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紫をまとういと高き天使  作者: げんくう
第五章 紫をまとういと高き天使
42/105

【福岡】

 無事に福岡空港に到着した。

 到着ロビーを出た。


 現在11時30分。あと45分だ。


 福岡空港は物々しい警備で、制服の警察官のほか、

SPも各所で目を光らせている。


 福岡グランドホテルは、JR博多駅の近くのはずだ。

 ゴリの先導で地下鉄へ。


 券売機で切符を購入する。福岡空港から3っつ目だ。


 福岡空港の地下鉄ホームに降りると11時37分だ。


 始発駅で、発車は11時41分、6分で博多駅に着く。


 博多駅で降りて地上に出た。ゴリがナビで場所を確認している。


 俺たちは、飛行機を降りてからほとんど無言だ。


 俺は少し緊張して、気持も高揚している。

 心臓がバクバクしてきた。


 一瞬の不安がよぎる。


 もし、ジャンヌの祈りと印が、力を発揮しなかったら。

 俺たちはピエロに終わり、総理ともども爆死してしまう。


 最悪の事態を、否定しようとしても湧き上がってくる。


 恐怖が襲ってきた。


 その瞬間『バカモン!』役行者から裂ぱくの気合いだ。


 天が裂けたかと思った。と同時に、俺の頭がギューと締め付けられた。


 不安、恐怖の思いは一瞬に吹き飛んだ。


 今、俺たちは、三人だけじゃないんだ。

 俺の背後には、役行者が守ってくれてるのがわかった。


 ジャンヌには、大天使ミカエル、ゴリには猿田彦大神が、

それぞれ守護と指導されてることが確信できた。


 いや、それだけではない。昨夜、六国見山に登場した、

沢山の天使、眷族も打ちそろって応援してるはずだ。


 俺は、頭を両手で抱えながらジャンヌをみると、

何事もなかったかのようだ。


 古代紫のリボンをまとい、制服を着て立つジャンヌは、

静けさの中にも、近寄りがたい品格と権威を感じさせている。


 遠くを見つめている瞳は、水晶のように澄み渡り、

大事なミッションを前にした、決意が漂っている。


 ロングヘヤーがかすかになびいている。


《紫をまとういと高き天使》の姿そのものを顕現している。


「よし判った、行くぞ」


「あ、その前にジャンヌ、俺、今、役行者からすっげー気合い入れられたんだ。

 昨夜の神様が、全員で俺たちを守ってることを知らされたんだ」


「オズ、ありがとう。私、神様を信じているから、

このミッション、絶対成功するわ。

 オズ、モンチ、よろしくお願いします」


 ジャンヌは、いつもと違うモードだ、か弱き乙女から、

天使モードに変わってるみたいだ。

 現在11時55分だ。


 ホテル到着12時2分だ。


 ホテルの入り口近辺は、警察官、SPが多数警備している。


 入り口でジャンヌに、

「バック預かるよ」って受け取ろうとしたけれども、

「オズ、ありがとう、でも今回はクロークに預けます」


 総理の講演会場とクロークは地下一階だ。


 ジャンヌは自分でバックをクロークに預けると、

会場の入り口を見つめ、ゆっくりと合掌した。


 既にジャンヌから、強い光が放たれており、俺の目がひりひりしている。


 俺は、ジャンヌと神様への絶対的な信頼で、

恐怖感は全くなく落ちついている。


ジャンヌとゴリも、とても落ち着いているようだ。


 12時6分だ。


「モンチ、私が先に進みます。では行きましょう」


 第一部は九州の経済界向けの講演会で、第二部がパーティとなっている。


 講演会場はパーティ会場とは別だ。


 既に総理の講演は始まっている。


 会場入り口はシーンとしていて、中から総理の声が聞こえてくる。


 高校の制服を着た俺たちは、いかにも場違いだ。


 受付に寄らず、いきなり入り口に近づくと、

ホテルマンも警備のSPも、ノーチェックで扉が開かれた。


 三人会場に入ると、扉は閉められた。


 会場内は、水晶に映し出されたとおりだ。

 爆弾の仕掛けられた演壇もある。


 会場はほぼ満席で、皆総理の講演を静聴している。


 ジャンヌは、壇上に向かって右側の通路を真っすぐに進み、俺たちも続いた。


 壇上に進むにつれ、先ず壇上周辺を固めていたSPが反応した。

 警戒して身構えだした。


 会場内も俺たちの存在に気付き、ざわつき出した。


 壇上に近づくとSPが壇上への登壇口を固めた。


 総理の講演は止まった。


 ジャンヌが壇上下に達すると、SPたちは、まぶしそうに手をかざしながら、

ジャンヌを見るが、手出しできずに道を開けた。


 ジャンヌはそのまま登壇し、中央で総理と対面した。

 少し後ろに俺とゴリが控えた。


 会場は静まりかえり、全員がジャンヌに注目している。


 高校生がいきなり登壇し、何事かという空気が伝わってくる。


「総理、ご講演中失礼いたします。

 間もなく、12時15分に、その演壇は爆発します。

 でもご安心ください」


 会場がどっとざわついた。


 演壇下の何人かは浮き足だっている。


「え? ほんとうですか?」総理は半信半疑のようだ。


 総理が壇上の時計を振り返って見ると12時9分だ。


「爆発させないために私たちがまいりました」

「はあ?」総理は信じてないようだ。


「総理、演壇から少し離れていただけますか?」


 演壇の前にジャンヌが立ち、左右をゴリと固めた。


 ジャンヌは、胸の前で指をからめた合掌をし、人差し指を天に指し、

ピラミッドの印を組むと目を閉じて《平成の祈り》を祈り始めた。


