【内閣総理大臣】
俺は今朝5時に起きた。自分で目覚ましを掛けた。
オカアは既に起きていた。
神様ごとのときは親に頼りたくない。
オカアが風呂を沸かしておいてくれた。
俺は風呂に入って身を清めた。
ジャンヌは新品の下着を身につけるはずだ。
オカアは朝食の支度をしているが、緊張と不安げの表情は隠しようもない。
昨夜、ジャンヌが、大天使ミカエルより、
《神秘なる宇宙パワー》を受けとめる《印》を授かった。
そして今日、福岡で、大天使ミカエルからのミッションを、
遂行することになったけど、ミッションに関しては、
詳しいことは、両親にも話してない。
俺たちは、爆弾の処理のために、福岡へ行かされるだろけど、
場所と時間は、7時のお祈りの時に、水晶に映し出されるはずだ。
6時45分に、ジャンヌがやってきた。
今朝はお父さんが送ってきた。
俺とオカアは、玄関で挨拶したが、ジャンヌとお父さんが、
俺とオカアに深々と頭を下げ、よろしくお願いしますといわれた。
ジャンヌは、頭の先(黒髪)からつま先(靴)までピッカピカだ。
目まで輝いている。靴までオーラが放たれているようだ。
「ジャンヌ、昨日は寝られた?」
「ええ、バッチリよ」
俺は安心した。なんていったって、
ジャンヌがベストコンデションで臨んでもらわないと、
すべてはジャンヌにかかってるのだから。
「オズくんは?」優しげな表情で聞いてくれた。
「俺もバッチリよ、今朝5時に自分で起きたんだ。
風呂にも入って身も清めたから、お役に立つと思うよ」
「わー、頼もしい。
ね、お父さん、オズくんとモンチがいるから絶対大丈夫。
安心して待っていてね」
ジャンヌは、お父さんの左腕を両手で抱えてうれしそうだ。
「大橋さん、リビングへどうぞ」
オカアが、お父さんをリビングへ案内していく。
「ジャンヌ、朝ごはん食べた?」
「ううん、私、昨日まで、半分断食していたでしょ、
それに菜食だったから、今日のミッションが終わってからいただくわ」
「ジャンヌ、大丈夫?」
「大丈夫、今まで続いたんだから。
オズくん、心配してくれてありがとう」
玄関のチャイムが鳴った。ゴリん家だ。
俺とオカアが玄関へ。
ゴリん家も、お父さんが送ってきた。
オカアが同じく、ゴリのお父さんをリビングへ。
続いて俺とゴリもリビングへ。
リビングでは、ジャンヌのお父さんとジャンヌが立ち上がっていた。
「おはようございます。大田さん、朝早くから申し訳ございません……」
二人とも丁寧にお礼をいいながら、
「モンチ、よく寝られた?」
「うーん、なんか興奮しちゃって、一時までは寝られなくて覚えてるけど、
でも、頭はバッチリだから安心しろよ」
「ありがとう、モンチ、朝ごはんもバッチリ食べた?」
「うん、俺、今朝5時に起きて、ジャンヌみたいに朝、風呂に入って、
身を清めてきたから。
それに、ジャンヌを守護する栄誉に感動して、俺、
ものすげー使命感に燃えまくってる感じ」
「わー、ありがとう、モンチ。
ね、お父さん、オズくんもモンチも、とっても頼もしいっていったでしょ。
だから心配しないでね。お母さんにも、よーく言っておいてね」
「ジャンヌ、オズ、そろそろ神殿の中に入ろうか」
俺たちは、水晶の前の定位置に腰かけた。
まだ7時5分前だけど、水晶はもう、輝き出している。
ジャンヌが《平成の祈り》を祈りだすと、水晶の中が黒雲に覆われてきた。
ジャンヌの身体からは、紫紺と金色と白光に変化しながら光を放射している。
やがて水晶が澄み渡り、映像が映し出された。
先ず、JR博多駅が映し出された。
次にホテルの建物、『福岡グランドホテル』と映し出された。
続いてホテルの講演会場が映し出された。
例の爆弾が仕掛けられている演壇の前で、総理が講演している。
壇上の時計は、12時5分を指している。
次に時計が12時15分を指している。
同時に演壇が巨大化した瞬間で映像は消えた。
ゴリが、
「やっぱ総理だったんだ。爆発は12時15分で間違いないな」
「福岡到着は何時だっけ?」
「11時15分、福岡空港から博多駅まで地下鉄で10分くらいだから間にあうな。
俺、ホテルの場所調べる」
ゴリがスマホで、ホテルと場所を検索している。
羽田空港へは、ジャンヌの家で送ってもらうことになっている。




