怖かった?」

「もうまじで怖かった」「やばかったですよ」「ちょー怖かった」


「そっかー、みんなありがとね」

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