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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第六章 文化祭
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【紫帆祭】

 来週土曜日は六国高校の文化祭、紫帆祭だ。


 今週から校内は、紫帆祭の準備のため、放課後は文化祭一色になる。

 教室、校内空スペース、いたるところでいろんな作業をしている。


 ジャンヌは茶道部でお茶会をやるし、ゴリとジュリは、演劇部で公演するらしい。

 文化部の連中はみんな張り切っている。


 俺たちのクラスの出し物は、〈お化け屋敷〉に決まっている。


 クラスの出し物は、おもに運動部の連中が中心になってやる。


 ジャンヌは、茶道部の受付とかの雑用をこなしながら、

1組のお化け屋敷にも参加する。


 俺は、屋台のそば屋の親父のお化けの役だ。

 俺も含めて三人で担当する。


 ジャンヌは、墓場で出る女性の幽霊をやる。

 髪の長い女子三人で担当する。


 ゴリとジュリは、演劇部の公演があるから参加できない。


 俺を含めた屋台のお化けの三人組は、屋台の作成を請け負っている。


 高校の文化祭ともなると、やることは本格的だ。

 屋台はおもに、段ボールとベニヤ板を使って作成する。

 鋸と金槌は、足らないので自分家から持ってくる。


 ジャンヌは、墓場で化けて出る幽霊の設定だから、墓を段ボールで作っている。

 墓場の背景は、ベニヤ板に画用紙を張り付けて描かれる。

 作成は、ジャンヌとか、美術選択の連中が描いている。



 俺は、雨音で目が覚めた。

 今日は紫帆祭なのに、昨日の天気予報の通り朝から雨だ。


 今日1組は7時に集合だ。みんなはりきってる。


 俺たちのクラスは、お化け屋敷で教室でやるから雨でも関係ないけど、

ゴリたち演劇部は、野外ステージだから、おそらく中止になるだろう。


 オカアも演劇部の舞台、楽しみにしていたのに残念だ。


 ジャンヌん家も両親がゴリたちの芝居、見に来るっていっていた。

 なによりゴリたち演劇部の連中が、一番残念がっているだろう。


 ここんとこ、土日も休み無しで、舞台に向けて稽古に頑張ってきたから。


 俺は何となく落ち込んだ気分で下に降りていく。


「お早うオズ、今日雨ね。残念ね」

「オハー、オカア。ゴリたち、なんか同情しちゃうよ」


「そうよねーオズ、ゴリ君たちのお芝居、雨天中止よね。

とっても楽しみにしていたのに」


「でもオカア、来月、鎌倉芸術館で公演するんだって。

大ホールだから、満員になるように、

今日校門でビラ配りするって言ってたな」


「そうなの、それなら絶対観に行くからって、

ゴリ君とジュリさんにいっておいて」


「なにオカア、今日来ないの?」

「一応顔は出すけど、茶道部のジャンヌさんは、今年は1年生で裏方だから、

お点前とかしないんでしょ?」


「ああ、3年生は浴衣着て、作法室でお点前するんだって。

 2年生は隣の被服室で椅子席でのお点前だけど、事前の予約制だから、

1年生が受付で予約の対応とかするんだって」


「だったら来年は、茶道部の抹茶、頂きに行くからね。

 お母さんも、六国高校の文化祭なんて、今まで全然関心無かったけど、

オズが入学してから、六国高校生が気になってしょうがないの。

 高野台の坂を車で下る時、六国高校生がいると、必ずチェックしてるの。

 ジャンヌさんかな、ゴリ君かなって。

 でもね、この前、PTAの会合の時、父兄から、

やっぱり六国高校に入学させて良かったって。皆さん言ってたわよ。

 どこかのお母さんが、息子が高校生になったから、

すぐ髪染めるのかって思ったけど、安心したって仰ってたわよ」


「でもオカア、今日一日は、髪染めても大丈夫だって。

 俺のクラスの軽音部の奴は、染めてくるって言ってたな。

同じバンド組んでる女子は、銀髪にするんだって」


「でも紫帆祭の今日一日だけで、また戻すんでしょ」

「そりゃそうだよ、そこんとこはみんなわかってるよ」


「そこが偉いとこね。ちゃんとけじめつけて切り換えられるんだから。

 まじめな生徒ばかりだって、すごく評判いいわよ」


「え?  オカア、そんなに六国高校評判いいの?」

「オズ、なに言ってるの、そうなのよ。

 学校へ行くと、生徒たち、みんな挨拶してくれるでしょ。

 なんかお母さん、とても嬉しくなっちゃった。

 みんなまじめそうで感じいいんだから。

 六国高校って、山の中にあるじゃない、だから環境がとってもいいから、

娘や息子を入学させておけば、悪さしないから安心だって」


「それでかあ、なんか、ほとんどの奴が部活やってるし、

帰宅部なんかほとんどいないんだぜ」


「いろんな行事やるけど、みんな一生懸命やるでしょ。

 これって伝統だとお母さん思うけど」


「先生も真面目な子が大好きって感じ。あ、俺もう行くわ」


「え? オズ、まだ六時半よ。もう行くの?」

「ああ、俺、なんか、そわそわしてきたから。気になるからさあ。

俺のお化け、トップバッターだからさあ、着物きて、かつら被るから。」


「オズ、お化けやるんでしょ。じゃあ教室行っても会えないわね」

「ああ、だけど、俺の番は朝一と午後の一時で1時間ずつ担当だから、

お化けの時間以外はぶらぶらしてるよ」


「ジャンヌさんもお化けやるんでしょ? 茶道部は大丈夫なの?」


「ああ、ジャンヌはお化けっちゅうか、幽霊やるんだよ。墓場で。

 ジャンヌの出番はお昼頃だから、

クラブと掛け持ちだから、一回やればいいんだって。

 それ以外は作法室か隣の被服室にいると思うよ。

 文化部の連中も、みんな時間調整して、

クラスの出し物も手伝うようになってるんだ」


「そうなの」


「オカア、間違ってもお化け屋敷、入んないでよ」

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