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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第六章 文化祭
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【印相】

 俺は朝起きて、下へ降りていくと、リビングのテレビでは、

昨日の福岡での出来事をやっている。


 NHKも民放もみんな同じだ。


 犯人も、一部捕まったり、自首しているらしい。


 なんせ、自首するか、捕まらない限りうどん粉が落ちないのだから。


 なんか、壇上で光をキャッチした女子高生は、

金髪で青い目をしていたなんて証言まで出てきている。


 それも複数証言されている。これって、見る人によっては、

ジャンヌ・ダルクに見えたのかもしれない。


 報道を見ていると、昨日の奇跡は、

俺たちの仕業じゃなかったみたいに思えてきた。


 それはそれでいいのかもしれない。

 俺も今日から普通の生活に戻れそうな気がしてきた。


 今日は月曜日だ、大天使ミカエルからの、

四十九日間の修行は終ったものの、

昨日の報告と感謝の祈りを捧げるべく今朝は7時45分に集合だ。


 俺はジャンヌが、気が緩んで倒れないか心配で、朝からそわそわして、

外でジャンヌを待つことにした。


 ジャンヌも今朝は、大事をとって、お母さんが送ってきた。

 坂の途中でゴリを拾って来た。


 ジャンヌもゴリも、昨日の疲れは残ってない。

 みんな元気で安心した。


 ジャンヌも暫く静養して、体力を回復させてもらいたい。

 きっと大天使ミカエルも、ジャンヌに静養させるだろう?  

