【お礼状】
試験明けで、久々のランチタイムだ。
ジュリがデジカメで撮った写真を持ってきて、旅行の話で盛り上がってる。
「ほーらオズ、あんた寝てばっかりで試験大丈夫だった?」
ジュリのやつ、行きの新幹線で、俺が寝てる写真を撮っていた。
隣のジャンヌは真剣な表情で、勉強に集中している。
「ちょっと休んだだけじゃんか。勉強のときはすげー集中できたんだ。
テスト範囲の重要なポイント、ジャンヌに整理ノート見せてもらったじゃん。
ずばずば当たったぜ。俺絶対ジュリより成績いいかんね」
「私だってゴリに教わったところとか、ここ大事だぞっていうとこ、
ズバリ出たわよ。なんたって学年7番の人に教えてもらったんだから」
「それをいうなら俺は、5番のやつのノートで勉強したんだぜ」
「おいおいお前たち、子供の自慢話みたいで、みっともないからやめてくれよ!」
ジャンヌはニコニコしながら聴いている。
「オズもジュリも、テストの成績良さそうでよかったわね。
私、テスト前に二日間も旅行したから心配していたのよ」
ゴリが、伊勢神宮で撮ったジャンヌとジュリの並んだ写真を見て、
「なあジュリ、スカート短くして、太もも丸出しも、
青春真っただ中って感じでいいけど、
この写真も真面目な女子高生って感じが出てて、
すげー似合ってると思うんだけど」
「おう、そういえばジュリ、ジュリの抹茶の作法、
ゴリのやつ、熱いまなざしでさ、身を乗り出して見てたぞ」
ゴリが照れながら、
「ほんと、どこかのお嬢様って感じだったぜ」
「マジで? じゃあ今度、オズん家でお茶やるとき、
私またお嬢様モードでやるから」
「そうそう、ジュリでもおしとやかに見えたもんな」
あ、しまった! また言ってしまった。
「なによオズ、ジュリでもとは!」
「いやジュリ、オズはお芝居がとっても上手だったって、褒めているのよ。
名女優だなって」
「なにそれぇー。なんかよくわかんないなー。ジャンヌのいうこと……」
「ジュリがお芝居演じたって言ってたじゃん」とゴリ。
「そっかー……」
「いやマジで俺、名門の令嬢に見えたんだ。ウソじゃないって」
「オズ、そんな無理しなくてもいいわよ。
どうせまたお茶やるとき、オズん家使わせてもらうんだから」
運転手の福西さんとの集合写真もあった。ジャンヌが
「ねえ、ジュリ、この福西さんと撮った写真、いただけない?
私、お礼状書くから、この写真、同封しておくわ」
ジャンヌの手紙かぁ、俺も欲しくなった。
ラブレターなら最高だ、想像しただけでわくわくしてくる。
でも、ジャンヌとの恋は、当然御法度なんだろうから。
「みんなね、私たちが、ホテルを出発した後、
ホテルの支配人さんから、お母さんへ、
今みなさん、無事に出発されましたというお電話いただいたの。
その時、支配人さんから、みなさんとても礼儀正しく、
今どきの高校生にしては、めずらしいくらいで、とても爽やかな印象受けました、
それから、運転手の福西さんも、ホテルの人へ、同じようなことを伝えて下さったの。
運転手さんも、わたしたちのこと、絶賛されてましたよって。
お母さんも、とても喜んでたわ」
「そうか、俺たち、制服着て食事に行ってよかったな。
俺たちのこと、見る人は、しっかり観察してるんだな」とゴリ。
「俺たちも、ジャンヌを守護する立場なら、立派な高校生でありたいし、
俺たちがおそまつじゃ、ジャンヌに恥じをかかせるからな」