『内平らかに外成る、地平らかに天成る。

 地球の安寧と世界の平和が達成されますように。

 大天使ミカエル様、み心のままになさしめたまえ』


 ジャンヌが祈りだすと、ジャンヌの体が紫紺と金色と白光に輝き出した。


 目を開け、前方、天を仰ぎながら

「大天使ミカエル様、宇宙に遍満するエネルギー、全てを可能に変えていく、

《神秘なる宇宙パワー》を注ぎくださりませ」


いよいよジャンヌは、大天使ミカエルより授かった《印》を組み、

宇宙からの光を受け止める。


両手を高く広げると、天から光の雨が降り注がれる。


次に胸の前で、左掌を上に向け、親指と人差し指で輪っかを作り、

右手は親指と中指で輪っかを作り左手の輪っかに鍵を掛け、

右手人差し指を天に向けた。


それから、鍵を外し、両手の輪っかを作りながら、

両手を胸の前で水車のように回転させ、

徐々に回転の輪を大きくさせながら、左右に広げながら上げていき、

七回転目に、右手を真っすぐ人差し指を高く掲げると、

その瞬間、指先に落雷のような光を受け止めた。


右手の人差し指から噴水のように光がほとばしっている。


同時に左手は、肘から先を前に出し、親指と人差し指でのわっかのまま、

手のひらを上に向けている。


ジャンヌは光を受けながら、前に一歩出て演壇に近づいた。


 半身をひねって、左手掌を右に向け、

右手人差し指で受けた光を屈折させ受けとめた。


 左手掌で受けとめた光を、ゆっくりと演壇に向けた。


 左掌から屈折再放射された光は、演壇に放射され、演壇が光に包まれた。


 やがて演壇から黒い煙が上がり出し、ボン! 

という音をたてると、演壇の真上が裂け、中から黒煙とともに、

白い粉がとぐろを巻きながら舞いあがって、天に消えていった。


 黒煙は完全に浄化され、演壇が光輝いた。


 ミッションは完全に成功した。


 ジャンヌは、《印》を解き、指をからめた合掌でひざまずき、

大天使ミカエルに感謝の祈りを捧げている。


 俺とゴリもジャンヌにならった。


 ジャンヌが立ち上がると、会場がどっとざわめいた。


「爆弾て、ほんとうだったんですね。

 君たち、命の恩人ですね。いやあ、ありがとう」

「いえ、とんでもございません。

今回、総理をお救いするのが私たちの使命でしたから」


 総理は、演壇に噴出している白い粉を見ながら。

「この白い粉は何ですか?」

「爆薬をうどん粉に変えておきました」


「それなら食べられますか?」

「もちろん大丈夫です」


 総理は、うどん粉を指ですくいなめてみる。


「ほんと、うどん粉だ、家内に、きつねうどん、つくってもらいましょう」


「愛のエネルギーが、たっぷり入っていますから、

どうぞ召し上がってください」


「ところで、爆弾を仕掛けた犯人は誰ですか?」

「総理の存在を、邪魔と考える人たちでしょう。

 今回の事件に関わった、犯人、関係者の方々は、

飛んで行ったうどん粉をかぶっています。

 自主するか、捕まらない限り、粉は落ちないようになっています」


「分かりました。で、いったい、君たち何者ですか?」

「御覧のとおり、高校生です」


「どちらから来られたんですか?」

「ふるさとは金星なんです」


「はあ? えらい遠いところから来られたんですね」


「それでは総理、私たちの使命は終わりましたので、

失礼させていただきます。

 総理のご講演の最中に、中断させてしまい、ご無礼をお許しくださいませ」


「いいえ、では、気をつけてお帰り下さい。

 ほんとに君たち、今日はありがとう」


 三人揃って総理に挨拶をして壇上を降りた。


 出口に向かうが、総理はじめ、会場全員が俺たちを目で追っている。


 カメラのフラッシュとシャッター音が激しくなる。


 出口扉近くで総理から

「ありがとう」と、手を振られたので、

俺たちは、扉の前で整列し、総理と会場に深々と頭を下げた。


 扉が開き、俺たちが退出すると、扉は閉まった。


 会場後ろに控えていた、カメラマンやマスコミ関係者たちが、

俺たちを追おうとしたが、扉は開かないみたいだ。


 入り口で警戒している、SPや警備関係者は、俺たちには無反応だ。


 フロアの奥に二人、、うどん粉をかぶって、

顔がピエロのように真っ白になっている。


 クロークで、ジャンヌがバックを受け取り、

俺たちはエスカレーターで一階に上がると、

「オズ、モンチ、お疲れ様」


 ジャンヌもほっとしたのか、いつもの柔和な笑みが戻った。


「ジャンヌ、お疲れ様。でもジャンヌ、すごかったな」とゴリ。


「うん、地上に舞い降りた、天使っていう感じだったなあ」


 俺たちは、ホテルの出口で後ろを振り返り、

「誰も俺たちを追っかけてこないな」とゴリ。


「ジャンヌ、扉に仕掛けしたの?」

「私たちがいなくなるまで開かないの、

それから、テレビカメラもカメラも、私たち写らないの」


「え? なんで写らないの?」

「私たちのここ、額のチャクラから光が放たれていたから写らないの。

 後ろも光背で写ってないはずよ」


「じゃあ、ジャンヌ、俺たちの、顔や姿がテレビに放映されないし、

新聞に写真も載らずに済んだんだ」


「それから、総理を始め、私たちを見た会場の人たちの記憶は覚醒され、

私たちの容姿とか、人数も性別も曖昧に記憶されるはずよ」


「ジャンヌ、じゃあ俺たちの制服もバレないし、全く判らないジャン」

「そういうことね。神様の配慮なの」

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