と俺は期待したい。


 俺たちは神殿に入ると、すでに水晶が輝き出した。


 ジャンヌが近づいただけで、凄い反応だ。

 もう既に、ジャンヌは天使になりきったようだ。


 祈り始めると、先週までと光の輝きが全然違う。

 ジャンヌは格段に進化している。


「はい、ありがとうございました。

 オズ、モンチ、今ね、大天使ミカエル様がお出ましになって、

昨日のミッション、とても誉めて頂いたの。

 オズもモンチもとてもすばらしかったって。

 それから、7月と8月は、六国登山はしなくていいそうなの。

 そのかわり、それまで静養と体力の回復に努めなさいって仰られたの」


「そっかー、ジャンヌよかったじゃん。

 俺もさあ、ジャンヌ、少しゆっくり静養できたらなって思ってたんだぜ。

 思った通りだ」


 やっぱジャンヌは、肉体的にも体力的にも限界まで修行したんだな。


 大天使ミカエルも、厳しいだけじゃなくて、ジャンヌのこと、全て解かってるし、

慈愛の心で指導・加護してるのが理解できた。


「それでジャンヌ、役行者からメッセージはあったか?」

「ごめんなさい、オズ。

 私、役行者とは、お山の頂上でしかお会いしたことないの。

 でも、きっと役行者もオズの活躍をお喜びになっていらっしゃってるわ」


「そっかー、そうだよな。俺、あんまし変なこと考えると、

役行者から、ガツンとやられそうだから。何でもお見通しだからな。

で、ジャンヌ、昨日の夜、ご飯ちゃんと食べた?」


「ええ、オズ、心配してくれてありがとう。

 昨日は久々にステーキだったのよ。朝もしっかり食べてきたし」


「そっかー、すぐ寝れた? テレビは見た?」

「ううん、家、普段あまりテレビ見ないの。

 ご飯食べて、お風呂入って、すぐ寝ちゃった。

 今朝はテレビ見たわよ。昨日のミッションのことやってたわね。

 なんか、私たちがやったんじゃないみたいな錯覚に陥りそうだったわ」


「そうそう、それは俺も感じた。結局その方がいいかもな」


「そうよね」


「俺んち、帰ってから大変だったんだから。

 おふくろもそうだけど、姉貴と妹がうるさくて、もう質問攻めでさあ。

 あ、ジャンヌに選んでもらった博多人形のキーホルダー、

二人ともすげー喜んでた。

 由希なんて、天使が選んだお土産だって、記念の宝物だなんて言ってたぜ」


「そう、二人に気に入ってもらえてよかった。

 私、責任感じちゃったの。

 それからモンチ、昨日、ジュリへのお土産、渡してもらえた?」


「ああ、親父にジュリん家寄ってもらったじゃん、

ジュリん家も昨日大騒ぎだったんだ。

 ジュリには、福岡に行く事は言ってあったんだ。

 ジュリのやつ、さすがジャンヌだって、それと、

天之宇受売命にお祈りしてくれてたんだって」


「あ、そうなの、ジュリも私たちのミッション、応援してくれていたのね。

今日登校したらお礼言わなくっちゃ」


「ところでジャンヌさあ、今朝のニュースというか、

ワイドショーだけど、壇上で光をキャッチしたのは、

金髪で青い目してたって言う証言まで出てきてるけど、

これってジャンヌ・ダルクがジャンヌの肉体に甦ったってことかなあ?」


「さあ、それはないと思うけど、神様が、私たちを護って下さるために、

いろんな魔法をお使いになられたんだと思うわ」


「そうか、ジャンヌが言うんだから間違いないよな」


「その話、昨日もやってたけど、俺も気になったけど、

金髪とジャンヌ・ダルクと全然結びついてなかったから安心してたんだ。

 親父もきっと神様がかく乱してるんだろうと言っていた」


 俺たち三人揃って登校した。

 教室では、ジュリがもう登校していた。

 ジャンヌとハイタッチのあと、がっちり握手した。

 続いて俺ともハイタッチのあと握手してくれた。


「おみやげありがとね、昨日から我が家じゃみんな興奮状態なんだから。

 ねえジャンヌ、受けとめた光って、落雷よりももっと凄い光なんでしょう?」


「さあ? 落雷と比較できるかは解からないけど、

光は、宇宙からのエネルギーだから、強力な光には違いないわね。

 印を組んで受け止めるんだけど、印はテレビのアンテナの役目みたいなの。

 でも、普通の我々の、この肉体波動ではキャッチできないの。

 だからお祈りと断食によって、肉体を浄化させ、霊体波動まで高め上げたの」


「へえー、そうなんだ。さすがジャンヌね」


「よく仏像とか、観音像が印を組んでいるでしょう。

あれは宇宙からの光・エネルギーを受けているの。

印相によって、光の働きが違っているの」


「じゃあジャンヌ、観音様と同じ働きをしたっていうことか」


 俺はあらためてジャンヌの凄さを認識した。


「オズ、今さらなに言ってんだよ。

俺たち、天使状態のジャンヌを、しっかり見てるだろうが」


「あ、ジュリ、私たちのために、天之宇受売命にお祈りしてくれてありがとう」


「ジュリ、ありがとな。俺、椿岸神社にお参りしたじゃん。

あれから天之宇受売命が大好きになってさ、

俺、椿岸神社を思い浮かべてお祈りするじゃん、

すると、目の前がすげー光に包まれる気がするんだ。やっぱあの神様すげーよ」


「え? オズもそう? 今回あなたたちがミッションで行ったじゃない、

私、久々にお祈りしたの。

『平成の祈り』とか、あなたたちのミッションが成功しますようにとか、

お守り下さいとか祈ったじゃない。

 そうしたら、オズの言ったように、目の前が明るくなったような、

光というか、天之宇受売命を感じられたわ」


「そうか、やはりジュリは、霊媒体質っていうか、

神様を感じることができるんだな。

何にも感じないのは俺だけになったな」とゴリ。


「ねえモンチ、モンチは何も感じなくっても、

必要なことは全部考えてくれるでしょ。

 私、いつも、モンチのサポートにどれだけ助けられているか。

 これって、モンチが神様のみ心と直結しているからだと思うの。

 だからモンチは、神様を感じたり、

光を感じたりしなくても充分素晴らしいから、気にしないでね」


「ジャンヌ、ありがとな。俺、そんなにたいしたことしてねえから。

そろそろみんな、登校してきたから、話題変えようぜ」


「そうよ、来週紫帆祭だからね」

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